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2026年6月11日 00:57
[Meet The Experts] Dell Private Cloud × Red Hat OpenShift/OpenShift Virtulaization
VMwareを取り巻く環境変化(いわゆるBroadcomショック)以降、仮想化基盤の見直しを迫られる企業が増えています。その有力な選択肢として、にわかに存在感を高めているのがDell Private Cloud(DPC)とRed Hat OpenShift / OpenShift Virtualization。
APEX時代からの両者の関係は、Dell Private CloudやDell Automation Platformが生まれた後、どうなっていくのか!
Red HatエキスパートとDell Technologiesエキスパートにその本音を語ってもらいました。

Experts
中村氏(Red Hat)写真右上
ちゃらんぽらんなキャラを装いつつも、その技術力と知識は折り紙つき。ストレージ屋からソフトウェア屋に転じても、三つ子の魂百までを地で行く生粋の技術者。
川田氏(Red Hat) 写真右下
「未来を背負う期待の星!」という周囲の声をしっかり受け止めながらも、自分の行く先は冷静に見据える。芯の通ったエンジニア。
平原氏(Dell Technologies) 写真左
新製品が出るたびに矢面に立ち、荒れた道を均してきた。その役目を担えるのは、ひとえに彼の確かな技術力あってこそ。
キーワードは自由度
Ayas:APEXの時代
にもAPEX Cloud Platforms for Red Hat OpenShiftとしてRed Hatさんとの協業はあったわけですが、今度のDell Private Cloud × Red Hat OpenShiftはどう違うのですか。
平原氏:考え方そのものはAPEXの頃から変わっていません。デプロイ自動化のワークフローや、OpenShift Cluster ManagerからシングルクリックでハードウェアLCM (ライフサイクル管理) を追加できる、といった世界観は一貫しています。
大きく進化したのはハードウェアの土台です。以前はハイパーバイザーに寄せた構成で、特定のハイパーバイザー専用のハードウェア(APEX Cloud PlatformsならMCノード)をご提供する形でした。
いまのDell Private CloudはPowerEdgeをベースに、あらゆるハイパーバイザーに対応できる。ここが最大の変化であり、進化だと思います。
Ayas:どんなお客様が興味をもたれているんですか?
平原氏:金融のお客様が多いですね。金融系ではOpenShiftでコンテナ化を進める動きが、デファクトスタンダード化していると言ってもよさそうな感じです。
そこにBroadcomショックが重なり、コンテナのみならず仮想化されたサーバも取り込み、さらに流れが加速している印象です。
そのため、OpenShift Virtuailzaitionで仮想マシンワークロードも巻き取ってしまう、というのは理想的です。
Uehara Y.:Broadcomショックの追い風によってかなりの数のお客様がvSphere環境からOpenShiftへ移行する可能性があるということでしょうか?
平原氏:いえ、現実はそんなに簡単な話ではなかったりします。vSphereだけを使ってこられたお客様がOpenShiftの仮想化環境へいきなり移ると、最初はつまずきやすい面がありますので。
中村氏:GUIの違いが大きいようですね。OpenShiftはもともとコンテナ管理のツールですから、仮想化向けの機能は後から追いついてきた、という経緯もあります。
Red Hatとしては仮想化向けのGUIの改善は継続して行っているのですが、お客様からみるとやはりラーニングコストや運用の変更が入ってしまいますので……

Uehara Y.:OpenShiftのGUI等で何か問題が発生した場合にはDell Technologiesのサポートへの問い合わせになるのですか?
平原氏:サポート観点だと現状のDell Private Cloudはハイパーバイザーのライセンスはお客様持ち込み (BYOS) ですが、L1/L2レベルのサポートであれば、当社のナレッジを駆使してOpenShiftも含めてサポートします。それ以上の高度な問題については、お客様側でRed Hatさんへチケットオープンしていただければ、必要に応じて当社はRed Hatに協力する対応となっています。
今後予定されているOEMライセンスであれば、L3レベルも含めてVxRailのように「こみこみのライセンスですべてをサポート」という対応ができるようになるはずです。
とはいえ、BYOSであればお客様の都合で自由にハードウェアリソースの利活用ができるという大きな強みがあるので、これはお客様によってケースバイケースで選んでいただくことになると思います。
中村氏:そうですね、実はOpenShiftには4つのラインナップがあり、一般に「OpenShift」と呼ばれているのはOCP(OpenShift Container Platform)。コンテナやロギング機能などを含むスタンダード版です。
そのほかのラインナップとして、 Red HatからKubernetesのサポートだけ欲しいという人向けの
Red Hat OpenShift Kubernetes Engine(OKE)
OCPに追加して、複数クラスタの管理やセキュリティの強化などもできてしまう
OpenShift Platform Plus(OPP)
そして最近考え出したのが、コンテナ化まではちょっと……でも仮想化基盤は早く切り替えないといけない! という人向けの
OpenShift Virtualization Engine
これはワークロードを仮想マシンのみに絞ってデプロイ時のコストを抑えた安価版ラインになります。
この4つはすべて同じテクノロジーがベースなので、サブスクリプションを買い替えればいつでも移行できます。
お客様がいまメインで利用されているのが仮想化だろうがコンテナだろうが混在だろうか、どの段階にあっても無理なく対応できる、自由度の高い設定にしている、これが狙いです。
Ayas:お客様のタイミングでハイパーバイザーでの処理を変えていけるDell Private Cloudの自由度と同じ思想ですね。インフラ側の自由度と、ソフトウェア側の自由度が、ぴったり。

