Dell Nutanix: 第14世代Nutanixにおけるブートデバイス交換時のAHV / ContorollerVM(CVM)修復手順
概要: 本ドキュメントでは、第14世代Nutanix製品のブートデバイスを交換した際、AHV、ControllerVM(以下CVM)を再導入する手順について説明します。 第14世代のXC製品(XC940 / 740 / 640 / 6420)には、ブートデバイスとしてBOSSが搭載されています。
手順
BOSS(Boot Optimized Storage Solution)は、AHVがインストールされる専用のストレージ装置です。
AHVはNutanix社が提供するKVMベースのハイパーバイザーです。
事前準備
注意:内蔵されているSD / MicroSDカードを事前に抜いておきます。すべての作業が完了したら再度挿入します。
物理作業が困難な場合、システムBIOSでInternal SDを無効にしてください。
SD / MicroSDカードが挿入された状態で作業するとリカバリに失敗する場合があります。
事前に現在の各バージョンを確認します。
任意のCVMにログインし、以下のコマンドよりTeratermなどのログ保存機能を使用して結果をテキストに保存します。
- AOSバージョンの確認:
$ allssh ncli -v - AHVバージョンの確認:
$ ncli ms ls - Foundationバージョンの確認:
$ allssh cat /home/nutanix/foundation/foundation_version - PTAgentバージョンの確認:
$ hostssh "rpm -qa | grep -i ptagent" - iSM(iDRAC Service Module)バージョンの確認:
$ hostssh "rpm -qa | grep -i ism"
確認した各種バージョンとPhoenix ISOを入手する必要があることをテクニカルサポートにご連絡ください。
担当よりPhoenix ISOとAHYインストール用ISOのダウンロードリンクをお伝えします。
再導入手順
手順1:BOSSにAHVをインストールする
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iDRACのWebコンソールにアクセスし、ユーザー名、パスワードを入力して送信をクリックします。
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画面上部の設定タブを開き、仮想コンソール画面右にある仮想コンソールの起動をクリックします。

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事前準備でダウンロードしたAHVのインストール用ISOをマウントします。
Javaコンソールの場合
- 仮想コンソールが起動したら、メニューバーより仮想メディア→仮想メディア接続の順にクリックします。
- マップCD/DVD→参照の順にクリックし、AHVのインストール用ISOを選択しデバイスのマップをクリックします。

HTML5コンソールの場合
- 仮想コンソールが起動したらメニューバーより仮想メディアの接続をクリックし、CD/DVDをマップ欄のファイルを選択をクリックします。
- AHVのインストールISOを選択し、デバイスのマップを選択して閉じるをクリックします。

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仮想CD/DVDメディアをブートデバイスとして指定します。
Javaコンソールの場合:メニューバーより次の起動→仮想CD/DVD/ISOの順に選択します。

HTML5コンソールの場合:メニューバーより開始→仮想CD/DVD/ISOの順に選択します。

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システムの電源を入れます。
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AHVのインストーラが起動します。
Auto Installがデフォルトで選択されているため、3秒経過すると自動でインストールが開始されます。

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AHVのインストール完了後、システムは自動でシャットダウンされます。

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Javaコンソールの場合
- メニューバーより仮想メディア→仮想メディアの切断の順にクリックします。

- メニューバーより仮想メディア→仮想メディアの切断の順にクリックします。
- ポップアップウィンドウが表示されたら、はいをクリックしてセッションを閉じます。

HTML5コンソールの場合
- メニューバーより仮想メディア→仮想メディアを切断の順にクリックします。

- 確認画面が表示されたら、はいをクリックしてセッションを閉じます。

手順2:AHVホストのCVMを復旧する
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iDRACの仮想コンソールを起動します。
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事前準備でダウンロードしたPhoenix ISOをマウントし、手順1の4を参照してブートデバイスとして指定します。
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システムの電源を入れます。
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Phoenixのインストーラが起動したら、旧Phoenixの場合はConfigure Hypervisorのみにチェックを入れてStartを選択します。
新Phoenixの場合はConfigure Installed Hypervisorを選択します。旧Phoenixの場合、Clean SVMにチェックを入れるとデータが消失します。
旧Phoenix
新Phoenix -
CVMのインストール完了後、「Please enter 'Y' to reboot now (Y/N)」と表示されたら、手順1の8を参照し仮想メディアを切断します。
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仮想メディアの接続が解除されたら、Yキーを押してシステムを再起動します。
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AHVが起動し、しばらくすると自動的に再起動します。
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1度目の再起動完了後、そのまま20分以上待機します。
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AHVのコンソール上で、
root@ahv# ifconfig br0を利用してbr0インターフェースが存在することを確認します。
出力例:br0 Link encap:Ethernet HWaddr 24:6E:96:AB:CD:EF
inet addr:10.10.100.15 Bcast:10.10.255.255 Mask:255.255.0.0
inet6 addr: fe80::266e:96ff:fedb:f8a0/64 Scope:Link
UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1
RX packets:103092 errors:0 dropped:1670 overruns:0 frame:0
TX packets:967 errors:0 dropped:0 overruns:0 carrier:0
collisions:0 txqueuelen:1
RX bytes:9105177 (8.6 MiB) TX bytes:261459 (255.3 KiB)
手順3:AHVのネットワーク設定を復元する
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AHVのネットワークインターフェイス(ethX)が変更されていないか確認します。
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iDRAC仮想コンソールよりAHVにログインし、ethXのIPv4 MACアドレスを確認します。
AHVにはユーザー名root、パスワードnutanix/4uでログインできます。 -
ifconfig | lessコマンドを利用してethXのIPv4 MACアドレスを確認します。
キーボードの上下キーで画面をスクロールできます。 -
iDRAC Webインターフェイスよりシステムタブを開き、ネットワークデバイスを選択します。
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10GbpsでリンクアップしているNICのMACアドレスのうち、手順a.で確認したMACアドレスと一致するネットワークインターフェイス(ethX)を確認します。

