Dell Nutanix: 第13世代Nutanixにおけるブートデバイス交換時のESXi / ContorollerVM(CVM)修復手順
概要: 本ドキュメントでは、第13世代Nutanix製品のブートデバイスを交換した際、ESXi、ControllerVM(以下CVM)を再導入する手順について説明します。 第13世代のXC製品(XC730 / 630 / 6320 / 430)には、ブートデバイスとしてSATADOMが搭載されています。
手順
メモ:SATA-DOM(Serial ATA Disk On Module)はESXiがインストールされる専用のストレージ装置です。
事前準備
注意:
内蔵されているSD / MicroSDカードを抜いておきます。すべての作業が完了したら再度挿入します。
物理作業が困難な場合、システムBIOSでInternal SDを無効にしてください。
SD / MicroSDカードが挿入された状態で作業するとリカバリに失敗する場合があります。
以下3種類のファイルをダウンロードします。それぞれの入手方法は以下をご確認ください。
- Nutanix CVMインストールISO(Phoenix ISO)
- ESXiインストールISO
- ESXi用OpenManage Server Administrator
Nutanix CVMインストールISO(Phoenix ISO)
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現在のAOSバージョンを確認するため、WebブラウザよりNutanix Clusterにログオンします。
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右上のユーザーマークのメニューよりAbout Nutanixをクリックします。

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現在のAOSバージョンが表示されます。

確認したAOSバージョンと、Phoenix ISOを入手する必要があることをテクニカルサポートにご連絡ください。
担当者よりダウンロードリンクをお伝えします。
ESXiインストールISO
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サポートサイト にアクセスし、画面中央付近のすべての製品の参照をクリックします。
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サーバ -> Rack Servers -> PowerEdge R630の順に選択します。
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ドライバおよびダウンロードをクリックし、オペレーティングシステムのプルダウンメニューより現在利用中のESXiバージョンを選択します。
ここではVMware ESXi 6.5を選択し進めています。 -
カテゴリのプルダウンメニューよりエンタープライズソリューションを選択し、対象ESXiのダウンロードをクリックして任意の領域にダウンロードします。
ESXi用OpenManage Server Administrator
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サポートサイト にアクセスし、画面中央付近のすべての製品の参照をクリックします。
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サーバ -> Rack Servers -> PowerEdge R630の順に選択します。
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ドライバおよびダウンロードをクリックし、オペレーティングシステムのプルダウンメニューより現在利用中のESXiバージョンを選択します。
ここではVMware ESXi 6.5を選択し進めています。 -
カテゴリのプルダウンメニューよりシステム管理を選択し、Dell OpenManage Server Administrator vSphere Installation Bundle(VIB)を任意の領域にダウンロードします。
再導入手順
手順1:SATA-DOM領域にESXiをインストールする
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iDRAC 8のWebコンソールにアクセスし、ユーザー名、パスワードを入力して送信をクリックします。
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左側ペインより仮想コンソールをクリックし、右画面の仮想コンソールの起動をクリックします。

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"事前準備"でダウンロードしたESXiのインストールISOをマウントします。
Javaコンソールの場合
- 仮想コンソールが起動したら、メニューバーより仮想メディア -> 仮想メディア接続の順にクリックします。
- マップCD/DVD -> 参照の順にクリックし、ESXiのインストールISOを選択します。
HTML5コンソールの場合
- 仮想コンソールが起動したらメニューバーより仮想メディアの接続をクリックし、CD/DVDをマップ欄のファイルを選択をクリックします。
- ESXiのインストールISOを選択し、デバイスのマップ -> 閉じるの順にクリックします。
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仮想CD/DVDメディアをブートデバイスとして指定します。
Javaコンソールの場合:メニューバーより次の起動 -> 仮想CD/DVD/ISOの順に選択します。

HTML5コンソールの場合、仮想コンソールでは次の起動デバイスを指定することができません。
iDRAC Webコンソールの左側ペインよりセットアップを選択し、最初の起動デバイス欄にて以下のように設定し適用をクリックします。- 最初の起動デバイス:仮想CD/DVD/ISO
- 一度限りの起動:チェックを入れる

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システムの電源を入れます。
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ESXiのインストーラが起動したらEnterキーを押します。

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End User License Agreement(EULA)画面が表示されたら内容を確認し、問題がなければF11キーを押して同意します。
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ESXiをインストールする領域を選択します。
第13世代のXC製品(XC730 / 630 / 6320 / 430)はSATADOMで始まる領域を選択します。注意:誤った領域にインストールするとデータが消失します。

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キーボードのレイアウトを入力します。
ここでは英語配列(US Default)を選択し進めています。 -
rootユーザーのパスワードはnutanix/4uと入力します(パスワードは後で変更できます)。

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F11キーを押してESXiのインストールを開始します。
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Installation Complete画面が表示されインストール完了します。
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仮想メディアを切断します。
Javaコンソールの場合
- メニューバーより仮想メディア -> 仮想メディアの切断の順にクリックします。

