Dell™ PowerVault MD32XX-MD36XXで、障害が予測される、または障害の兆候があるディスクを交換する

メモ：この記事は、Dell PowerVaultナレッジ ライブラリーの一部で、こちらから参照できます。

概要  

このチュートリアルでは、障害が予測される、または障害の兆候があるディスクを交換する方法について説明します。予測障害は、RAIDの信頼性を高めるために設計された最新のハード ディスク ドライブ（ハード ドライブ）機能です。予測障害は、ハード ドライブを交換する必要があることを障害が発生する前に示します。 

 

原因

通常の読み取り/書き込み処理中に、ハード ドライブにエラーが発生することがあります。コントローラーはこのエラーを特定して修復します。これらのエラーは、「不良ブロック」とも呼ばれます。これは、ハード ドライブ上のメモリー領域が通常、仕様よりも若干大きいことを示しています。このスペースは、通常のオペレーション中に発生した不良ブロックの再配置または修復を行うために使用されます。不良ブロックの閾値は、個々のハード ドライブに前もって割り当てられています。この閾値に達すると、コントローラーはハード ドライブのステータスを「予測障害」に変更します。ハード ドライブは引き続き動作可能ですが、近い将来にハード ドライブに障害が発生する可能性が高まっています。

RAIDボリュームの整合性を維持するために、「予測障害」ステータスのハード ドライブを速やかに交換することをお勧めします。ハード ドライブを交換するには、物理的に交換する前にRAIDボリュームから安全に取り外す必要があります。以下の示す手順に従って、ハード ドライブのステータスをオフラインに変更し、RAIDボリュームから安全に取り外します。

 

対処方法

この手順を実行するには、Modular Disc Storage Manager（MDSM）がインストールされている必要があります。問題のあるデバイスのサービス タグをこちらに入力して、MDSMをダウンロードすることができます。PCはストレージ アレイにアクセスできる必要があります。

以下のプロセスに従ってハード ドライブをオフラインにして、RAIDボリュームから安全に取り外します。

1. MDSMを起動し、対応するPowerVaultアレイを選択します。
   
    
2. ハード ドライブが正常に機能している場合は、次の図1のように、状態は「Optimal」と表示されます。
   
   
   図1: 「Optimal」な状態のMDSMデバイス ビュー
   
    
3. ハード ドライブに予測障害が発生している場合は、ステータスが［Need attention］に変わります。
   
    
4. アレイをダブル クリックして、マトリクス マネージャーにアクセスします。
   
    
5. ［Hardware］をクリックし、予測故障が発生しているハード ドライブを選択します。ステータスが「Need attention」になっています
   
   
   図2：MDSMのハードウェア セクション
   
    
6. ハード ドライブを右クリックし、［Advanced］、［Fail］の順に選択します。
   
   
   図3：［Fail］オプションが示す右クリック メニュー
   
    
7. 「Yes」と入力して、ドライブの障害時の動作を確認します。
   - アレイ内にスペア ディスク（「ホット スペア」とも呼ばれる）がある場合は、［Copy contents of physical disk before failing］チェックボックスをオンのままにします。RAIDの劣化を避けるため、予測される障害ディスクのデータがホット スペアにコピーされます。これを下の図4に示します。
   - ホット スペアがない場合は、［Copy contents of physical disk before failing］のチェックボックスをオフにします。
    

   アレイに使用できるホット スペアがない場合はコンテンツのコピーを試みないでください。コピーを試みると、データ ロスや破損が発生する可能性があります。

    

   
   図4：故障した物理ディスクのダイアログの確認
   
   
    
8. ハード ドライブのステータスが「Failed」に変わり、横に赤い十字が表示されます。
    
9. これでハード ドライブを物理的に安全に交換できます。