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2021年1月3日 16:00

【ECS解説第6回】新しいオブジェクトストレージアプライアンス、オールフラッシュ版ECS EXF900追加のご紹介

皆さま、長くご無沙汰しておりました。デル・テクノロジーズ株式会社 UDS事業本部システムエンジニアの杉本です。ブログで私が担当している製品のオブジェクトストレージECSについて、いろいろとご紹介してから熟成を進めてきておりましたが、大きなトピックになるような製品がしばらく出ていないことを良いことに、ブログの更新をさぼっておりました。

年を跨ぎながら、皆さまも自粛生活など大いに影響を受けておられるであろうCOVID-19の世界的な感染流行の中、ECSの開発部隊はひたすら開発を進めており、昨年11月に新製品のアナウンスをさせていただきました。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、新製品の発表と、早期試用プログラムを開始した開発製品の下記の2製品をご案内いたしました。

 

  1. EXF900 オールフラッシュ高速オブジェクトストレージ発売
  2. オブジェクトスケール(早期試用プログラム実施のご案内)

 

新年を迎え、多くの皆様は年度締めに向けてラストスパートに入られておられると拝察しておりますが、次年度戦略をお考えの中にぜひご検討をすすめていただこうと、あえてこの時期に久しぶりのブログのトピックとして取り上げさせていただきました。今回はご購入いただけるEXF900にフォーカスいたします。

EXF900 オールフラッシュ高速オブジェクトストレージ発売

デル・テクノロジーズ株式会社はオブジェクトストレージ ECSの新製品を2020年11月26日に国内向けにDell EMC EXF900の発売を開始したことをアナウンスさせていただきました。本製品は冒頭にも紹介させていただきましたようにオールフラッシュストレージ型のオブジェクトストレージになります。これまで市場に登場してきたオールフラッシュ型のオブジェクトストレージとは異なる製品になります。

従来型のSCSIベースでデータを読み書きするSSDではI/Oのオーバーヘッドが大きく、フラッシュメディアの持つ高速性を生かしきれないため、主としてハイエンドストレージからNVMeを用いてデータI/Oを高速に行うことができるSSDに切り替えが進んできました。Dell Technologiesは業界に先駆けてオブジェクトストレージにも搭載を開始した製品がEXF900です。

顔つきは写真をご覧いただければお分かりの通り、これまでのECS EXシリーズ同様、PowerEdge R740シリーズをベースにしたソフトデファインド型のアプライアンス製品です。

 

ECS1.png

 

NVMe SSD搭載で、ディスクサイズは2.5inになりますので正面に最大24本まで搭載可能です。ご購入時にノードあたりの搭載ディスク本数を12本または24本を選択可能です。

ディスクサイズは現時点で3.84TBのみですが、2021年には7.68TBも選択可能になります。

高速I/Oが期待されるストレージノードのため、EXシリーズに比較すると性能強化が図られています。

 

EXF900

EX300

CPU

Xeon (Cascade Lake) 24コアプロセッサ デュアル搭載

Xeon Bronze 8 コアプロセッサ搭載

メモリ

192GB

64GB

バックエンドスイッチ(固定構成)

S5248F-ON (3.2Tbpsファブリック)

S5148F-ON (1.4Tbps ファブリック)

最小構成時最小容量(5ノード)

230TB

60TB

ラックあたり最大構成時最大容量(16ノード/ラック)

1475TB
(3.84TB SSD使用時)

3072TB

 

40Uラックへの最大搭載ノード数はEX300/EX500と同様の16ノードで、これらをバックエンドスイッチ、フロントエンドスイッチをTORスイッチとしてとりまとめ、ラック間をSpine-Leaf構成で最大7ラック(112ノード)まで一つのストレージプールとしてまとめることができます。

ECS2.png

ECS3.png

バックエンドスイッチは、ECS EXF900に書き込まれたオブジェクトデータのイレージャーコーディングのチャンクをノード間・ディスク間に分散するパスとして使用されます。この時に使用する転送プロトコルにRDMAを採用しており、各ノードがファブリック内の全ディスクに直接共有しながらブロックI/Oができるようになっています。

ECS4.png

このようにバックエンドスイッチを経由して、高速なNVMe SSDにアクセスするため、ラック内はもとよりラック間の接続もオーバーサブスクリプションなしでI/Oが可能になるよう構成できるファブリック設計を採用しています。

従来のECSと異なり、EXF900は高速I/Oをサポートするハードウェア実装を行っていますので、いままでのSATA版のECSからパフォーマンスが向上したか気になるところです。簡単に触れますと以下のようになります。

100KB以下のオブジェクトファイルのRead/Write性能では、小容量サイズモデルのEX300で最小ノード数でデータI/O能力を比較すると10数倍のトランザクションI/O能力を発揮し、100MB以上のオブジェクトファイルでも5倍以上のスループットを提供できます。

SATA版のECSですとパフォーマンスを確保するためにはノード数を増やす必要がありまた。一方、EXF900は小さい容量(一般的なNASに比較すれば十分大きいですが)で最小ノードから始めたいが、パフォーマンスも担保したい、といったご利用用途にも十分こたえることができます。価格性能比は大きく向上しておりますので詳細にご興味がありましたら、ぜひ私どもの担当営業または私までお問い合わせください。

これまでSATAを使用していたECSがSSDを使用するようになると、SSDの書き換え可能回数とメンテナンスタイミングが気になります。今回、EXF900とともにリリースされたECS V3.6ではEXF900専用の機能として、ディスクの書き換え耐用回数残量を表示することができるようになりました。EXF900のポータル画面になりますが、下記のように内蔵するSSDのヘルス情報を表示することができるようになっています。

ECS5.png

また、低寿命のSSDの予防交換を実現できる機能を実装しましたので、計画的にメンテナンスをシステム停止なしに実施することができるようになっています。

 

AIや機械学習の実装が徐々に普及してきたことで、従来、人の手による取り扱いの範囲外としてあまり考慮されることのなかった数ペタバイトのデータや、数十億オブジェクトファイルのデータを取り扱いたいというご相談をいただくことが増えてきました。もちろん背景にパブリッククラウドで培ってきた手法を応用したい、一方でデータ量も増やしたいので、コストバランスを考慮して、ご相談をいただいています。

EXF900がリリースされる前は、ご期待のパフォーマンスを満たすためには分散型ストレージであるECSのノード数を増やすことでパフォーマンスを提供するご提案しかできませんでした。これからは今回リリースされたEXF900をご提案に加えることで、小ノード数でもご要件を満たすことを期待いただけます。

 

2020年11月に実施されたFlash Memory Summitでは今後のフラッシュメモリを構成するNAND 3D化技術の開発進展により2033年にはSATAディスクよりもフラッシュメモリのバイト単価のほうが安価になるという予測がなされていました。12~3年後にはオブジェクトストレージも普通にSSDで構成されているようになっているかもしれません。その時期が来るまでではありますが、将来的に大規模になることが見込まれる一方で、高速I/Oを必要とするようなご要件がありましたら、オールSSDのオブジェクトストレージ、EXF900もぜひご検討の枠に加えてください。

 

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