生産性や満足度が大きく変わる!ハイブリッドワーク時代のノートPCの選び方

業務や場所の多様化によりPCのニーズも多様化した

新型コロナウイルス感染症拡大が始まって2年が経過し、ようやくその出口が見えはじめつつある。これに伴い、自宅、オフィス、サテライトオフィスといった、場所を問わず業務内容に応じて働く場所を選択する「ハイブリッドワーク」という新しいトレンドを生みつつある。

これを裏付けるのが「日経クロステック Active リサーチ Special」で実施した「ハイブリッドワーク意識調査」である(調査期間:2021年12月16日~2022年1月17日/回答数:557)。これによれば「オフィス勤務と在宅勤務のハイブリッド」となっている企業が54%に達しており、社員の希望により選択可能を含めると、63%に上っている。特に「従業員規模が500人以上の企業」では、ハイブリッドワークの割合が高い。

ハイブリッドワークが本格化するにつれ、使用するPCを改めて見直したいという動きも始まりつつある。つまり、働き方に応じて最適なPC選択をしたいという要望が高まっているわけだ。まず挙げられるのは「できるだけ軽いモバイルPCがいい」というケース。オフィスと自宅の往復ではやはり、携帯性の高いモバイルPCを考えている社員も少なくない。先の調査でも、業務用PCについて「小型で軽量なPC」特に「1.0kg未満」のPCを求める声が多くなっている。

一方で、より生産性を志向したPCを求めるニーズもある。今ではWebミーティング中に資料を投影したり、複数のアプリケーションを同時に使ったりする機会は珍しくない。この場合、単に軽量なだけのモバイルPCでは不便を感じる場面が増えてくる。機能やマシンパワーが足りない、あるいは画面のサイズが小さいといったことで、業務の効率が低下してしまうからだ。

既に全社員に、画一的な PC を提供していた時代は過去のものになり、働き方に見合ったPCの提供が社員の生産性や、満足度に直結する時代に移行したといえるだろう。これに応じるように既にノートPCの最新モデルでは、新たなニーズに対応した製品も続々と登場している。次ページ以降では、その最新機能や活用メリットについて紹介していく。

「1.0kg未満」かつ「高性能・堅牢性」を兼ね備えた新モデルも

「小型軽量PC」へのニーズに対応するモデルとして注目したいのが、デル・テクノロジーズがリリースした「Dell Latitude 7330 Ultralight」(以下、7330 Ultralight)だ。これはマグネシウム合金を筐体に採用した超軽量の13インチノートPCであり、最小構成重量は967g。このモデルは堅牢性・耐久性も高く、米軍調達基準である「MIL規格」にも対応。ACアダプターも手のひらサイズになり、持ち運ぶことを前提にしたモデルになっている。

図1●デル・テクノロジーズの「Dell Latitude 7330 Ultralight」

マグネシウム合金を筐体に採用した超軽量の13インチノートPCであり、重量はわずか967gしかない。小型軽量であるだけではなく、見た目や触ったときの高級感も兼ね備えている

デル・テクノロジーズ株式会社
クライアントソリューション統括本部
クライアント製品本部
フィールドマーケティング
シニアアドバイザー
吉田 将信氏

「これは当社がダイレクトビジネスを展開する中でいただいたお客様の声を、企画段階から取り入れたモデルです。特に日本の顧客ニーズを意識した設計となっており、米国本社の設計部門では『日本向け製品』という位置付けになっています。実際に手に取ってみていただければ、見た目以上に軽く持つことができる上、筐体がしっかりしていることにも驚かれるはずです」とデル・テクノロジーズの吉田 将信氏は語る。

軽量と堅牢性の両立を実現している最大の要因は、マグネシウム合金の採用だ。マグネシウム合金は、軽量素材として知られるカーボンよりも軽い。その一方で金属であるため、しっかりとした質感も実現できるわけだ。

同社が提供する最新ノートPCは、7330 Ultralightだけではない。2022年に入ってから Latitudeシリーズには、合計で8モデルが新製品として追加されており、ラインアップがさらに拡充されている。