- ポップアップウィンドウが表示されたら、はいをクリックしてセッションを閉じます。

HTML5コンソールの場合
- メニューバーより仮想メディア -> 仮想メディアを切断の順にクリックします。

- 確認画面が表示されたら、はいをクリックしてセッションを閉じます。

- メニューバーより仮想メディア -> 仮想メディアの切断の順にクリックします。
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Enterキーを押して再起動します。

手順2:ESXiホストにOpenManage Server Administratorをインストールする(任意)
OpenManage Server Administratorのインストールは任意ですが、管理上インストールすることをお勧めします。
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手順1でインストールしたESXiを起動します。
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F2キーを押してCustomizeメニューを起動します。

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パスワード入力画面でnutanix/4uと入力します。
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Troubleshooting Optionsを選択します。

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ESXi ShellとSSHを有効にします。
右画面で項目がEnabledになっていることをそれぞれ確認します。

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Restart Management Agentsを選択しManagementエージェントを再起動します。
この操作により、ESXi ShellとSSHサービスが有効になります。 -
OpenManage Server Administrator for ESXiを導入します。
導入手順はVMware社のナレッジ
をご参照ください(外部サイトへ移動します)。メモ:OpenManage Server Administratorはvib形式で提供されています。
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インストール完了後、手順3に進みます。
メモ:ここではESXiは再起動しません。
手順3:ESXiホストにCVMをインストールする
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iDRACの仮想コンソールを起動します。
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"事前準備"でダウンロードしたPhoenix ISOをマウントし、手順1の4を参照してブートデバイスとして指定します。
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ESXiの初期画面でF12キーを押しESXiを再起動します。

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Phoenixのインストーラが起動したら、旧Phoenixの場合はConfigure Hypervisorのみにチェックを入れてStartを選択します。
新Phoenixの場合はConfigure Installed Hypervisorを選択します。注意:旧Phoenixの場合、Clean CVMにチェックを入れるとデータが消失します。

旧Phoenix

新Phoenix
- CVMインストール完了後、"Please enter 'Y' to reboot now (Y/N)"と表示されたら、手順1の13を参照し仮想メディアを切断します。
- 仮想メディアの接続を解除し、Yキーを押してシステムを再起動します。
- ESXiが起動し、しばらくすると自動的に数回再起動します。
"INSTALLING-PLEASE-BE-PATIENT"と表示されている間はインストール中です。
ホスト名が以前の表記に戻ったら、CVMの復旧は完了です。

手順4:Nutanix Clusterのステータスを確認する
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ESXiのIPアドレスを、SATA-DOM交換前に設定していたオリジナルのIPアドレスに戻します。
メモ:DHCP環境で運用している場合、この手順は不要です。
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ESXiのパスワードをデフォルトの"nutanix/4u"から変更している場合、SATA-DOM交換前に設定していたパスワードに戻します。
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ESXiの設定がすべてデフォルト状態になっているため、必要に応じてClusterの設定や仮想スイッチなどの設定を元に戻します。
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CVMの仮想メモリのサイズがデフォルトの16GBに戻っているため、他のCVMのメモリサイズを確認し、他のCVMと同じメモリサイズに変更します。
CVMを一度シャットダウンして変更する必要があります。nutanix@NTNX-CVM:~$を利用してCVMにSSH接続します。nutanix@NTNX-CVM:~$ cvm_shutdown -P nowを利用してCVMをシャットダウンします。- vCenter Serverより対象のCVMを編集し、メモリのサイズを変更します。
- vCenter Serverより対象のCVMを起動します。
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nutanix@NTNX-CVM:~$を利用してCVMにSSH接続します。 -
nutanix@NTNX-CVM:~$ cluster restart_genesisを利用してGenesisサービスを再起動します。 -
nutanix@NTNX-CVM:~$ cluster statusを利用してNutanix Clusterのステータスを確認します。
すべてのサービスがUPになっていることを確認します。
一部サービスがDownの場合、数分待ってUPステータスに変わることを確認します。メモ:サービスがすべて起動するまでしばらく時間がかかります。

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WebブラウザよりNutanix Clusterにログオンし、ホーム画面よりStorageを選択します。

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Table -> Storage Poolの順に選択します。
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コンテナのマウント状況を確認するため、任意のコンテナを選択し右画面のUpdateをクリックします。
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コンテナのマウント状況を確認します。
- 復旧したCVMのチェックが外れている場合はMount on all ESXi hostsを選択します。

- Node別にコントロールしている場合、Mount/Unmount on the following ESXi hostsを選択し、復旧したCVMにチェックを入れます。

- 復旧したCVMのチェックが外れている場合はMount on all ESXi hostsを選択します。
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画面右下のSaveをクリックし設定を保存します。
NutanixManagementShare以外のすべてのコンテナで同じ作業を繰り返します。 -
ホーム画面よりAlertsをクリックし、解決済みのCriticalのイベントにチェックを入れて上部のResolveをクリックしてEventを削除します。

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ホーム画面に戻り、Data Resiliency Status欄にOKと表示されていることを確認します。

以上で作業は完了です。
関連リンク
Dell Nutanixに関するよくあるお問い合わせ(FAQ)