• お客様の事例

    株式会社クレファクト:ゼロタッチPC事例

    • クライアントPCの運用管理にまつわる課題を「ゼロタッチPC」で解消

      初期セットアップの自動化を実現 セキュリティ強化にも成功

    • ビジネス課題

      自動車部品メーカーのクレファクトでは、社内に約180台のクライアントPCを展開している。しかし従来はメーカーや機種、Officeアプリケーションのバージョン等が異なっており、その運用管理に多くの工数を費やしていた。また、昨今では、セキュリティ強化に向けた要求も一段と高まっていることから、同社ではクライアント環境の抜本的な見直しに着手した。

    • 導入効果

      • クライアントPCの初期設定に要する時間を約4時間から20分に短縮
      • 自動車業界のサイバーセキュリティガイドラインへの対応を実現
      • Microsoft 365に環境を統一することで煩雑なバージョン管理作業が不要に
      • 自動化によって確保できたリソースを活かし新たな価値創出を推進
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        「クライアントPCの運用管理やセキュリティに課題を抱えていた当社にとって、『ゼロタッチPC』はまさにピッタリのサービスでした」

        株式会社クレファクト
        総務部 デジタル推進課
        課長
        坪井 明彦氏

      • 株式会社クレファクト
        総務部 デジタル推進課
        課長
        坪井 明彦氏

    • 持ち前の高い技術力を活かし自動車用環境機能部品の設計・製造事業を展開

      「より高品質でより低コストな製品を創造する」「顧客満足の向上と企業の永続を追求する」「人間尊重を基本とし社員の幸せを実現する」の3点を経営理念として掲げるクレファクト。同社は燃料系部品や排気系部品といった、自動車の環境機能部品の設計・製造を手掛けるメーカーである。本社を置く岡山県・総社市に2ヶ所の工場を有するほか、愛知県・岡崎市にも東海工場を展開。これらの生産拠点から、大手自動車メーカーに対して日々高品質な製品群を提供し続けている。また、長年にわたり培った自動車部品の生産技術を活かし、農業・産業用車両の部品も製造。加えて、近年自動車業界で急速に進んでいる電動化への対応も進めている。

      加えて注目されるのが、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の実現に向けた活動も推進している点だ。クレファクト総務部デジタル推進課課長 坪井明彦氏は「自動車/自動車部品業界においても、今後はデジタル技術の活用が重要なテーマとなります。そこで、情シス部門である当部門が牽引役となり、社内でのデジタル活用を拡げる取り組みを進めています」と説明する。

      ここでは、『間接生産性』『直接生産性』の2つの視点で、様々な取り組みを展開。たとえば前者においては、社内の各部門にデジタル推進員を設置し、それぞれの業務をデジタルで改善する取り組みを現場主導で進めている。また、後者においても、生産状況の見える化に着手。坪井氏は「リードタイムの短縮や在庫削減などを目指す上では、まず製造現場の状況を正確に把握する必要があります。そこで現在、生産関連データの収集/活用を進めているところです」と続ける。

    • クライアントPCの運用管理負担やセキュリティ強化が課題に

      このように、意欲的に事業を展開する同社だが、その一方で解決すべき課題もあった。まずその一つは、社内で稼働するクライアントPCの運用管理である。同社では現在約180台のクライアントPCが稼働しているが、かつてはPCが必要になる度に個別に調達していたため、メーカーや機種の異なる製品が混在していた。

      「社員が日々の業務で使う『Microsoft Office』(以下、Office)についても、ボリュームライセンスで購入したもの、あるいはPCにプリインストールされていたものと、調達方法が統一されていませんでした。その結果、バージョン管理が非常に煩雑であった上に、使い方が微妙に異なることから、ユーザー同士でのナレッジシェアにも支障を来していました」と坪井氏は振り返る。

      更新期限を迎えたPCの入れ替えについても、基本的にはすべて手作業で行っていたとのこと。古いPCからユーザーデータを取り出した後、新しいPCのセットアップや必要なソフトウェアのインストールを行い、ユーザーデータを戻すといった作業を、すべてデジタル推進課内で実施していたのである。「当部門もそれほど人員が多いわけでは無いので、こうした価値創出につながらない作業に時間やリソースを取られるのは、あまり好ましいことではありません」と坪井氏は語る。

      これに加えて、大きな課題となっていたのが、自動車業界全体で進められているセキュリティ強化への対応だ。近年では自動車業界でも、取引先などを狙ったサプライチェーン攻撃が多発し、様々な被害が報告されている。そこで、自動車工業会/自動車部品工業会を中心に、「サイバーセキュリティガイドライン」を策定するなど、様々な取り組みを進めている。「当社においても、お客様からセキュリティチェックシートへの回答を求められる機会が増加しています。こうした動きに対応していくためには、クライアントPCについても、よりセキュアな環境を目指していく必要があります」と坪井氏は語る。