Uehara Y.:Dell Private Cloudは小規模でも組めそうな印象がありますが、OpenShift側はどうですか。
中村氏:OpenShiftは1ノードから構成できるものもあります。2ノード+アービター(Arbiter)ノードの構成や、2ノード構成(with Fencing)もGAされたので、小規模システムにも十分応えられると考えています。
平原氏:Dell Private Cloudは現状では最低3ノード構成からというルールがあるのですが、そういった少数ノードでの対応が可能となると様々な需要を持つお客様に対応ができるようになるので当社側のロードマップにも期待したいですね。
また、Dell Private Cloud(とDell Automation Platform)は、当社のデプロイサービスに依存することなく簡単にOpenShiftのノード追加が可能という点もお客様にとって実は大きなメリットになると考えています。
OpenShiftの構成を決める際、仮想マシンと違い、Pod (コンテナアプリケーション) のサイズ感を把握してサイジングするのが難しいということがあります。実際に動かしてみるまでどれほどのリソースが必要となるのかが読みにくく、実際に動かしながら確認していく必要がある。
そんな場合でもまずは最低限と考えられるリソースで始めて、必要に応じてお客様が自分でノードを購入して追加していくということがDell Private Cloud(とDell Automation Platform)だと容易に可能となります。最初からリソースを過剰に積むリスクも回避できるわけです。
強みは本物のストレージ
Ayas:「自由度」をキーワードにDell Private CloudとOpenShiftの相性は抜群!というわけですが、Red HatさんとしてはDell Technologiesとの協業の中で何がメリットだと感じていますか。
中村氏:Dell Technologiesの強みは、何といってもストレージを持っていることです。ソフトウェアベンダー単体だと、ストレージはソフトウェア定義のものに頼らざるを得ない。
Dell Technologiesにはきちんとしたストレージがある。これが一番だと思います。コンテナ基盤でも仮想化基盤でも、ストレージの足腰がしっかりしていれば、立ち上げ初期に起こりがちなトラブルも避けられます。
平原氏:そうですね。Dell Private CloudではPowerStore、PowerMaxなどそれぞれお客様の要求に見合うだけのストレージ選択肢を揃えています。
中村氏:ログなどのテレメトリーまわりも、Dell Automation Platformのブループリントで設定してくれると嬉しいのだけれど!
平原氏:現状、そこはOpenShift側にお任せですが、ご意見ありがとうございます!(笑)。
次の一手……
Ayas:RedHat社からみて今後Dell Private CloudとOpenShiftのコンビはどのような関係になると思っていますか。
中村氏:僕らRed Hatはすでにマーケットで「LinuxといえばRed Hat」という看板を持たせてもらっています。そしてこれからは「コンテナテクノロジーといえばOpenShift」といわれるようにもっと人々の意識を変えていけたらいいと思っている。
そんな中、確実なハードウェアを持つDell Technologiesさんとは切っても切れない、そして更にもう少し未来を見ると「AI基盤といえばRed Hat」という意識もつくりたいと考えている、それが我々のビジョンです。
提供する価値のすみ分けができているDell Technologies社とであれば一緒にその環境や世界観を提供できるのではないかと考えています。
川田氏:私たちは、お客様ご自身が独自のモデルを開発でき、さらにそれをアプリケーションとしても公開できるような基盤を提供していきたいと思っています。今の段階では独自でモデル開発をするお客様というのはごく少数ですが、それを牽引できるくらいのしっかりとしたソリューションを、OpenShiftをベースに、今後さらに進化させていけると考えています。
OpenShiftもお客様も、共に成長していく……という感じです。

中村氏:「AIで仕事がなくなる」という話もありますが、むしろ逆で、「きちんと説明できる人」がますます必要になる。AIの部分まで語れる人材がいないと話は進みません。
川田氏:分断された知識やそれぞれのテクノロジーに詳しくとも全体像については話ができない、ということがないように、キャッチアップを行いながら、日本のお客様のAIへの取り組みをさらに広げていきたいと考えています。
ソフトウェアとハードウェア双方から自由度を提供するRed Hat × DPC のタッグはこれからますます増えていくAI需要の中で、最強のソリューションになるかも!と考えたAyasでした。

