Dell EqualLogic: Multipath Extension Module(MEM) 1.2インストール手順
概要: 本ドキュメントでは、Multipath Extension Module 1.2をESXiへインストールする手順について説明します。 ここではvSphere CLIを利用したMEMのインストール方法について紹介します。
手順
Multipath Extension Module(以下MEM)はWindowsやLinux環境でのHITと同様に、ESXi上でマルチパッシング(パスの管理)を担うモジュールです。
MEM詳細については以下をご参照ください。
目次
- 前提条件および注意点
- MEMインストールの特徴
- インストールの準備
- iSCSI用ネットワーク環境の構成
- MEMインストール手順
前提条件および注意点
ここでは以下の環境を使用し手順を進めています。
- サーバー環境:
ESXi/vCenterServer:5.5 - クライアント環境:
vSphere Client
vSphere CLI
MEMインストールの特徴
MEMのインストールはvSphere CLIがインストールされたクライアント端末に、サポートサイトから入手したMEMのパッケージをあらかじめ任意のフォルダに展開し、リモートのESXサーバーに接続する形で行われます。
クライアントから実行するMEMのセットアッププログラムについてはPerlスクリプトで記載されており、vSphere CLIに含まれているActivePerlを使用してインストールされます。
また、MEMのセットアッププログラムではMEMモジュールのESXiへのインストールだけでなく、vSphere上で必要なvSwitchなどのネットワークも構成することができます。
インストールの準備
インストール時には、クライアントからIPアドレス(ホスト名)指定でリモートのESXiへ接続するため、あらかじめvCenter内のデータセンターやクラスタ配下にあるESXiのIPアドレス(ホスト名)を控えておくことが推奨されます。
クラスタが複数台のESXiで構成されている環境の場合は、それぞれのESXi上にMEMをインストールします。
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vSphere ClientよりESXi -> "構成"タブ -> ネットワークアダプタの順に開き、2つ以上の利用可能な(vSwitchにアサインされていない)物理NICを確認します。
ここではvmnic1、2、3が利用可能な状態です。

また、ESXiがvCenterに追加された直後は、"構成"タブ -> ネットワークの順に開くとESXのインストール時にデフォルトで作成されるvSwitch0のみの状態となっています。

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ESXiを右クリックしメンテナンスモードへの切り替えをクリックしインストール対象のESXiをメンテナンスモードへ移行します。

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EqualLogicのサポートサイトよりセットアップ用のスクリプトをダウンロードします。
ダウンロードしたMEMのパッケージはzipでアーカイブされているため、あらかじめ解凍しておきます。
ここでは"C:\MEM"に解凍し進めています。

iSCSI用ネットワーク環境の構成
展開したディレクトリに保存される"setup.pl"はインストールおよび構成用スクリプトです。
vMAまたはvSphere CLIを使用してscriptを実行します。
このscriptを使用するだけで仮想スイッチの作成、VMkernelポートの作成、Port binding、iSCSIイニシエータの有効化、動的検出の設定を構成することができます。
*このスクリプトで行われる設定は手動で行うこともできます。
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コマンドプロンプトを開いてスクリプトを解凍したディレクトリに移動し、スクリプトファイル"setup.pl"があることを確認します。

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以下のコマンドを実行しiSCSI用のvSwitchを作成します。
setup.pl --configure --server="ESXiのManagementネットワークのIP"
スクリプトが開始されると、ESXiのログインユーザーとパスワードの入力が求められます。
*ここでスクリプトが正常に動作しない場合は以下をご確認ください。- vSphere CLIのバージョンが正しいか
- ESXiのManagementネットワークのIPへPing疎通可能か

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ここからは以下の設定値を例に進めています。
ESXi Managementネットワーク用IP 172.168.80.25 仮想スイッチのタイプ vSwitch 仮想スイッチの名前 vSwitchISCSI iSCSIで使用する物理NIC vmnic1、vmnic2 vmnic1用IP
vmnic2用IP
Netmask192.168.10.11
192.168.10.12
255.255.0.0MTU 1500 VMKernel Portの頭文字 iSCSI iSCSI Software initiatorの有効化 yes PS Group IP 192.168.10.100 Chapユーザーネーム - - iSCSIで使用する仮想スイッチタイプの選択:標準仮想スイッチ(vSwitch)/分散仮想スイッチ(vD)

- iSCSIで使用する仮想スイッチの名前の設定

- iSCSIで使用する物理NICの設定

- VMNICのMTUの設定

- VMKernel Portgroupの頭文字の設定

- ESXiのSoftware iSCSIイニシエータを有効化

- 接続するEqualLogicのGroupIPとCHAPで接続する場合のユーザー名の設定

- EqualLogicの推奨設定(ベストプラクティス)でiSCSIアダプタを設定

- サマリと確認
*ここまでの設定を以下のようにコマンド上で指定し、非対話型で実行することもできます。
C:\MEM\setup.pl --configure --server=172.168.80.25 --vswitch=vSwitchISCSI --mtu=1500 --nics=vmnic1,vmnic2 --ips=192.168.10.11,192.168.10.12 --netmask=255.255.0.0 --vmkernel=iSCSI --nohwiscsi --enableswiscsi --groupip=192.168.10.100 --bestpractices - 設定の実行を確認
"Network configuration finished successfully."と表示されれば設定は完了です。
ここまでで標準仮想スイッチとSW iSCSI adapterの設定が完了します。

中略

- iSCSIで使用する仮想スイッチタイプの選択:標準仮想スイッチ(vSwitch)/分散仮想スイッチ(vD)
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"構成"タブ -> ネットワークの順に選択し、iSCSI用の仮想スイッチが追加されたことを確認します。

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"構成"タブ -> ストレージアダプタ -> iDCDIイニシエータのプロパティの順に選択し、iSCSI Software adapterが追加され、Port Bindingの構成や動的検出へのターゲットポータルの追加が行われたことを確認します。

MEMインストール手順
ここではマルチパスモジュールのインストールを行います。
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setup.plのディレクトリに移動し以下のコマンドを実行します。
*ネットワーク構成時と同様にESXiのユーザー名、パスワードが求められます。
setup.pl --install --server="ESXiのManagementNWのIP"

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以下のコマンドを実行しインストール結果を確認します。
*MEMバージョン、追加されたパスポリシー、マルチパスで使用される物理NICが表示されます。
setup.pl --query --server="ESXiのManagementNWのIP"

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vSphere ClientよりvCenter Serverへ接続し、MEMをインストールしたESXiを右クリックしてメンテナンスモードの終了をクリックします。

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"構成"タブ -> ストレージアダプタの順に選択し、右上のすべて再スキャンをクリックします。
イニシエータの設定が正しい場合、PS Groupで作成したVolumeが検出されます。

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検出されたデバイスを右クリックしてパスの管理を選択し、パスポリシーに"DELL_PSP_EQL_ROUTED"が設定されていることを確認します。
