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選択ガイド:ハード ドライブとSSD

選択ガイド:ハード ドライブとSSD

エンタープライズ システムのユーザーにとって最大の懸念事項は、データのセキュリティとデータを保存するメディアの信頼性です。

Dellでは、エンタープライズ向けハード ドライブおよびSSD製品をサーバーおよびストレージ システムのラインナップに加える際に、予め厳密な検証プロセスを実施しています。Dellは、ドライブのパフォーマンス、デューティー サイクル、平均故障間隔(MTBF)、および回転振動について、エンタープライズ レベルで求められる仕様を厳密に定めています。こうして定められた仕様を確実に満たしたものだけが、お客様の用途にふさわしい製品として認定されます。

パフォーマンスとコストはHDDおよびSSD製品によって異なります。アプリケーションへの影響を評価する際は、以下の各タブを参照してください。

HDDとSSDには、エンタープライズ環境のお客様が抱えるさまざまなニーズに対応するために、複数のバリエーションが用意されています。たとえば、次のようなものがあります。

ソリッド ステートSAS、Value SAS、およびSATAドライブ

ランダムIOに対応した高速ストレージ メディア

10Kおよび15K SASハード ドライブ

パフォーマンス確保のために最適化されたアプリケーションに対応するパフォーマンスと可用性

7.2K SASおよびSATAハード ドライブ

容量確保のために最適化されたアプリケーションに対応する高容量と1 GBあたりの優れたコスト効率

エントリー ドライブ

使用率が低く、総ドライブ数が限られているアプリケーションで使用される手頃な価格のドライブ。使用制限があるため、これらのドライブをご利用いただけるシステムおよび構成の数は限られています。

HDDの推奨事項

Dell製エンタープライズ サーバーおよびストレージ製品向けHDDには、ミッション クリティカル向けのパフォーマンス最適化タイプ(10Kおよび15K)と、ビジネス クリティカル向けの容量最適化タイプ(7.2K)が用意されています。

一般に、ミッション クリティカル(MC)向けのパフォーマンス最適化ドライブ(10Kおよび15K SAS)は、最高の信頼性とパフォーマンスが求められるアプリケーションで使用され、2.5インチのスモール フォーム ファクターでのみ提供されます。ビジネス クリティカル(BC)向けの容量最適化ドライブ(7.2KのニアラインSASおよびSATA)では、より大きな容量をご利用いただけますが、ミッション クリティカル向けと比べて信頼性とパフォーマンスが低い場合があります。スモール フォーム ファクターの2.5インチと、ラージ フォーム ファクターの3.5インチの両方で提供されます。HDD業界では、根本的な移行が進められており、データの基本単位(ドライブ上のセクター)の標準サイズが512バイトから4Kバイトに変わろうとしています。幸い、512バイトのセクター サイズを維持する方法もあるため、将来にわたって両方のサイズを使用することができます。

ハード ドライブのメーカーは、512バイトのレガシー セクター サイズから、より大容量で効率に優れた4,096バイトのセクター サイズへの移行を始めました。この流れは、クライアントベースのHDDでは2009年後半に登場し、2010年になって急速に広まり、2011年には一般的となりました。一般的に4Kセクターと呼ばれるこのセクター サイズは、現在ではIDEMA(国際ディスク ドライブ協会)が定めるアドバンスド フォーマットとして知られています。エンタープライズHDDもこの形式に移行しつつありますが、普及速度はそれほど速くはありません。2012年に初めて登場したアドバンスド フォーマットのエンタープライズHDDは、2013年には一部で採用されるようになり、2014年以降は一般的に採用されるようになりました。

一方、512バイト(512n)で構築されたアプリケーションおよびオペレーティング システム/ファイル システムは、何十年にもわたってお客様に使用されているため、4Kバイトのセクター サイズに向けたこのような動きにより、お客様が使用しているソフトウェア スタックにも影響が予想されます。また、4Kセクターへの移行が進むにつれ、さらなる検証はもとより、ソフトウェア構造の変更さえ必要になることが見込まれます。新しい大容量ドライブでは、この4Kフォーマットを使用する必要があります。このような変更はお客様にとってはできれば避けたいことであるのは明らかなため、ドライブのエミュレーション モデルが作られました。このドライブは4Kテクノロジーをベースにしていますが、インターフェイス部分では512バイトのアドレス設定と転送が可能です。これらのドライブは、512eと呼ばれています。
次の表に、これらの概念を示します。
フォーマット タイプ セクターあたりのバイト数 物理セクターあたりのバイト数
512n 512 512
512e 512 4,096
4Kn 4,096 4,096

  • 最新のコンピューティング システムでセクター サイズは常に512バイトであると引き続き想定することについては、さまざまに議論されています。Dellでは、512nドライブ、512eドライブ、および4Knフォーマット ドライブを含むHDD製品を用意しています。512nフォーマットのドライブは、今まで長く使用してきたドライブと同じタイプのドライブを引き続き使用する意向のお客様にご利用いただける製品です。512eフォーマットのドライブは、512nフォーマットでは対応できない容量を512バイトのセクターで実現する製品です。4Knフォーマットのドライブは、最新の大容量HDDを採用する意向のお客様や、HDD業界の将来の動向に向けて準備しているお客様向けの製品です。512バイトのセクターのアドレス設定は、認定されたサポート対象のフォーマットとして、今後も長期的に存続することに注意してください。4Knフォーマット ドライブの市場シェアはこのまま小規模で推移すると考えられますが、現在利用可能または計画中の最新の大容量HDDは、512eセクター フォーマットとしても利用できるようになる予定です。

