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2020年4月7日 17:00

[UnityVSA] HA(Dual-SP)を構築、検証してみた!(1)

皆様こんにちは。ネットワールドのストレージ担当です。

 

今回は昨年発表された待望の!?UnityVSA HA構成についてです。インターネット上にも情報は少なめなので、あえて取り上げていきたいと思います。

要するにUnityVSA(仮想版Unity)の Dual-SP版になります。皆様もドキュメントをチラ見してみたけど要件も複雑で構築は少し面倒そうと思うかもしれません。

いえいえ、違うんです!構築は以外と簡単なんです。

 

インストールについては後半解説していきますので、まず始めに通常のシングルSPのUnityVSAと必要スペックを比較していきます。

必要スペックとしてはシングルSPのUnityVSAと同一スペックで、SPA、SPBの両方をデプロイする必要があるため、2倍のスペックが必要になります。+αでTBN(Tie Breaker Node)分も必要となります。TBNの説明は後述します。

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また、仮想上にきちんとしたHA構成として利用するにはホスト側にも厳しい要件があるため、本番利用される場合はスペック表やライセンス要件等にも注意してください。

今回は検証用途のため1台のESXi上に構築しています。

  • 構成には分散仮想スイッチが必要になりますので、vSphereはEnterprise Plus以上のライセンスが必要になります
  • 推奨構成ではSP毎にデプロイ先のESXiサーバーは分ける必要があります

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上記の通りSPA、SPBのVMDKファイルを格納するためのデータストア、UnityVSAのユーザー用Poolデータを格納する共有データ領域、その他ストレージハートビート用の領域とこれだけで最低5つのストレージ領域が必要になります。推奨構成に乗っ取って簡単な図を作ってみるとそれぞれのSPA、SPBでESXiホストに分けて、ストレージを配置すると以下のような構成になります。Unityとは直接関係はありませんが、仮想化ホスト側のスプリットブレインが発生した場合のタイブレーカ役としてTBN(Tie Breaker node)が推奨となり、VSAとは別のESXi上にデプロイすることが強く推奨されています。

※ 本検証では推奨構成に準拠できていない部分もあります。本番で利用する場合は必ず要件をご確認ください。

 

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次に、TBN(Tie Breaker Node)の必要スペックと構成は以下になります。

 

・2GBメモリ

・500MHz x 2コアのCPU

・12GBのディスク領域

・UnityVSA HAを使用したネットワーク用の2x1GbE

※ TBNは推奨です。

 

次にネットワークの要件として、CMI(Common Messaging Interface)用、HB(Network Heartbeat)用x2が必要で、この3つのネットワークにはVLAN設定が必須になります。

また、Storage Heartbeat用x2、Management用x1、ユーザー用x4とかなり数のポートグループが必要になります。

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ネットワークの論理接続図をインターネット上で色々探してみたのですが、見つからなかったのでHA版がどこに接続する必要があるかを自作で簡単に作ってみました。以下の接続で問題ないかと思いますがもし間違っていたらご指摘ください!Storage Heartbeat用ネットワークはUnityVSAではなくESXiと直接接続しているため、こちらの図からは割愛しています。

 

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これらの多数の要件を考えると、非常に構築が面倒そうだなぁ。。。というイメージを受けるかと思いますが、冒頭にも書いたように以外と簡単に構築することができます。

使用するツールは「UnityVSA HA Deployment Utility」です。このツールを使えばウィザード形式で簡単にデプロイすることができます。それではデプロイを開始していきます!

 

まずは、サポートサイトから「UnityVSA HA Deployment Utility」のバイナリをダウンロードして設定端末にインストールしておいてください。

 

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次にデプロイメントユーティリティを起動します。今回はオンプレミスの検証環境にデプロイするため一番上のオンプレミス環境へのデプロイを選択します。

 

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次に、デプロイ対象のvCenterのSSOのクレデンシャルを入力してvCenterへ接続します。

 

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デプロイに利用するVSAのイメージを参照させます。(今回は5.0.0.0.5.116を利用しています)

 

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同一ESXi上に配置するとHAの意味がなくなってしまうため、本来の構成ではSPA、SPBは其々別々のESXi上にデプロイする必要があります。

※ 本検証ではSPA、SPBは同一ESXiへ配置しています。

 

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SPA、SPBのUnityVSA本体を配置するデータストア(SPA-DS、SPB-DS)を其々選択し、ユーザデータを配置するための共有データストア(TOKYO-DS01)も指定します。

 

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次はHeartbeat Datastoreの登録です。こちらは各SPから2つ登録が必要なため事前に作成しておいたVolumeに其々アサインします。

※Heartbeat Datastoreとして利用されるVNDKサイズは各領域に2MB程度です。

 

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次の項目は外部ネットワークの接続先です。こちらに関してはUnityVSAを触ったことがあればわかるかと思いますが、管理が1つ、データ用が4つポートグループを選択できるので用途に合わせて設定してください。

 

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内部ネットワーク用の設定です。最初の論理図を見てもらえればわかりますが、CMI、HB0、HB1の3ポートグループとVLAN設定をしていきます。

今回は事前にvSwitchのポートグループは作成してないためウィザード内で作成していきます。VLANを指定しない場合は未利用のVLAN IDを自動的に割り当ててくれます。

 

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最後にDual-SP構成のUnityのホスト名や代表IPアドレスの設定をします。こちらは物理筐体のUnityと同様で1つの管理IPアドレスが必要になります。

設定は以上です。

 

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説明が長くなるため割愛しますが、「Properties」、「Review」で今までの設定内容の確認をした後に「Deploy」ボタンをクリックすると自動的にデプロイが実行されます。

こちらのウィザードも非常に早く10分前後でデプロイまでが完了しました!

 

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ウィザード完了後にvCenterに接続すると、このような形で指定したESXi上にSPA、SPBのUnityVSAがデプロイされていました。デプロイ自体は非常に簡単でしたね!

UnityVSAを構築したことがある方はご存知かと思いますが、初回起動の直後から管理IPアドレスとUnisphereへのアクセスができるまではパワーオン後に10-20分程度かかるため

その間は我慢、忍耐の時です。

 

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10-20分程度経過後にウィザードで設定したSPA、SPBのUnisphere代表の管理IPアドレスへアクセスできるようになります。アクセスをすると見慣れたUnisphereの画面が開きます。

ここから通常の物理筐体Unity、UnityVSAとあまり大差がありません。Unisphereにログインして初期セットアップウィザードを実行していきます。

Unisphereは特段変わったことなくセットアップは続行できますのでウィザードは割愛します。

 

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HA評価版のライセンスを適用後、Unisphereの管理画面のメニュから「System View」→「Enclosure」をクリックすると、通常のUnityVSAはシングルコントローラですが、HA版ではデュアルコントローラとして表示されていますね!

※ 一般的なシングルSPのUnityVSA用のWebからライセンス発行する手順で取得できる評価ライセンスは利用できません。別途HA用として評価ラインセンス発行が必要です。

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UnityVSA HA側のデプロイと初期設定はこれだけで完了できました!もう検証用途であればすぐに利用することはできるのですが、HA環境ではTBN導入は推奨になります。

次回はTBNのデプロイと設定やデータストアの作成などを行っていきたいと思います。

こうご期待!!

 

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