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2023年2月21日 23:00

⑧VxRail のロードマップのキホン

*こちらの記事は2023年1月に開催された[Ask The Expert]VxRail v8.0リリースのすべて!からの内容になります。




VxRail のロードマップのキホン

 

今回の投稿はVxRailの一般的なお話をさせていただこうと思います。
VxRail 8が1月6日でしたが、実はその直前の12月20日と12月22日に7.0.405と7.0.410が立て続けにリリースされています。

数か月間新しいバージョンが出ないこともあれば、短い期間に立て続けに出る例は過去にもありましたので、違和感を覚えたお客様もいらっしゃるかもしれません。
今回はVxRailの新しいリリースが出る際の傾向についてご説明したいと思います。

 

なお、VxRailのリリース予定や方針などは非公開となっております。そのため、今回のご説明は内部情報をいったん頭から消し去ったうえで、公開情報を一から客観的に見直した際の傾向および考察としてお伝えいたします。

 

 

SimShipについてのおさらい

 

SimShipということは聞いたことがあるでしょうか?
Simultaneous Shipの略であり、以下のKBでその説明がなされています。

https://www.dell.com/support/kbdoc/000182153

KBにもある通り、Synchronous Release とも呼ばれます。
そのほか、Synch ShipやSimultaneous Releaseとも書かれたりしますがすべて同じ意味です。

KBを要約すると以下のようになります。

・VxRailはVMwareとの合意によって新しいvSphereリリースが出た後間もなくして対応するVxRailバージョンをリリースする
・緊急パッチと定期パッチは14日以内にリリース
・GAリリースやUpdateリリースの場合は30日以内にリリース

 

ただしいくつか留意事項があります。

・対象となるソフトウェアはESXiのみ(vSANはESXiに含まれる)
・IA/GAモデルの場合はGA日から起算する
・努力目標である
・すべてのパッチリリースに対応するとは限らない


 

KBを読んでいると agreement や commitment という単語が目につきますので、必ず守られる公約のような印象を受けてしまいますが、実際は努力目標(objective)という扱いです。

もちろんそれを守れるようなスケジュールで計画されていますが、やむおえず延期される場合もあります。

詳細は明らかにされませんが、過去の傾向からは新規の不具合に対処するために、安定稼働を優先し遅らせている場合が読み取れます。
おそらくその兼ね合いもあってか、すべてのパッチリリースに対応しているわけではありません。

 

 

 

バージョンのナンバリングについて

 

VxRailのバージョンナンバリングルールについて公開情報は見当たりませんでしたが大体以下のような傾向が読み取れます。

 

naoyuki_kaneda_0-1674700361723.png

 

 

1つ目の数字はvSphereのメジャーバージョンに対応します。

2つ目の数字はvSphereのサブバージョン(6.5や6.7など)に対応しますが、vSphere 7では7.5といったバージョンは出ていませんので常に0でした。

3つ目の数字は3桁の数字となっていますがそれぞれの桁で意味が異なります

 

一の位が 0 以外の場合は、修正がメインとなっていることが多いため、不定期のリリースに該当する傾向があります。具体的には重大な不具合や脆弱性関連の修正です。

十の位は、一の位と対照的に予定されたリリースを意味していると推測でき、VxRailとしての機能拡張を含んでいたり、vCenterとESXiのバージョンが同時に更新されているケースが多いです。

百の位は大きめの機能拡張に対応していると考えられます。具体的にはvSphereのGA/U1/U2/U3や新しいハードウェアへの対応などが傾向としてみられます。

 

 

ソフトウェアロードマップとハードウェアロードマップ

 

VxRailにはソフトウェア更新のバージョンリリースと、ハードウェア機能拡張に特化したバージョンリリースがあります。

前者は一般的なソフトウェアリリースとして、バージョンアップグレードのターゲットにできる一方で、出荷バージョンに採用されないことが多いです。バージョン内の3つ目の数字の一の位のみが変更されているリリースはほとんどこれにあたります。

 

一方で後者のハードウェア機能拡張に特化したリリースの場合はバージョンアップグレードのターゲットにすることができず、必ず出荷バージョンになる、という特徴があります。

これまでの傾向として、短期間のうちにバージョン内の3つ目の数字の十の位が2回更新されるケース(4.7.400/410)や、大きいバージョンの数字が先にリリースされる(4.7.500/510)場合はハードウェア機能拡張リリースが含まれているケースが多いです。

なお、昨年末に7.0.405と7.0.410が立て続けに出ましたが、7.0.405のほうが後者のハードウェア機能拡張に特化したリリースに該当します。

後者のリリースは必ず十の位が更新されるとは限らず、vCenterとESXiのバージョンが一つ前のリリースから全く変更がない場合は十の位ではなく一の位が 5 になるようです。同様の例として、G560に初めて対応した4.5.215が確認できました。(前後のバージョンは4.5.212と4.5.218)

 

 

機能拡張はU1から!

 

GA版に初めて対応したVxRail 7と今回のVxRail 8をみると、GA版においてはvSphere/vSANの新機能対応に重点を置き、VxRail独自の新機能はほとんど盛り込まれない傾向があります。

VxRailとしての独自の機能拡張はU1以降で本格化していると考えられます。

今回のVxRail 8(GA版)では、VxRailとしての独自機能といった点は目立ちませんが、今後のリリースに期待できると考えています。

 

 

 

VCF on VxRailのリリースについて

 

単体のVxRailと比較すると、VCF on VxRail についてはあまり新機能に注目されない印象がありますが、VCF on VxRail はただ単にVxRail 上でVCFを構築しているだけではなく、VCF on VxRailとしての独自機能が追加されていたりもします。

リリースノートのWhat's New では、標準VCFの機能拡張と、VCF on VxRailとしての機能拡張が横並びで書いてあるので、独自の機能拡張が分かりにくいですが、VCF on VxRailとして効率的に構築・拡張・運用ができるように進化しているようです。

 

 

 

今回の投稿では、公開情報からVxRailのリリースのタイミングや数字の変化と更新内容の関係性について傾向を探ってみました。

このようにVxRailのリリースに着目してみると、新しいバージョンが出た時にどういう変更がされているのかの予想がついたり、傾向が変わった際の背景を考えてみたりできるようになるので、新しいバージョンが出るのが今まで以上に楽しみになりますね!

 

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