• お客様の事例

    平井精密工業株式会社:Dell VxRail事例

    • 事業活動の根幹を支える全社仮想化基盤をDell VxRailで全面刷新

      インフラ環境の最適化と属人化の解消に成功 将来に向けた挑戦を加速

    • ビジネス課題

      フォトエッチング加工の専業メーカーである平井精密工業株式会社(以下、平井精密工業)では、重要な業務システム群をVMware vSphereによる仮想化基盤に集約している。しかし、従来環境では運用管理が属人化していたほか、BCP強化や外部環境変化への対応なども課題となっていた。そこで同社では、これらの点を網羅的に解決できる新たなソリューションの導入に取り組むこととなった。

    • 導入効果

      • 今後の新たなチャレンジを加速する全社仮想化基盤を確立
      • 全サーバーのバックアップ作業を約2週間から約2時間に短縮
      • シンプル化された環境と各種サポートサービスの活用で属人化の問題を解消
      • 万一の大規模自然災害等においても迅速に業務を復旧できる環境を実現
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        「当社では多品種少量の製品群を100%完全受注で生産しています。それだけに、全社業務を支える情報インフラの役割も非常に重い。技術の進化も大変なスピードで進む時代ですので、デル・テクノロジーズの製品と支援にも大きな期待を寄せています」

        平井精密工業株式会社
        代表取締役社長
        平井 孔明氏

      • 平井精密工業株式会社
        代表取締役社長
        平井 孔明氏

      • 平井精密工業株式会社
        総務部 システム 係長
        出口 雅之氏

      • 平井精密工業株式会社
        総務部 システム
        津川 拓哉氏

      • 平井精密工業株式会社
        総務部 システム
        木村 靖弥氏

    • 卓越した技術力を誇るフォトエッチング加工のリーディング・カンパニー

      精密写真と写真腐食法の応用により、プレス加工では不可能な精密加工を実現するフォトエッチング。半導体や電子部品、精密部品などを製造する上で、決して欠かせない技術の一つである。大阪市に本社を置く平井精密工業は、このフォトエッチング加工で国内最大級の規模を誇る専業メーカーだ。

      平井精密工業代表取締役社長 平井孔明氏は「当社のビジネスの特徴として、100%受注生産である点が挙げられます。お客様のご要望をいかに実現するかが重要なカギになりますので、長年にわたり磨きをかけてきたフォトエッチング加工に加えて、表面加工や機械加工、セラミック加工、接着加工などを組み合わせた複合加工にも対応。お客様の多種多様なニーズに、ワンストップでお応えできるようにしています」と語る。創業時には電機メーカーを主要顧客としていた同社だが、その後自動車や半導体などの分野にも事業を拡大。「今後は水素をはじめとするエネルギー関連分野や、食品、医療などの分野にも力を入れていきたい。また、他社が諦めた加工でもなんとかするのが当社の社風ですので、お客様にはぜひ何でもご相談頂きたいですね」と平井氏は続ける。

      加えて、同社の事業のもう一つの大きな特徴が、多品種少量生産を行っている点だ。平井氏は「もちろん量産品もありますが、A4サイズの板を一枚お納めするだけというケースも相当な数に上ります。一つの工場で数百種類もの製品を投入する上に、複数の加工を組み合わせる場合もあります。それだけに工程管理にも綿密さが要求されます」と説明する。これに対応するために、同社では生産業務のIT化にも早くから取り組んできたとのこと。「製造履歴の管理や業務データの利活用、販売促進など、取り組むべきテーマはまだまだありますので、今後も着実にデジタル化を進めていきたい」と平井氏は語る。

    • 全社仮想化基盤の再構築に着手 属人化の解消が重要な課題に

      このように躍進を続ける同社において、今回実施されたのが、全社仮想化基盤の再構築プロジェクトだ。元々同社では、各工場にそれぞれシステムを導入していたが、ITインフラの最適化を図るべくこれをデータセンターに集約。生産管理システムや受発注管理システム、RDS(リモートデスクトップサービス)サーバーなど、主要な業務システムをこの全社仮想化基盤上で稼働させていた。

      平井精密工業総務部システム係長 出口雅之氏は、旧環境における課題を「まず一点目は、属人化をいかに解消するかという点です。3 Tier構成だった旧環境では、サーバーやストレージなどの運用管理を個別に行う必要があった上に、VMwareのバージョンアップにも相当な手間と時間が掛かっていました。とはいえ、長らく私が『一人情シス』状態で管理してきた経緯もあり、誰でも作業ができるわけではありません。今後の技術継承を考えれば、こうした属人化の状態から脱却する必要があると感じていました」と語る。

      また、自然災害や大規模障害などに備えるためのBCP環境についても、改善の余地があったとのこと。「バックアップは行っていたものの、万一の際にきちんとシステムが復旧できるかとなると十分な確証が持てない。そこでこの点についても、より確実性の高い仕組みを用意したいと考えました」と出口氏は続ける。

      さらに、その他にも、サポート体制の改善や性能・リソース要求の拡大、新たなビジネスニーズへの対応など、様々な点が課題として認識されていたとのこと。同社では、これらを抜本的に解消すべく、ベンダー各社に新全社仮想化基盤の実現に向けた提案を依頼。その結果、採用されたのが、ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下HCI)製品「Dell VxRail」(以下、VxRail)を中心とするデル・テクノロジーズの提案であった。

