PowerFlexで「ERROR: ライセンスのアップデート時にタイマーのフォークに失敗しました

シナリオ
お客様がライセンスをアップデートしようとすると、「ERROR: Failed to fork timer」というエラー メッセージが表示される 

症状
MDMトレース ログから

29/09 15:19:38.957139 0x7f91e2645db8:mosEventLog_PostInternal:00608: New event added. Message: "Command set_license received, User: 'admin'. [774]". Additional info: "" Severity: Info
29/09 15:19:38.957208 (nil):mosIO_close:00137: Closing FD(299)
29/09 15:19:38.964892 (nil):mos_CreateProcessWithTimeout:00050: ERROR: Failed to fork timer
29/09 15:19:38.968880 (nil):mosIO_close:00137: Closing FD(299)
29/09 15:19:38.968906 0x7f91e2645db8:mdmObj_SetLicense:01918: Decode rc: ILLEGAL
29/09 15:19:38.968912 0x7f91e2645db8:mdmObj_SetLicense:01921: Bad license. RC: ILLEGAL
29/09 15:19:38.968946 0x7f91e2645db8:mosEventLog_PostInternal:00608: New event added. Message: "Command set_license was not successful. Error code: The license key is invalid or does not match this version. Please contact Customer Support. [774]". Additional info: "" Severity: Warning

問題

 お客様は、リソースの問題が解決されるまでライセンスをアップデートできません。

ライセンスを適用するためにscli --set_licenseコマンドを実行すると、MDMプロセスが2回クローン化(フォーク)されます。 

最初のステップは成功しましたが、コマンドでMDMプロセスのクローンを作成できませんでした。これは、システムにプロセスのクローンを作成するための十分なリソースがない場合に発生する可能性があります。この例では、SVMのメモリー オーバーコミット構成によって、システムは使用可能なメモリーの半分のみに制限されています。

grep 'vm.overcommit' ./server/sysctl.txt -H
server/sysctl.txt:vm.overcommit_kbytes = 0
server/sysctl.txt:vm.overcommit_memory = 2
server/sysctl.txt:vm.overcommit_ratio = 50

システムに使用可能な十分なリソースがあることを確認します。 

sysctlカーネル パラメーターでメモリーのオーバーコミットを確認します。

# sysctl -a |grep commit
vm.overcommit_memory = 2 (default is 0)
vm.overcommit_ratio = 50 (default is 50)

この場合、「vm.overcommit_memory」を 2 に設定すると、メモリがオーバーコミットされません。これにより、オーバーコミット制限を超えるメモリ割り当ては失敗します。システムのアドレス空間コミットの合計は、スワップ + 物理 RAM の構成可能な量 (デフォルトは 50%) を超えることはできません。

この問題を解決するには、/etc/sysctl.confで次のいずれかを追加/編集します。

 - "vm.overcommit_ratio" を 100 に変更して、OS が使用可能なアドレス空間の合計をコミットして再起動できるようにします。