開発効率を大幅に向上 グループ内外へのソリューション提供を推進
新アプリケーション開発基盤が本稼働を開始したことで、同社の開発業務にも大きな変化が生まれている。「従来型の開発手法では、アプリケーション開発者がインフラの面倒を見なければいけない場面も多かった。しかし、今回の基盤を活用すれば、わざわざIaaS 担当者と交渉してリソースを用意してもらったりする必要が無くなります。また、クリーンなOSやビルドパックが基盤側から提供されますので、セキュリティ面でも気を遣わずに済むようになります」と語るのは、ソリューション事業本部 DX 共創グループ プロダクトマネージャー 内山 永悟氏。また、田中氏も「以前は、開発に必要なリソースを用意するのに1 週間程度掛かっていました。しかし現在では30分もあれば開発者自身で開発環境をすぐに用意できます。開発工数を大幅に削減できる上に、すぐに動くものが作れるとあって、アプリケーション開発者からも大変好評です」と続ける。
同社では、今回の基盤を活用したアプリケーションの第一弾として、「音声感情解析システム『VENAS』(ビーナス)」を新たにリリース。また、コンテナ技術を活用した既存業務アプリケーションのモダナイズなど、様々な取り組みを展開中だ。「近年では、多くの企業でクラウド活用が進められていますが、アプリケーションやデータの特性上、パブリッククラウドには置きにくいシステムも存在します。その点、今回の開発基盤はハイブリッドクラウド/マルチクラウドにも容易に対応できますので、お客様に一つの解を提示できることと確信しています。このメリットを最大限に活かして、日経グループや他のお客様のDX に貢献していきたい」と内山氏は抱負を語る。
また、システムの中核を担うVxRail にも、大きな期待がかけられている。鴨田氏は今後の展望を「今回のシステムは日経グループ向けの実証環境という位置付けですが、今後のサービス拡大に応じてどんどんインフラも拡張していきます。VxRail なら、こうしたニーズにもスピーディに対応できますので、引き続きフル活用していきたいですね」と述べた。