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April 11th, 2022 22:00
【Meet The Experts】APEX って何?第四話 残りの4つのサービスについて
これまでのMeet The Expertでは、日本でリリース予定のAPEX Data Storage ServicesとAPEX Cloud Services with VMware Cloudについて話を聞いてきました。両方ともインフラを気にせずサービスをまるっと提供、これまでのITインフラ業界に殴り込みをかけるサービス。
でもまだAPEX Hybrid Cloud、APEX Private Cloud、そして1月に発表されたばかりのAPEX Multi-Cloud Data Services とAPEX Backup Services があるわけで・・・
選択肢の意味
Ayas:今日は残りのAPEXサービスについて教えてください。
平原氏:ではAPEX Hybrid Cloud、APEX Private Cloudから始めましょう。
これは前回お話したAPEX Cloud Services with VMware Cloudの兄弟分のようなもので、違いは、まず『実装するクラウドスタック』になります。APEX Cloud Services with VMware Cloudではその名の通りVMware Cloudサービスのためにパッケージされた専用のスタック(vSphere/vSAN/NSX-T/HCXの機能を含む) で提供しますが、APEX Hybrid Cloudでは、広く一般に流通しているVMware Cloud Foundation(VCF) 、APEX Private CloudではvSphere/vSAN で提供します。
利用ケースとしては、APEX Cloud Services with VMware CloudとAPEX Hybrid CloudはNSXが入っているので、どちらもパブリッククラウドとハイブリッドクラウド構成を組むのに最適ですし、APEX Private Cloudはオンプレ主体の利用に最適、という感じです。
またAPEX Hybrid Cloud/APEX Private Cloudでは、採用するソフトウェア (VCF/ vSphere) は一般で購入可能なものですから、お客様がVMware ELAライセンスをお持ちの場合は、そちらのライセンスを持ち込むことも可能です。
Ayas:うーんちょっとまだわからない・・実際には全てVxRailを使っているサービスなんですよね。
平原氏:そうですね。VxRailを使っている、そしてインスタンスベースでのかんたん発注、という点は同じですが、APEX Hybrid/Private CloudはピュアなVxRailのサブスクリプションサービスという感じでしょうか。
そのためAPEX Cloud Services with VMware CloudのようなAPEX Lifecycle Servicesが付きません。つまり、保守・運用に関しては今まで通りお客様が自ら準備をして、必要に応じてデル・テクノロジーズのサポートに連絡する形になります。
Ayas:ということはお客様は純粋にVxRailを、APEXの特徴であるシンプルさとスピードをもって調達しながら、それ以外のことはお客様が好きなようにカスタマイズできるということですね。
平原氏:そうです。APEX Cloud Services with VMware Cloudのように運用までデル・テクノロジーズに任せなくてもいい、うちにはうちの運用方法がすでにある、といったお客様であればAPEX Hybrid CloudまたはAPEX Private Cloudサービスを選択して頂ければいいわけです。
パブリッククラウドとの融合性の高い環境ならクラウドスタックとして大規模環境に最適なVMware Cloud Fundationを使うAPEX Hybrid Cloud、オンプレやエッジ環境ならばvSphereを使っているAPEX Private Cloudサービスを、といった具合です。
いずれもインフラ運用はお客様範疇なので、既に優秀なインフラ管理部門を持っているようなお客様は、現状から変更なく今まで通りの保守・運用を行うことができます。USなどではそういったお客様が多いのでインフラのみをサブスクリプション型で購入できるこのサービスは結構重宝がられているんですよ。
Ayas:保守・運用まで欲しいのか、そこまではいらないのか、かなり細かい選択肢が用意されているんですね。APEXって・・・
オンプレ⇔クラウド 自由なインフラ
平原氏:確かにそうですね。今まで紹介してきた4つのサービスはオンプレやコロケーションで必要なITインフラをお客様の好きなだけ、好きなスタイルでパブリッククラウドライクに調達、消費するものですが、今年の1月に発表されたAPEX Multi-Cloud Data Services やAPEX Backup Servicesは『選択肢』という点で、APEXポートフォリオをさらに進化、拡張するものと言えます。
Ayas:最近発表された新しいサービスですね!