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AHVの外部ネットワークインターフェース(br0)のIP設定をオリジナルの値に変更します。
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/root/nutanix-network-crashcart/network_configurationコマンドを入力します。root@ahv# /root/nutanix-network-crashcart/network_configuration
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AHVのネットワーク設定画面が表示されたら、以下の通りオリジナルのネットワーク設定を入力し、画面下部のDoneにカーソルを移動してEnterキーを押します。
- Choose Ethernet Devices:手順1.で確認したネットワークインターフェイスにチェック
- Vlan tag:br0のVLAN Tagを入力(任意)
- VSwitch MTU:br0のMTUを入力(Default値は1500)
- Netmask:ネットマスクを入力
- Gateway:ゲートウェイを入力
- Controller VM IP:元のCVMのIPアドレスを入力
- Hypervisor IP:元のHypervisorのIPアドレスを入力
参考サイト(Nutanix Portalアカウントが必要です)
Discovering Nodes in a VLAN-Segmented Network
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=Field-Installation-Guide-v3-7:v37-nodes-discover-in-vlan-segmented-network-t.html
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vi /etc/resolv.confコマンドを利用してName Serverを変更します。
入力値が不明の場合は他AHVの値をご参照ください。
入力例:nameserver 10.10.0.2←Name Server(DNS)の値を入力
search dell.local←DNSサフィックスを入力
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service network restartコマンドを利用してネットワークサービスを再起動します。root@ahv# service network restart
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Nutanixクラスタ内の別CVMより、設定したCVM/AHVに対してpingの応答があるか確認します。
ネットワークが正しく設定されていれば応答が正しく返ってきます。 -
AHVのホスト名を変更します。
手順5.でネットワーク設定は復旧しているため、作業対象のAHVにSSHでログインします。-
vi /etc/sysconfig/networkコマンドより/etc/sysconfig/networkを元のホスト名に変更します。root@ahv# vi /etc/sysconfig/network
NETWORKING=yes
HOSTNAME=<元のホスト名> -
vi /etc/hostnameコマンドより/etc/hostnameを元のホスト名に変更します。root@ahv# vi /etc/hostname
<元のホスト名> -
hostnameコマンドより元のホスト名を入力します。root@ahv# hostname <元のホスト名>
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設定を反映させるためAHV上のCVMでAcropolisサービスを再起動します。
出力例:# ssh nutanix@192.168.5.254
FIPS mode initialized
Nutanix Controller VM
nutanix@192.168.5.254's password: ←CVMのパスワードを入力します
Last login: Fri Jul 20 19:29:00 2018 from 192.168.5.1
nutanix@NTNX-CVM:~$
nutanix@CVM$ genesis stop acropolis; cluster start
参考サイト(Nutanix Portalアカウントが必要です)
Changing the Acropolis Host Name
https://portal.nutanix.com/#/page/docs/details?targetId=AHV-Admin-Guide-v510:ahv-acr-host-name-change-t.html
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環境に応じてCVMのホスト名を変更します(オプション)。
参考サイト(Nutanix Portalアカウントが必要です)
How to Modify the Hostname of the Controller VM
http://portal.nutanix.com/kb/3517
手順4:Nutanix Clusterのステータスを確認する
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任意のCVMにSSHでログインします。
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すべてのノードのGenesisサービス、Acropolisサービスを、以下のコマンドを順に実行して再起動します。
- nutanix@CVM$
allssh genesis stop acropolis - nutanix@CVM$
cluster start - nutanix@NTNX-CVM:~$
cluster restart_genesis
- nutanix@CVM$
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nutanix@NTNX-CVM:~$ cluster statusを利用してNutanix Clusterのステータスを確認します。
すべてのメンバーのサービスがUPとなっていることを確認します。
一部サービスがDownの場合、数分待ってUPに変わることを確認します。
サービスがすべて起動するまでしばらく時間がかかります。

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WebブラウザよりNutanix Clusterにログオンし、ホーム画面よりAlertsをクリックします。
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解決済みのCriticalのイベントにチェックを入れ、上部のResolveをクリックすることでEventを削除します。

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ホーム画面よりVMを選択し、TableをクリックしてInclude Controller VMsにチェックを入れます。
CVMのメモリ割り当てが他CVMと同一の値に戻っていることを確認します。
値が異なる場合、別途変更方法をご案内いたしますのでテクニカルサポートまでご連絡ください。

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ホーム画面に戻り、Data Resiliency Status欄にOKと表示されていることを確認します。

以上で作業は完了です。
関連リンク
Dell Nutanixに関するよくあるお問い合わせ(FAQ)