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2021年6月7日 19:00

Data Reduction Ratio表示の追加

OneFS9.2が発表され、すでに導入に向けて検討・検証されている方々もいらっしゃる頃かと思います。今回は、OneFS9.2から新たに追加されたデータ削減率の表示について解説します。

InlineDataReduction(IDR)やSmartDedupeといった、さまざまなデータ削減機能をOneFSは備えていますが、「効果はどの程度あるのか?」といった疑問は付き物。この疑問に応えようと、OneFS9.2からはData ReductionやEfficiency(効率性)という表記があちこちに追加されています。

DRR1.png

みんな大好きisi statusはもちろん、WebUIやQuotaに至るまで表記が追加されました。 

 

では、これらの比率は一体何を表しているのかを今回は解説していきます。どの程度効果があるかという点において、4つの単語が登場します。

 

・Application Logical アプリケーションから見たファイルの実際の容量

・Filesystem Locigal ストレージから見たファイルの論理容量

・Application Physical ストレージが効率化処理を施した後のファイルの論理容量

・Filesystem Physial 最終的にディスクに保存されたオーバーヘッドを含む物理容量

 

まとめると以下の図となります。

DRR2.png

 

では、ここから解説していきます。

例えば、アプリケーションから100MBのファイルを書き込んだ場合、

Application Logicalは100MBということとなります。

しかし、ファイルには20MB分のSparse領域(いわゆる空っぽのブロック)があったと仮定すると、そのファイルはストレージ的には80MBとして見えます。これがFilesystem Logicalです。

そのファイルを今度はデータ削減機能により減らすことで、さらに半分にまで減らせたとしましょう、これがApplication Physicalサイズとなります。

最終的にストレージはメタデータとデータ保護のためのパリティを付与し、ディスクに書き込みを行います。これが物理的にディスクをどれだけ消費したかといったFilesystem Physicalとして計算されます。

この例でいくと、DataReductionRation(DRR)は2:1となるので、50%の削減効果があったということになります。一般的にはお客様には「どれほどの効果があるか」という問いにはこちらの数値を利用します。

OneFSは可変ストライプとなっていますので、3ノードの時と10ノードの時とでは利用効率が全然違いますから、実際の物理消費時の利用効率ということでStorage Efficiency Ratio(SER)というものも表示するようになっています。こちらは80MBとして認識したファイルがパリティオーバーヘッドを含めても物理消費が60MBとなるため、1.33:1となり効率のよい物理消費をしていることが確認できます。

 

非構造化データが爆発的に増加している昨今、簡単に容量を増やせるスケールアウト型ストレージはますます重要な存在となりますが、それだけでなくストレージ自身でも効率よくデータを保存する機能というのもまた、時代のトレンドと言えそうです。

天野(献)

 

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