Dell Chromebookの活用で深まる子どもたちへの理解
東村におけるGIGAスクールの取り組みをリードしている東中学校では、2020年10月から小学校3校に先立つかたちで、Chromebookの検証が始まり、約40人の全校生徒一人一人にGoogle for Education™のアカウントが配付され、翌11月には生徒会での活用もスタートを切った。活用を主導した同校音楽科の大嶺はづき教諭は当時をこう振り返る。
「生徒会での活用のスタートは、Google ClassroomとGoogleサイト™を使い、生徒会長・副会長選挙用の候補者PRページを生徒たちに作らせたことです。この取り組みで私がしたことは選挙にDell Chromebookをどの様に使うのかという使い方とPRページのひな型を示しただけで、あとは生徒たちにすべてを任せました。結果として、完成度の高い候補者PRページが出来上がり、活用は成功したと言えます。Chromebook導入から1カ月足らずの取り組みとしては高難度でしたが、ICTに対する生徒たちの吸収力の高さに助けられたカタチです」
大嶺教諭は自身の受け持つ音楽の授業でもDell Chromebookをフルに活用しているほか、東中学校のGIGAスクール化を推進する役割も担っている。現在、技術・家庭科の銘苅大元(めかるともはる)教諭との二人三脚で東中学校におけるDell Chromebookの活用を後押ししている。
その銘苅教諭もDell Chromebookを授業に取り入れている。一例は、木材加工を題材にした自由制作の授業での活用だ。この授業は、Dell Chromebookを使って生徒各自に自分がどのようなモノを、どのような目的の下で作り上げるかの計画書をクラスで共有させ、次にそれぞれの作品をカメラで撮影し制作上の工夫などを説明し、互いに評価のコメントを書き込み合うというものだ。
「この授業は、ものづくりに対する理解を深めてもらう上でとても有効だったと言えますが、その実践で私が得た最も大きな成果は、オンラインでコメントを求めることで普段の授業ではまったく発言しないような生徒も、積極的に自分の意見・思いを述べてくれることに気づくことができた点です。つまり、Chromebookを授業にうまく取り入れることで、生徒たちが授業の中で何を考え、何がわからないのか、何につまずいているかがよく見えるようになるという点です。同様に、生徒との対話やクラスでの議論にチャットを使うと、自分の意見を述べるのが苦手だった生徒も積極的に発言してくれて、コミュニケーションが活性化します。これにより、教師と生徒はもとより、生徒同士の相互理解が一層進み、関係がより強まっているように感じます」
このようにDell Chromebookを使った授業が成果を上げ、かつ、生徒たちが日々の学校生活の中でDell Chromebookを自由に使っている様子を見ることで、他の教師たちの間でもDell Chromebookを授業で使おうとする意欲が自ずと高まっていったと大嶺教諭は指摘する。
「ICTが苦手な先生もDell Chromebookの授業での活用法を学び、使い始めましたし、その姿に刺激を受けてDell Chromebookの活用に乗り出した先生もいます。いまでは社会・理科・英語・国語など、さまざまな教科でDell Chromebookの活用がかなり進み、国語の授業でDell Chromebookが活発に使われたことで、生徒たちのタイピングスキルが短期間で飛躍的に向上するといった副次的な効果も生まれています。加えて、修学旅行の計画をGoogleドキュメント™で共有・編集したり、宿題の回答をGoogle Classroomにアップして生徒たちに確認させたりすることが当たり前にように行われています」(大嶺教諭)
さらに、Dell Chromebookの活用が教師の業務負担の軽減に貢献した例もある。
例えば、ある国語教師は、毎回の授業の振り返りをプリントやノートで生徒に提出させ、点検して戻すという作業を行っていた。そのプロセスをGoogle ClassroomとGoogleフォームを使ってデジタル化したことで、振り返りの作業に要する時間を従来の10分の1に短縮することに成功したという。