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[VxRail] VxRail4.7とVxRail7.0の細かな違いとNFS新機能について調べてみた!
VxRail7.0がリリースがされて早数か月が経過しましたね。
こちらの記事を作ったタイミングが1か月半以上前だったため若干出遅れ感はあるのですが、
まだまだ実際の導入や運用いただいている環境はVxRail4.7ベースが多いと思います。VxRail7.0にアップデートされて操作感として何か変わっているのかが不安になっている方も多いはずです!?
今回は、細かすぎて伝わりにくい違いと新規実装されたNFS機能を試してみましたので、息抜きに少しだけお付き合いください!
1)PSC(platform services controller)が廃止された!
Web ClientのVxRail7.0設定メニュより「システム」を見てみます。もちろん既にご存じだと思いますが、vSphere7.0からは外部PSCのサポートがなくなり、VxRailでも同じくvCenter組込み型だけになっています。
左側の「ホストとクラスタ」の一覧からもvCenter PSCはなくなっていますね。VxRail設定メニュからもvCenterモードが以前は外部PSCという形式だったのですが、vCenterモードが「組み込み」になっていますね。
違いとしては些細ではあるのですが、管理VM数が減ったことで、アプライアンス管理がよりシンプルになっていることがわかります!
2)VxRail管理VMのディスクリソースが変更された!
VxRail4.7からVxRail7.0にアップデートした場合、管理VMにリソースの違いがあります。LogInsightまでを初期デプロイ対象として含めると管理VM全体としては1798.00GBぐらいとディスクリソースの容量が増えていますね。FTT=1(デフォルトのvSANのミラー保護)の場合は3TB程度のvSANリソースが必要となるためvSANの使用量には少し注意が必要です。CPUやメモリのリソースについてはPSCがなくなった分のリソースが若干減ったというところでしょうか。
※ 随時アップデートされるため導入されているバージョンにより差異がある可能性があります
3)ノード毎にデスクリプションが記載できるようになった!
搭載ラック情報を記載できるようになっています。ラック名とラック位置というデスクリプションをノードごとに追記できるようになっています。
最近ネットワールドでも数十ノードに及ぶ構築なども多くなってきたため、VxRailをデータセンター毎に別クラスタとして利用していたり、ノード追加だったり、メモリ増設だったり、物理的な作業をする際にはこういったメモ書きのようなものがあるとシンプルにちょっと便利だと思いました。
3)組み込みvCenterでも拡張リンクモードがサポートされるようになった!(7.0.100より)
VxRail 7.0.100というバーションから組み込みvCenterでもデプロイのタイミングでvCenterの拡張リンクモードでデプロイできるようになっています!まだ画面が確認できていないのですが、今までは拡張リンクモード等は組み込みvCenterではサポートされていなかったため管理するvCenterやクラスタを分けられるなど大きな変更かと思います!まだネットワールドでも検証ができていないため、ご利用される際はきちんと要件をご確認くださいね!
4)vSANのNFSを試して使ってみた!
VxRailのベースはvSphere7.0になりますので、vSANでNFSファイルサービスが利用できるようになっています!正確にはVxRailのアップデートではなくvSphere7.0のアップデートにはなるのですが早速試してみました!
VxRailのクラスタを選択して「設定」⇒「vSAN-サービス」をクリックしていきます。
次に「有効化」をクリックし、ファイルサービスを有効化していきます。
ファイルシステムを有効化するにはドメインやDNSの設定、ネットワークの指定などまずはvSphere上にファイルサービス用のドメインを作成する必要があります。また、ホストごとにファイルサービスを提供するエージェント(バーチャルアプライアンス)を導入する必要があります。
まずは、証明書と自動デプロイの設定です。自動と手動によりエージェントの展開を選択できるのですが今回は「自動による方法」と「証明書を信頼」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。
ドメイン名、DNSサーバー、DNSサフィックスを入力していきます。
次に、ネットワークで利用するポートグループの指定とサブネット、ゲートウェイを入力していきます。ここではノード(ESXi)のIPアドレスをもったポートグループのManagement Networkを指定していきます。
それぞれのホストに展開するエージェントのIPアドレスとDNS名を入力していきます。事前にDNSサーバーへのAレコード、PTRレコードの追加は実施しておいてください。
最後にサマリを確認して問題がなければ、終了をクリックするとファイルサービスが有効化されます。エージェントのデプロイからファイルサービスの有効化のタスクが動作します。
大体5分ぐらいすると、ドメインが作成されファイルサービスが有効化されます。
タスクが完了すると以下のような感じでリソースグループが自動作成されてホスト台分のエージェント(バーチャルアプライアンス)が構成されます。
ファイルサービスが有効化されていることが確認できます。
1台分のエージェントのリソースを確認してみました。
HDD容量が約27GB、vCPUx4、メモリは4GBがノード台数分必要となるようです。
次に、新しいメニュの「ファイルサービスの共有」から、NFSを作成していきます。「追加」をクリックします。
NFSの名前、閾値、ハード割り当てなどを指定していきます。
警告しきい値:250GB ハードの割り当ての共有:500GBで設定してみました。
NFSのアクセスコントロールを設定では、今回はサブネット全体を指定していきます。
ファイル共有の作成ウィザードのサマリを確認して問題がなければ、終了をクリックします。
これでNFS共有設定が作成されました。
作成したNFS設定をクリックすると、NFSマウントパスのURLのコピーもできるので、地味に便利です。
実際にVxRailにマウントしていきます。クラスタを選択してデータストアの新規作成をしてみます。NFSを指定して先ほど作成したNFS領域をマウントしてみます。マウント操作については皆様は理解されているかと思いますので割愛しています。
試しに管理VM(LogInsight)をvSANからNFSへStorage vMotionしてみました。
※本検証では実施していますが、管理VMのストレージ移行やvSANファイルサービスでは仮想マシンの稼働はサポートされていませんのでご注意ください。
vSANの領域から切り出されて使用量1TBがvSAN上の仮想マシンオブジェクトの容量が減り、ファイル共有部分の容量が増えたことが確認できます。
以上、こんな感じでvSANからNFSファイル共有サービスを簡単に作ることができました。VxRailアプライアンスとして使うことはあまり無い機能であるかと思うのですが、製品として色々とできることが増えるって気持ちいいですよね!
その他にもvSphere 7.0新機能としてvSphere Lifecycle Manager (vLCM)等もありますが、VxRailでは以前よりきっちりとDell Technologies社でソフトウェア、ハードウェアの検証済みのアップデートパッケージを提供しており、バイナリ、もしくはインターネット経由でも数クリックでほぼ全自動アップデートが利用できるためVxRailとしてはvLCMを利用することはありません。またvSphereのアップデートに続いてVxRailでもSMB3.0もサポートされてきているためVxRailの進化は止まりません!
今回はVxRail 4.7と7.0との細かすぎて伝わらない違いについて調査してきましたが、VxRail 7.0にアップデートしてもVxRail 4.7との操作感の違いはほぼなく、当然vSphereとしての新機能が追加され、さらにVxRailとして不安なく継続的にご利用いただける新バージョンになっていると感じました!
今回の情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです!
では、次回の記事もお楽しみに!
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