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[VxRail]Optaneキャッシュを搭載したVxRailの実力とは(後編)
皆様こんにちは。
ネットワールドのストレージ担当です。
前回に引き続き、VxRailのキャッシュディスクにIntel Optaneを搭載したVxRailのパフォーマンスを測定し、その実力を確認していこうと思います。
前回は、HybridモデルのVxRailにてパフォーマンスを取得しました。
ただ、検証環境の都合上、10Gネットワークにて稼働していますので、条件をイーブンにするためにまずは10GにてOptaneメモリを搭載したVxRailのパフォーマンスを取得してみます。
【Optaneモデル10Gネットワークでのパフォーマンス】
Workload | Hybrid IOPS |
Optane IOPS |
差 |
0% Read / 100%Random | 33,000 | 176,000 | 5.3倍 |
0% Read / 100%Sequential | 43,000 | 210,000 | 4.8倍 |
100%Read / 100%Sequential | 92,000 | 420,000 | 4.5倍 |
Latencyも1/3程度まで下がっていて圧倒的ですね!
ただ、10G環境では、スイッチのパケットドロップが多発したりなどで、明らかにネットワークがボトルネックになっていることが分かりました。
ところが、最近は25Gネットワークもかなり手を出しやすい環境になってきていますので、25GネットワークでのVxRail構築というのも多いのではないでしょうか。
というわけで、25Gネットワークに接続して再度パフォーマンスを測定してみます。
【Optaneモデル25Gネットワークでのパフォーマンス】
Workload | Hybrid IOPS |
Optane25g IOPS |
差 |
0% Read / 100%Random | 33,000 | 180,000 | 5.45倍 |
0% Read / 100%Sequential | 43,000 | 227,000 | 5.27倍 |
100%Read / 100%Sequential | 92,000 | 480,000 | 5.21倍 |
全体的にIOPSは伸び、Latencyも短縮されました。
【ネットワークのチューニング】
VxRailを構築すると、デフォルトではMTU:1500のノーマルフレームサイズで構築されますが、ジャンボフレーム(9000)への変更がサポートされています。
vSANとしては、ジャンボフレームにすることで、CPUパフォーマンスが向上し、パフォーマンス向上が期待できるので、ジャンボフレームに変更して再度パフォーマンスチェックをしてみましょう。
参考:vSAN Design and Sizing Guide (P.24)
http://www.vmware.com/files/pdf/products/vsan/VSAN_Design_and_Sizing_Guide.pdf
手順は、Solveで参照できますが、「PowerShellぽちっとな」で完了してしまいます。
便利すぎて、これには感動しました。
さて、ジャンボフレーム環境でのパフォーマンス結果をさっそく見てみましょう。
Workload | Hybrid IOPS |
Optane IOPS |
差 |
0% Read / 100%Random | 33,000 | 215,000 | 6.51倍 |
0% Read / 100%Sequential | 43,000 | 253,000 | 5.88倍 |
100%Read / 100%Sequential | 92,000 | 502,000 | 5.45倍 |
順調にIOPSが伸びています。
その傍らで、Latencyの悪化も見られず、かなりのパフォーマンスであることがわかるかと思います。
【vSphere7.0でのパフォーマンスは?】
さて、2020年4月にvSphere7.0がバンドルされた、VxRail7.0がリリースされました。
当然、vSANも7.0にアップデートされているわけですので、VxRail7.0におけるパフォーマンスも測定してみます。
なお、検証当時は7.0.0 Compostite UpdateFile のみのリリースとなっておりましたので、Composite Update Fileによる4.7から7.0へのバージョンアップを実施しました。
Solveに手順が記載されていますが、バージョンによっては事前にVxRail Managerのディスク拡張を実施する必要があります。(Pythonスクリプトが配布されていますので、VxRail Managerに配置して実行するだけと、非常に簡単です。)
そのあとは、いつも通りvCenterからアップデートするだけ。
7.0で、これまで外部PSCだったものが内部PSCに変更されたため、仮のIPアドレス(Temporary IP address)を設定する必要があるというところが唯一の注意点でしょう。
無事、VxRail7.0へアップデートが完了しました。
というわけで、早速パフォーマンス測定です。
Workload | Hybrid IOPS |
Optane IOPS |
差 |
0% Read / 100%Random | 33,000 | 245,000 | 7.42倍 |
0% Read / 100%Sequential | 43,000 | 281,000 | 6.53倍 |
100%Read / 100%Sequential | 92,000 | 600,000 | 6.52倍 |
伸びました!
Read Latencyも1ms切りました。これは凄い!
この時のSPBMは、デフォルトのFTT=1なので、データはミラーリングされます。
そのため、値として見えるIOPSは、半分になってしまいます。
(FTT=0のSPBMを適用すると、見事に数値は倍の50万IOPSになりました)
Optane P4800Xの公称値50万 IOPSなので、(オーバーヘッド等も考慮すると)ほぼ公称値に到達していると考えられます。
【でも・・・お高いんでしょ?】
と思われた方も多いかと思いますが、All-Flash構成のVxRailのキャッシュをOptaneにかえた場合、定価ベースで約1.1倍になったという試算がでました。
検証環境の都合上、All-Flashのパフォーマンス値が測定できなかったのですが、この価格差でこのパフォーマンスであれば、稟議を書きやすいのではないでしょうか(笑)
というわけで、前後編にわたって、Intel Optane搭載のVxRailを弄り倒してみました。
※検証環境の都合上、理想的な構成にて構築することが出来なかったため、あくまで参考値となりますことをご了承ください。
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