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2020年9月9日 17:00

[VxRail]Optaneキャッシュを搭載したVxRailの実力とは(後編)

皆様こんにちは。
ネットワールドのストレージ担当です。

前回に引き続き、VxRailのキャッシュディスクにIntel Optaneを搭載したVxRailのパフォーマンスを測定し、その実力を確認していこうと思います。

前回は、HybridモデルのVxRailにてパフォーマンスを取得しました。
ただ、検証環境の都合上、10Gネットワークにて稼働していますので、条件をイーブンにするためにまずは10GにてOptaneメモリを搭載したVxRailのパフォーマンスを取得してみます。

 

【Optaneモデル10Gネットワークでのパフォーマンス】

DellBlog_2020090901.jpg

Workload Hybrid IOPS
Optane IOPS

0% Read / 100%Random 33,000 176,000 5.3倍
0% Read / 100%Sequential 43,000 210,000 4.8倍
100%Read / 100%Sequential 92,000 420,000 4.5倍

 

Latencyも1/3程度まで下がっていて圧倒的ですね!

ただ、10G環境では、スイッチのパケットドロップが多発したりなどで、明らかにネットワークがボトルネックになっていることが分かりました。


ところが、最近は25Gネットワークもかなり手を出しやすい環境になってきていますので、25GネットワークでのVxRail構築というのも多いのではないでしょうか。

というわけで、25Gネットワークに接続して再度パフォーマンスを測定してみます。

 

【Optaneモデル25Gネットワークでのパフォーマンス】

 

DellBlog_2020090902.jpg

Workload Hybrid IOPS
Optane25g IOPS

0% Read / 100%Random 33,000 180,000 5.45倍
0% Read / 100%Sequential 43,000 227,000 5.27倍
100%Read / 100%Sequential 92,000 480,000 5.21倍

 

全体的にIOPSは伸び、Latencyも短縮されました。

 

【ネットワークのチューニング】

VxRailを構築すると、デフォルトではMTU:1500のノーマルフレームサイズで構築されますが、ジャンボフレーム(9000)への変更がサポートされています。

vSANとしては、ジャンボフレームにすることで、CPUパフォーマンスが向上し、パフォーマンス向上が期待できるので、ジャンボフレームに変更して再度パフォーマンスチェックをしてみましょう。

参考:vSAN Design and Sizing Guide (P.24)
http://www.vmware.com/files/pdf/products/vsan/VSAN_Design_and_Sizing_Guide.pdf

 

手順は、Solveで参照できますが、「PowerShellぽちっとな」で完了してしまいます。

DellBlog_2020090903.jpg

便利すぎて、これには感動しました。

さて、ジャンボフレーム環境でのパフォーマンス結果をさっそく見てみましょう。

 

DellBlog_2020090904.jpg

Workload Hybrid IOPS
Optane IOPS

0% Read / 100%Random 33,000 215,000 6.51倍
0% Read / 100%Sequential 43,000 253,000 5.88倍
100%Read / 100%Sequential 92,000 502,000 5.45倍

 

順調にIOPSが伸びています。
その傍らで、Latencyの悪化も見られず、かなりのパフォーマンスであることがわかるかと思います。

 

【vSphere7.0でのパフォーマンスは?】

さて、2020年4月にvSphere7.0がバンドルされた、VxRail7.0がリリースされました。
当然、vSANも7.0にアップデートされているわけですので、VxRail7.0におけるパフォーマンスも測定してみます。

なお、検証当時は7.0.0 Compostite UpdateFile のみのリリースとなっておりましたので、Composite Update Fileによる4.7から7.0へのバージョンアップを実施しました。

Solveに手順が記載されていますが、バージョンによっては事前にVxRail Managerのディスク拡張を実施する必要があります。(Pythonスクリプトが配布されていますので、VxRail Managerに配置して実行するだけと、非常に簡単です。)

そのあとは、いつも通りvCenterからアップデートするだけ。
7.0で、これまで外部PSCだったものが内部PSCに変更されたため、仮のIPアドレス(Temporary IP address)を設定する必要があるというところが唯一の注意点でしょう。

DellBlog_2020090906.jpg

無事、VxRail7.0へアップデートが完了しました。

というわけで、早速パフォーマンス測定です。

 

DellBlog_2020090907.jpg

Workload Hybrid IOPS
Optane IOPS

0% Read / 100%Random 33,000 245,000 7.42倍
0% Read / 100%Sequential 43,000 281,000 6.53倍
100%Read / 100%Sequential 92,000 600,000 6.52倍

 

伸びました!
Read Latencyも1ms切りました。これは凄い!

この時のSPBMは、デフォルトのFTT=1なので、データはミラーリングされます。
そのため、値として見えるIOPSは、半分になってしまいます。
(FTT=0のSPBMを適用すると、見事に数値は倍の50万IOPSになりました)

Optane P4800Xの公称値50万 IOPSなので、(オーバーヘッド等も考慮すると)ほぼ公称値に到達していると考えられます。

 

【でも・・・お高いんでしょ?】

と思われた方も多いかと思いますが、All-Flash構成のVxRailのキャッシュをOptaneにかえた場合、定価ベースで約1.1倍になったという試算がでました。

検証環境の都合上、All-Flashのパフォーマンス値が測定できなかったのですが、この価格差でこのパフォーマンスであれば、稟議を書きやすいのではないでしょうか(笑)

 

というわけで、前後編にわたって、Intel Optane搭載のVxRailを弄り倒してみました。
※検証環境の都合上、理想的な構成にて構築することが出来なかったため、あくまで参考値となりますことをご了承ください。

 

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