手軽なAI/データ利活用を実現する新サービス「XLake」の提供を開始
こうした経緯を経て2020年5月にリリースされたのが、Hadoopベースのビッグデータ収集・分析サービス「XLake」だ。その特長としては、大量データの分析・活用を可能にするAI PaaSと、同社のAIエンジニアによるプロフェッショナルサービスがワンストップで提供される点が挙げられる。「AI活用というと、とかく専門のデータサイエンティストやAIベンチャーなどと手を組んで大掛かりに始めるようなイメージを持たれがちです。しかしこれでは、より多くのお客様にAI/データ活用のメリットを享受して頂くことができません。そこで、『XLake』では、当社のエンジニアがお客様に寄り添い、分析対象となるデータの検討からデータ収集、実際の分析までをトータルご支援。AI/データ利活用に向けた最初の一歩を、もっと手軽に踏み出して頂けるようにしました」と坪口氏は語る。まさに、先進SIerである同社ならではのサービスと言えるだろう。
ただし、そのサービス基盤を構築する上では、様々な壁にも直面した。坪口氏は「これまでもスポット的にHadoop環境を構築した実績はありますが、今回のサービス基盤はそうしたものとは格段にシステム規模が異なります。それだけに、信頼の置けるベンダーをパートナーに選びたかった」と坪口氏は振り返る。その結果、白羽の矢が立ったのが、デル・テクノロジーズである。クオリカイノベーションテクノロジー本部先進テクノロジーセンター主査島津岳輝氏は「当社の構想をデル・テクノロジーズに打ち明けたところ、早速『XLake』の要件を満たすためのシステム構成を提案してくれました。その内容も非常に納得感のあるもので、後に他社からも提案を募る際の参考にさせてもらったほどです」と語る。
デル・テクノロジーズがこれほど迅速な提案を行えたのは、データレイク/データフロー基盤の導入実績をグローバルで数多く有するからだ。そこで培われた知見を活かすことで、同社のニーズにマッチした構成を素早く提示できたのである。坪口氏は「『XLake』では、Hadoopのディストリビューション大手であるCloudera社の製品を活用していますが、デル・テクノロジーズは同社のようなソフトウェアベンダーとも緊密な関係を築いています。さらにグループ内にも、VMwareやSecureWorksなどの先進ソフトウェア企業を数多く抱えています。単なるハードウェア提供に留まらず、ソフトウェアを含めた基盤全体を安心して任せられる点を高く評価しました」と語る。