HDDの推奨事項

  1. Dellは2017年4月後半に、新しい2.5インチ フォーム ファクターHDDの提供を開始しました。このHDDは、900GB、15K、512e、12Gbps SASの特長を備えており、このファミリーでは標準搭載されている高性能書き込みキャッシュに加えて、キャッシュの強化によって読み取りパフォーマンスが大幅に向上しています。SeagateのTurboBoostTM(Seagate Inc.の商標)で強化されたキャッシュを搭載することにより、標準的なエンタープライズ パフォーマンスHDD設計(10K RPMおよび15K RPM)のパフォーマンスが大幅に向上します。この新しい512eドライブには、少量のeMLC NANDがキャッシュとして内蔵されており、レイテンシーを非常に低く抑えることで、高速で予測可能な応答時間を実現しています。専用のHDDとSSDを組み合わせてストレージ ソリューションを構築するよりも、TurboBoostは、多くの場合、両方のディスク タイプの長所を最大限に生かせます。TurboBoostを使用すると、少なくともホット データ(ホストにより最も高い頻度で要求されるデータ)の可用性が大幅に改善し、IOPSレスポンス タイムが大幅に短くなるため、全般的に作業の生産性が向上します。

    • ホット データは、磁気メディアからNANDキャッシュにコピーされます。ホストが以降でこのデータを要求すると、回転中の磁気プラッター(メディア/ディスク)よりもはるかに速くフラッシュ メモリーから返されます。キャッシュがいっぱいになると、最も使用頻度の低いホット ファイルがNANDから除去され、より使用頻度の高いデータがキャッシュに読み込まれます。元のファイルは必要に応じてディスク メディアから読み込むことができます。TurboBoostテクノロジーにより、一般的なドライブの読み取り処理の一部であるシークおよび回転待ち時間はほとんどなくなります。これは、データがNANDに存在する場合、回転式メディアで位置決めを待つ必要がないためです。

  2. キャッシュが強化されることによるHDDのメリットは、アプリケーションにより異なります。ワークロードが大きいほど、効果は大きくなります。この機能は常に動作し、ホストからの有効化を必要としないため、新しいハイパフォーマンス サーバーの構築、複数トランザクションの素早い管理、
    ドロップイン交換に最適です。

    • 仮想デスクトップ インフラストラクチャ(VDI)
    • オンライン トランザクション処理(OLTP)
    • Webサーバー
    • 中小規模のデータベースのクエリー
    • Exchangeワークロード
    • ランダム読み取り/書き込み作業

SSDの推奨事項

以下に、Dell EMCが提供するエンタープライズSSDのカテゴリーを示します。
  1. 書き込み集中型(WI)

    読み取りと書き込みの処理比重は50/50の割合で、耐久性は高い。これは一般的に、HPC、データベース ロギング、およびキャッシュのワークロードを実行する場合に推奨されます。

  2. 混在使用(MU)

    読み取りと書き込みの処理比重は70/30の割合で、耐久性は中間レベル。これは一般的に、Eメール/メッセージング、OLTP、およびEコマースのワークロードを実行する場合に推奨されます。

  3. 読み取り重視型(RI)

    読み取りと書き込みの処理比重は90/10の割合で、耐久性は低い。これは、一般的に、データベース ウェアハウジング、メディア ストリーミング、およびVODのワークロードを実行する場合に推奨されます。

  4. ブート最適化(Boot)

    サーバー内でブート デバイスとして使用するために開発された、低価格低容量のSSD。耐久性は低レベルです。すべてのワークロードに適しています。

  5. ホスト インターフェイス

    Dell EMCのエンタープライズSSDでは、次のオプションがサポートされます。

  6. SATA SSD

    SATA SSDは、業界標準のSATAインターフェイスに準拠しています。SATA SSDは、パフォーマンスよりもコストを最小限に抑えることが優先されるエンタープライズ アプリケーションにとって妥当なパフォーマンスを提供します。

  7. Value SAS SSD

    東芝メモリ株式会社が開発した新しいクラスのSAS SSDです。PowerEdge SASサーバー インフラストラクチャを活用して、SATA SSDよりも優れたパフォーマンス、レイテンシー、および信頼性を同等の価格で実現しています。価格とパフォーマンスは標準的なSAS SSDよりも低く、パフォーマンス面ではSATAと標準的なSASの中間に位置します。SATA SSDからの置き換えに適しており、多くのエンタープライズ アプリケーションで優れた価値を提供します。

  8. SAS SSD

    SAS SSDは、業界標準のSASインターフェイスに準拠しています。SAS SSDは、優れた信頼性、データ整合性、およびデータ フェール リカバリーを組み合わせることで、SAS/SATAドライブの使用において最高のパフォーマンスを必要とするアプリケーションに対して、SATA SSDおよびValue SAS SSDの両方よりも優れた性能を提供します。高価格ですが、パフォーマンスが重視される場合は、標準SAS SSDが推奨されます。

  9. PCIe SSD

    Dell EMC PowerEdge Express Flash PCIe SSDは、ハイ パフォーマンスのソリッドステート ストレージ デバイスです。従来の回転式ハード ドライブに比べて最大2,000倍高いIOPSを実現できます。

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