• お客様の事例

    長野県 小諸市:Windows Server HCI事例

    • 行政DXを支えるLGWAN系仮想化基盤をWindows Server HCIで構築

      インフラ環境のシンプル化と運用管理の効率化を実現 新たな行政ニーズへの即応も可能に

    • ビジネス課題

      長野県・小諸市では、脱炭素やコンパクトシティ化に向けた取り組みなど、先進的な施策を数多く展開している。しかしその一方で、行政活動を支える旧LGWAN系システムは個別の物理サーバーで構築されており、運用管理の煩雑化など様々な課題を抱えていた。そこで同市では、これらを解消すべくLGWAN系システムのインフラ刷新に取り組むこととなった。

    • 導入効果

      • 5台の個別物理サーバーを2ノードのHCI環境に集約
      • ハードウェア/ソフトウェア含めたインフラ環境全体の統合管理を実現
      • 冗長化構成を取ることでインフラの信頼性・可用性を向上
      • 今後の行政DXを支える新たなシステムも容易に追加することが可能に
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        「Windows Server HCIを導入したことで、個別物理サーバーで構築されていたLGWAN系システム群をシンプルに仮想統合することができました。
        新規サーバーの追加なども容易に行えますので、当市が推進する行政DXへの取り組みにも活用していきます」

        小諸市
        総務部 企画課 課長補佐 DX推進係長
        小林 秀行氏

      • 小諸市
        総務部 企画課 課長補佐 DX推進係長
        小林 秀行氏

      • 小諸市
        総務部 企画課 DX推進係 主査
        宮坂 一城氏

    • 古くから栄えた歴史と豊かな自然環境に恵まれた高原都市

      浅間山の南斜面に広がり、千曲川の清流が市の中央部を流れる長野県・小諸市。北国街道の要衝として古くから栄えた歴史を有する同市は、豊かな自然環境と観光資源に恵まれた高原都市である。雄大な浅間山や日本百名城の一つである小諸城址懐古園、断崖絶壁に建てられた布引観音など、当地の名所を目当てに訪れる旅行者も数多い。また、「霧下そば」の名前で知られる蕎麦や新鮮な果物、海外でも高い人気を獲得しているワインやウイスキーなど、グルメを唸らせる名産品も大きな魅力だ。

      また、その一方で、先進的な取り組みに果敢にチャレンジしている点も見逃せない。たとえばその一つとして、「多極ネットワーク型コンパクトシティ」の実現に向けた活動を展開。ここでは、市役所庁舎や市民会館/図書館機能を有する「こもろプラザ」、総合病院などの施設を一ヵ所に集約し、様々な用事を一度に済ませられるようにしている。さらに、再生エネルギーの活用や地域マイクログリッドの構築など、脱炭素化に向けた施策も積極的に推進。この取り組みは国からも高く評価され、「脱炭素先行地域」に選定されている。

      行政活動を支える情報環境においても、こうした姿勢は変わらない。2022年には、デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)の牽引役となるDX推進係を新たに設置。小諸市総務部企画課課長補佐DX推進係長 小林秀行氏は「現在当部門では、『市民サービスの向上』と『庁内業務の効率化』の2つの観点でDXを進めています。たとえば前者では、市役所に来なくとも各種の手続きが行えるようにする、あるいは手数料の支払い等をキャッシュレスで行えるようにするなど、利便性をより高めるための取り組みを推進。また、後者においても、各種業務のデジタル化を進めています」と説明する。

    • 個別物理サーバーで構築されたLGWAN系システムのインフラ刷新に挑む

      このように「攻めのDX」を進める一方で、同部門では庁内情報インフラの整備・拡充についても意欲的に取り組んでいる。その一環として今回実施されたのが、ファイルサーバーや資産管理サーバー、ネットワーク系サーバーといったLGWAN系システムのインフラ刷新プロジェクトである。

      小諸市総務部企画課DX推進係主査 宮坂一城氏は「これまで当市では、各システムを個別の物理サーバーで構築/運用することが多かったため、サーバー台数の増加によりインフラ環境の複雑化や運用管理の煩雑化など、様々な課題が生じていました。そこで、物理サーバーが保守期限切れを迎えたことを機に、インフラ環境を抜本的に見直したいと考えました」と振り返る。

    • Windows Server HCIによる仮想統合に踏み切る

      インフラ刷新にあたっては、職員が利用しやすく運用管理が容易であること、仮想サーバーの構築が容易であること、ワンストップ保守が受けられることなど、様々な要件が掲げられた。これらを満たせる製品として、新たに採用されたのが、デル・テクノロジーズが提供するハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品「Dell HCI Solutions for Windows Server」(以下、Windows Server HCI)である。

      今回のプロジェクトを担当した富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(以下、富士フイルムBIジャパン)では、インフラ環境の最適化を図るためには、HCIによる仮想統合が最適と判断。これなら高い性能と信頼性を確保できる上に、今後の増設・拡張も容易に行える。加えて、Windows Server HCIは、ハイパーバイザやSDSソフトウェアのライセンス費用を抑えられるため、他のHCI製品に比べて低コストで導入することが可能。また、使い慣れたWindows Serverの知識をそのまま活かせることも大きなメリットとなる。さらに、デル・テクノロジーズと共同で既に導入実績を積んでいることも、Windows Server HCIを推す大きな要因となった。