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        「セットアップ時間を約4時間から約20分に短縮するなど大きな成果を上げられましたので、評価は100点満点です」

        株式会社クレファクト
        総務部 デジタル推進課
        課長
        坪井 明彦氏

    • デル・テクノロジーズの「ゼロタッチPC」に課題解決の糸口を見出す

      このような課題を解決するカギとなったのが、デル・テクノロジーズが提供する中堅・中小企業向けサービス「ゼロタッチPC」である。ここでは、ゼロタッチPC専用の即納PCに加えて、「Microsoft AutoPilot」(以下、AutoPilot)などのツールを用いた「Microsoft 365立ち上げサービス」や運用サービス、廃棄サービスなどのサービスをワンストップで提供。また、「Microsoft Defender for Office365」と「Microsoft Defender for Business」を組み合わせた「ゼロタッチSecurity」などのサービスも用意されている。これらを利用することで、面倒な手間を掛けることなくクライアントPCの運用効率化やセキュリティ強化が実現できるのだ。

      「デル・テクノロジーズでは、中堅・中小企業向けの講座やセミナー、事例紹介などのコンテンツを数多くWebで公開しています。当社にとっても参考になるものが多いので、日頃からよく活用させてもらっているのですが、そこで『ゼロタッチPC』の存在を知りました。内容を確認してみると、PCのキッティングや設定が自動化できるなど、まさに当社にピッタリのソリューションです。これは非常に素晴らしいと感じましたね」と坪井氏は語る。

    • 初期セットアップに要する時間を約4時間→約20分に短縮

      実際の導入にあたっては、まず3台のPCを試験的に調達し、設定作業等がどの程度自動化できるのか検証を行った。「その結果、PCの初期設定やMicrosoft 365の導入については、問題なく自動化できることを確認しました。唯一、当社の基幹システム用ソフトだけが対応できなかったのですが、これもWindowsの標準ツールである『Powershell』を組み合わせることで解決。作業をほぼ自動化できる目処が立ちましたので、2023年冬より本格的な全社展開に踏み切りました」と坪井氏は語る。

      現在では、約180台のクライアントPCの内、100台がゼロタッチPCに置き換わっている。これにより、同社の業務にも、様々なメリットがもたらされているとのこと。坪井氏は「まず、何といっても大きいのがAutoPilotによる自動化効果ですね。キッティング等にかかる作業の約90%が自動化されましたので、当部門の負荷が減っただけでなく、ユーザーにもスピーディにPCを提供できるようになりました」と語る。

      既存のPCを入れ替える場合、従来は設定やデータ移行作業等で1台あたり約4時間程度の時間を要していた。それが現在では、約20分程度で作業が完了するという。「ユーザーが自分で作業することもできますので、東海工場のPCをリプレースする際も、以前のようにわざわざ現地に出向かなくとも済みます」と坪井氏は続ける。

      また、Microsoft 365に環境が統一されたことで、Officeのバージョン管理に悩まされることも無くなった。同社では、Microsoft 365の上位エディションである「Business Premium」を採用しているため、各種の機能もフル活用。「Microsoft Teamsのチャット機能などもよく利用されており、コミュニケーションの活性化に役立っている」(坪井氏)とのことだ。

    • セキュリティの強化にも成功 今後もデジタル化を推進し新たな価値創出を加速

      さらに、懸案であったセキュリティについても、Defender for Businessの導入によって大きく改善。自動車工業会/自動車部品工業会のサイバーセキュリティガイドラインや取引先からのセキュリティチェックシート要求に対しても、より的確に、かつ効率的に対応できるようになった。「こうしたツールを導入する際に問題になるのが、閾値などの基準をどう設定するかという点です。我々もセキュリティの専門家ではありませんし、マイクロソフト社のサイトなどを見てもなかなか判断が付かない。その点、今回はゼロタッチSecurityの導入支援を活用することで、スムーズに運用につなげることができました」と坪井氏は語る。各クライアントのバックアップもOneDriveで一元的に行えるため、以前のようにHDD障害でデータを失うこともなくなった。

      今回の取り組みを振り返って「所期の目的を無事達成できましたので、評価としては100点満点。今後も自動化/デジタル化をさらに推進すると共に、効率化によって確保できたリソースをより創造的な取り組みに振り向けていきたい」と語る坪井氏。デル・テクノロジーズのサービスや支援にも、引き続き大きな期待を寄せているとのことだ。

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    • お客様名 : 株式会社クレファクト

      業種 : 製造業

      場所 : 日本/岡山