平原氏:これらはここ最近、デル・テクノロジーズが『bi-directional ground-and-cloud strategy』と呼んでいる戦略、つまりグラウンド(オンプレ)とクラウドにおける双方向戦略に沿った新しいサービスと言えます。先の4つのようにパブリッククラウドの利便性をオンプレ型のサービスで提供するのに加え、オンプレで実績のあるデル・テクノロジーズのイノベーションを活用したクラウド型サービスも提供します、という感じかな。
例えばAPEX Multi-Cloud Data Servicesはユーザーがストレージインフラを全く意識することなく、ストレージ/データの置き場所に縛られずに、オンプレからのみならず、パブリッククラウドからのサービスもフレキシブルに利用してもらえるというサービスになります。
Ayas :う!もうちょっと説明してください。
平原氏:つまり、これはフルマネージドサービスなのでインフラがどうなっているか、はお客様は一切気にする必要なしで、オフプレミス(この場合Equinixコロケーションサイト)にあるデル・テクノロジーズの堅牢なストレージへデータを格納し、低遅延なネットワークを介して主要なパブリッククラウドへ、もしくはパブリッククラウドからデータへアクセスできるようになります。
従来であればパブリッククラウドとのアクセスは回線の準備や面倒な設定をお客様が調整しなければいけなかったのですが、APEX Multi-Cloud Data Servicesであればそれも必要ありません。デル・テクノロジーズがパブリッククラウドとのアクセス部分も含めてまるっと提供し、しかもL2接続(これが特許技術!)を使って、パブリッククラウドのネットワークをこのサービスに持ち込むことが可能になります。
お客様のオンプレ環境からのL2接続も可能ということは、オンプレ機器からでも、パブリッククラウドのコンピューティングインスタンス(EC2など)からでも、まるで自社のLANで繋がっているかのように同じデータへのアクセスが可能という訳です。
したがってお客様はデータを明示的かつ安全なロケーションに置いたまま、その時々で主要パブリッククラウドの最良のサービスを選択、活用できるようになります。また複数のパブリッククラウドを使う場合の課題であるクラウド間のデータ移動時にかかる課金を効果的に抑制できるので、パブリッククラウドのベンダーロックインのリスク低減にも大きく役立つはずです。
つまりAPEX Multi-Cloud Data Servicesはマルチクラウドをより効率よく使う為のデル・テクノロジーズによるフルマネージドデータサービスなんです。
Uehara Y.:確かにAIの世界でも、あるパブリッククラウドベンダー が音声認識に強いサービスを持っている、とかこっちのベンダーは画像認識に強い、とかありますがこれならデータはオンプレに置いたままフレキシブルに進化していく多種多様なクラウドサービスを使うことができますね。
平原氏:さらにAPEX Multi-Cloud Data Servicesは、ブロック、ファイル、オブジェクトの他にデータプロテクションのメニューを用意していて、エアギャップを備えたサイバーリカバリー機能も提供します。
前段にお話した『bi-directional ground-and-cloud strategy』にも繋がりますが、デル・テクノロジーズはData Domain VE のように独自性あるイノベーションをパブリッククラウド上のIaaSで利用可能なソリューションが既にあるので、これでコンピュート部分はパブリッククラウド、でも守りたいデータは安全に隔離されたオフサイトに、というスタイルにも選択肢が増えることは間違いないです。
Uehara Y.:これこそ日本の官庁系が使って欲しいサービスだよなあ!
Ayas:APEX Multi-Cloud Data Servicesこそインフラに縛られずやりたいことをやれる、というAPEXにぴったりのサービスですね!最後にAPEX Backup Servicesについて教えてください。
平原氏:これは一言で言ってしまえばSaaS型のバックアップサービスになります。
このサービスではデータがオンプレにあろうが、SalesforceやMicrosoft 365のようなSaaSクラウドであろうが、個人のPCのようなエンドポイントにあろうが、まるっと保護することができます。しかも、このサービスはハイパースケーラーのインフラ上で動いているので、データボリュームが増えても心配無用です。
コンセプトとしてはオンプレ志向のユーザーだけでなく、すでにパブリッククラウドにいるユーザーにもデル・テクノロジーズの優れたイノベーションを使ってもらいたいという考えがあります。その点でこのサービスも『bi-directional ground-and-cloud strategy』の戦略に沿ったものであると言えますね。
Ayas:なるほど、このサービスもある意味データの置き場所を考慮することなくバックアップができるという点では自由なサービス、といえますね。
平原氏:確かに。APEXクラウドサービスが提供したいのはインフラそのものではなく「アウトカム」、インフラが持つ「パワー」です。オンプレであろうとクラウドであろうとデータの居場所を意識することなく、その先にあるお客様のイノベーションに注力できるという点で、「パワー」を簡単に使える2つのサービスはさらにお客様の自由度を広げるものになります。
APEX Backup Servicesは既に日本で提供可能です。残念ながら前述したAPEX Multi-Cloud Data Servicesの日本でのリリースはまだ未定ですが、これらのサービスでも日本のIT業界を変えていくことになるといいですね。
データがどこにあろうともそんなことは気にせず自由に行き来ができる!やりたいことをしがらみ無しでやる・・・これこそAPEXの持つ自由なインフラの魅力だと思ったAyasでした。
バックナンバー
【Meet The Experts】APEX って何?第一話 APEX Data Storage Services
【Meet The Experts】APEX って何? 第二話 APEX Cloud Services with VMware Cloud
【Meet The Experts】APEX って何?第三話 カスタマーサポート
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