      同市でもこの提案を高く評価。小林氏は「既存の業務機能をきちんと満たせるだけでなく、高集積化や運用効率化、将来に向けた拡張性といった、プラスαの部分が備わっている点が良かったですね。実際にWindows Server HCIを利用している企業も視察させてもらいましたが、使い勝手が良いと大変好評でした。その点においても導入を決める際の加点となりました」と語る。

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        「ハードウェア/ソフトウェア含めた環境全体を一元的に管理できるのは大変便利。運用管理負荷軽減やナレッジの共有に役立ってくれることと期待しています。
        他のHCI製品と比較して、導入コストを抑えられたことも大きなメリットでした」

        小諸市
        総務部 企画課 DX推進係 主査
        宮坂 一城氏

    • コストを抑えつつ先進的なインフラ環境を実現

      システム構築面での工夫としては、まずWindows Server OSを組み込んだ専用ハードウェア「AX-750」(Dell HCI Solutions for Windows Server)を2台用いた2ノード構成とした点が挙げられる。他社HCIの中には、最小構成が3ノードからの製品も存在するが、Windows Server HCIはこのように2ノード構成にも対応しているため、ハードウェアコストを低く抑えることができる。また、ストレージについても、SSD+HDDのハイブリッド構成とすることで、性能要件とコスト要件を両立させている。

      また、既存環境からの移行にあたっては、属人化されている部分も多く、まずは実際の環境を正確に把握しなければならない問題もあった。この点についても、富士フイルムBIジャパンが現行環境の綿密な調査・分析を実施。把握した情報を整理共有し、構築作業に反映させることで、確実な移行設計を行うことができた。このようにインフラを構成するWindows Server OS側の構築が円滑に進められたため、導入スケジュールへの影響も全く無かったとのこと。予定通り2023年11月より、本番稼働を開始している。「既存サーバー群の保守切れ期限が迫っていた上に、半導体不足の影響なども心配されましたので、無事本稼働にこぎつけられたのは大変良かった。親身になって対応してくれた富士フイルムBIジャパンとデル・テクノロジーズにも感謝しています」と小林氏はにこやかに語る。

    • 運用管理の効率化と省スペース化を実現 新たなDX施策の展開も容易に

      新LGWAN系仮想化基盤が導入されたことで、同市にも様々なメリットが生まれている。まず一点目は、インフラ環境のシンプル化と運用管理の効率化を実現できた点だ。従来は5台あった物理サーバーを2ノードのWindows Server HCIに集約したことで、サーバールームの省スペース化/省電力化が実現。また、運用管理についても、無償の管理ツールである「Windows Admin Center」(以下 WAC)で環境全体を統合管理できるようになった。ちなみに、デル・テクノロジーズでは、WACの拡張機能である「OpenManage Integration with Microsoft Windows Admin Center」も提供している。これを利用すれば、ソフトウェアだけでなくハードウェアもWACで一元管理することが可能だ。「インフラの管理が容易になれば、ナレッジの共有や引継ぎなども行いやすくなります。現在は閉ざされたLGWAN環境ですが、WACは業務効率化に寄与してくれるものと見込んでいますので、セキュリティを確保したうえで将来的には検討していきたい」と宮坂氏は語る。

      また、インフラの信頼性・可用性も大きく向上。従来環境でも大きなトラブルなどは無かったが、基本的に単体サーバーで各システムが稼働していたため、万一の障害による停止の際、復旧手順の多さや復旧までに要する時間に不安があった。しかし現在では、ホットスタンバイによる冗長化構成が取られているため、通常時でも障害時でも常に安定的にシステムを稼働させることができる。パフォーマンス面でも十分な能力が確保されており、快適に業務が行えているとのことだ。

      加えて、もう一つ見逃せないのが、今後の行政DXへの貢献だ。現在同市では、個別物理サーバーで稼働中の他の業務システム群を、今回の新LGWAN系仮想化基盤へ集約する取り組みを進めている。これにより、インフラ環境のさらなる最適化やコスト削減を進めると同時に、行政DXに関わる取り組みについても今回の基盤を積極的に活用していく考えだ。小林氏は今後の展望を「庁内の各部門からも、いろいろとDXに関する相談を受けています。そこで新たなシステムが必要となった際にも、今回の基盤を使えばタイムリーに対応できます。市民サービス向上や庁内業務の効率化に向けて、ぜひ有効に使っていきたいですね」と述べた。

      • ソリューションパートナー
        富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 長野支社

        〒380-0904
        長野県長野市鶴賀七瀬中町 161-1 ハーモニー七瀨ビル北館

      • 株式会社コミュニティテレビこもろ

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    • お客様名 : 長野県 小諸市

      業種 : 地方自治体

      場所 : 日本/長野