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        「今回の更新では『将来のわくわくを提供するソリューション』をテーマとして掲げましたが、Dell VxRailをはじめとするデル・テクノロジーズ製品により、その狙いを十分に果たせました。各種のサービス・サポートも属人化の解消に役立っています」

        平井精密工業株式会社
        総務部 システム 係長
        出口 雅之氏

    • Dell VxRailをはじめとするデル・テクノロジーズ製品でインフラ環境を刷新

      今回、デル・テクノロジーズが提案した構成では、仮想化基盤にオールフラッシュモデルの「Dell VxRail E660F」を採用。これを高性能ストレージ「Dell PowerStore 1000T」(以下、PowerStore)と組み合わせることで、共有ストレージの性能・容量強化も図っている。他社HCI製品にはノード単位での拡張を前提とするものもあるが、VxRailはデル・テクノロジーズ製ストレージとの連携にも対応しているため、HCI/ストレージの双方で柔軟に拡張が行える。また、PowerStoreはマルチプロトコル対応のユニファイドストレージであるため、ファイルサーバーとしても利用できる。

      バックアップについても、バックアップアプライアンス「Dell PowerProtect DP4400」(以下、PowerProtect)×2台をデータセンターと災対サイトに導入。両サイト間での遠隔レプリケーションを行うだけでなく、万一の際には災対サイト側に導入したVxRailで迅速な業務復旧が行えるようにしている。さらにその他にも、既存のRDS環境を「VMware Horizon」で仮想デスクトップ化する、自宅や外出先で利用する端末は「VMware Workspace ONE」で管理するなど、幅広い内容が盛り込まれている。

      「当社が求めた要件に対して、最も充足度が高かったのがデル・テクノロジーズの提案でした。また、当面の課題を解決するだけでなく、将来に向けたロードマップがきちんと描かれていた点も高く評価しました」と出口氏は語る。

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        「バックアップ作業を大幅に改善できたことも、新全社仮想基盤を導入した大きなメリットです。以前は全サーバーのバックアップに約2週間程度の期間が掛かっていましたが、現在では2時間ほどで終えられます」

        平井精密工業株式会社
        総務部 システム
        津川 拓哉氏

    • サービス・サポートもフル活用しノウハウ習得や技術継承を推進

      こうした数々のハードウェア製品に加えて、同社ではデル・テクノロジーズのサービス・サポートも積極的に活用。中でも、懸案であった属人化の解消に大きな役割を果たしたのが構築支援サービスだ。ここでは実際のパラメーターシートを共有しながら、VxRailの導入・構築に関わるノウハウ習得を支援する。

      「デル・テクノロジーズと一緒に作成したパラメーターシートを元に、スムーズな導入が行えたことは大変良かった。パラメーターシートの情報は後々の運用においても役立ちますし、実際に作業するエンジニアとも具体的に対話できます。我々にとっても、大変有意義な場となりました」と語るのは、平井精密工業総務部システム 津川拓哉氏。また、同木村靖弥氏も「現在はヘルプデスクやWorkspace ONE関連の業務がメインですが、こうした支援を受けることで、インフラ構築・運用を行う上で必要な知識も学べます。今回の経験を今後の業務に活かしていきたいですね」と続ける。

      また、環境全体をVMware vCenterだけで一元的に管理できるため、運用管理についての技術継承が容易になった点も大きなメリットだ。VxRailのバージョンアップ作業についても、「ProSuport Plus」による手厚い支援を活用することで、手間なく確実に実施できるようになった。「一度、バージョンアップ前のプレチェックで問題が見つかったのですが、もし、社内だけで作業していたら見落としていた可能性も高い。それだけに、大変安心感がありますね。『Optimize for Infrastructure』による運用改善提案にも、大いに助けられています」と出口氏は語る。

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        「構築支援サービスを通して、インフラの構築・運用に必要なノウハウを習得できたのは大変良い経験でした。今後は運用効率化によって生まれた時間を、社内ユーザーの支援などに活かしていきたいと思います」

        平井精密工業株式会社
        総務部 システム
        木村 靖弥氏

    • 「将来に向けたわくわく」を感じられるインフラを実現 新たな取り組みにも果敢に挑戦

      VxRail+PowerStoreを導入したことで、インフラのパフォーマンスも大きく向上。新全社仮想化基盤では100台を超える仮想サーバーが稼働しているが、性能面での問題を感じる場面はないとのこと。「システムのレスポンスが遅いとユーザーの業務にも支障が生じますので、この点を改善できたのは大きな成果。信頼性も高く安定稼働を続けてくれていますので、普段はインフラのことを忘れていられます」と出口氏は満足感を示す。

      もう一つ見逃せないのが、バックアップ時間を大幅に短縮できた点だ。「サーバー台数が多いため、以前は2週間程度の期間を掛けて順番にバックアップを行っていました。それが現在では、全サーバーのバックアップが2時間ほどで完了します」と津川氏は語る。PowerProtectの圧縮・重複排除機能の効果も大きく、十数パーセント程度しか容量を消費していないとのことだ。

      「今回の基盤更新では、『将来のわくわくを提供できるソリューション』をテーマとして掲げました。その狙いは十分に果たせたと感じていますので、今後は新たな取り組みにも果敢にチャレンジしていきたい」と抱負を語る出口氏。また、津川氏、木村氏も「会社の生産性向上や社員のIT利活用をしっかりと支援していきたい」と口を揃える。さらなる飛躍を目指す同社の活動を、デル・テクノロジーズもしっかりと下支えしていく。

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    • お客様名 : 平井精密工業株式会社

      業種 : 製造業

      場所 : 日本/大阪