4つの柱で行われた機能強化・追加などの取り組み

ここで改めてLatitudeシリーズの最新ラインアップを見ていきたい。その全体像を示したのが下の図である。

図2●Latitudeシリーズの最新ラインアップ

機能や高級感、ディスプレイサイズによってマトリックス状になっており、ニーズに応じた幅広い選択が可能だ。ここに合計8モデルが新製品として追加された

まず機能面では、ベーシックモデルの「3000シリーズ」、スタンダードモデルの「5000シリーズ」、プレミアムモデルの「7000シリーズ」、ウルトラプレミアムモデルの「9000シリーズ」、そして厳しい環境で使うことを視野に入れた高耐久モデル「Ruggedシリーズ」で構成されている。

次にディスプレイサイズを中心とした分類では、「13インチモデル(脱着式2-in-1)」「13インチモデル「ノートPC/回転式2-in-1)「14インチモデル(ノートPC/回転式2-in-1)」「15インチモデル(ノートPC)」で構成されており、全体としてマトリックス状のラインアップになっている。この中で、13インチ、14インチ、15インチのそれぞれで、新製品が投入されているわけだ。なお前述の7330 Ultralightは、13インチのプレミアムモデルとなる。

今回投入した新製品では、大きく4つの柱で機能強化・追加などの取り組みが行われている。第1の柱は「パフォーマンスの向上」だ。「8モデルすべてに第12世代インテル Core vPro プロセッサーを搭載することで、性能が大きく向上しました。またその処理能力を最大限に引き出すため、排熱の仕組みも改善しています」(吉田氏)。

第2は「生産性の向上」だ。例えば、ネットワーク高速化機能である「ExpressConnect(エクスプレスコネクト)」の強化はその1つ。「これはネットワーク接続の待機時間を短縮する機能です。具体的には、2つのネットワーク回線の同時利用に対応し、自動的に最適化するもの。これを活用すれば、広い帯域を必要とするビデオ会議もより快適に行うことができます」と吉田氏は説明する。

もう1つ注目したいのが「Intelligent Audio (インテリジェント オーディオ)」の強化。これはビデオ会議の際にノイズを抑制する機能。今回のアップデートで子供やペットの声のキャンセル機能が強化された。また相手側の音声にもキャンセル機能が適用されるため、クリアな音声で会議ができるようになっている。

なおこの2つの機能は、Latitudeが標準で備えているAIベースの最適化ソフトウエア「Dell Optimizer」によって実現されている。

プライバシーやサステナビリティーにも配慮

機能強化の第3の柱は「プライバシー」だ。具体的には、前述のDell Optimizerに「Intelligent Privacy(インテリジェント プライバシー)」という機能が追加されている。

「これは背後からPC画面を覗かれていることを自動的に検知し、画面をぼかしたり薄暗くしたりするなど、スクリーンをほかの人から見えづらくするというものです。また使っているユーザーが画面から目をそらすと、画面にフィルターがセットされ、データの覗き見を防止する機能も提供。カフェや移動中の作業でも機密データを保護しやすくなります」(吉田氏)

そして第4の柱が「サステナビリティー」だ。デル・テクノロジーズは2030年までに達成すべき目標として「ムーンショット ゴール」を掲げており、その中にはサステナビリティーも含まれている。

その具体的な内容は、2030年までにすべての製品について、顧客が購入した製品と同量の製品を再利用またはリサイクルすること、梱包材の100%をリサイクル素材および再生可能な素材から作成すること、製品部材の半分以上をリサイクル可能および再利用可能な素材からつくることだと説明する。「例えば7330 Ultralightでは底面部バンパーに植物由来のバイオプラスチック素材、バッテリーフレームには再生プラスチック素材を使用しています。また新製品すべての製品出荷時のパッケージングも変更しており、リサイクル素材および再生可能素材を全面的に採用しています」。

図3●Latitudeシリーズで採用されている新たなパッケージング

リサイクル素材および再生可能素材を全面的に採用しているのはもちろんのこと、よりシンプルな構成になっていることもわかる

以上、デル・テクノロジーズの最新モデルを中心にその概要を俯瞰してきた。今後のハイブリッドワークの実践を見据えるならば、新しいニーズへの対応も大きな要件の1つになってくるといえるだろう。

日経BP社の許可により、2022年4月19日~ 2022年7月19日掲載 の 日経 xTECH Active Special を再構成したものです。
https://active.nikkeibp.co.jp/atcl/sp/b/22/03/29/00676/

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