安全で効率的なストレージは想像以上にシンプルに実現可能

「Dell PowerStore」の最新版で、エンタープライズ データ インフラストラクチャーの容易な保護と最適化を実現する5つの方法

ブログ原稿 https://www.dell.com/en-us/blog/powerstore-secure-efficient-storage/
筆者:Ben Jastrab | 2023年5月10日

もしも、IT部門に「イージー ボタン」が必要な時があるとしたら、それは今です。急速な技術の変化は、データから高い価値を得るという前例のない機会をもたらしましたが、同時に、競合環境の新たなプレッシャーも生み出し、企業はこれまで以上の速さで行動することを余儀なくされています。一方で、不安定な世界市場、エネルギー コストの上昇、人員配置のプレッシャーなどが重なった「パーフェクトストーム」(複数の災厄が同時に発生して壊滅的な状況になること)によって、企業は、支出に対してますます慎重になっています。企業は、毎日より多くのイノベーションを生み出さなければなりませんが、そのための追加のリソースを利用できるとは限りません。

さらに状況を悪化させているのが、かつてないほど高まっているサイバーセキュリティーの脅威です。我々の調査によると、企業の約50%が過去1年間にサイバー攻撃に遭ったと報告しています(*1)。企業が成功するためには、データが安全でなければなりませんが、そのための「治療(復旧)方法」が複雑さ、労力、コストによってイノベーションを遅らせることを避けなければなりません。

「堅牢なデータ セキュリティー、リソースの効率性、ビジネスのスピードを同時に達成することはできるのか?」という難問がありますが、適切なテクノロジーさえあれば、答えは「イエス」です。

PowerStore - 今のような時代のために作られたソリューション
2020年以来、「Dell PowerStore」は、数千に及ぶお客様に対して、不確実な時代に俊敏性と効率性を高められるよう、サポートしてきました。「PowerStore」のインテリジェントで適応性に優れたストレージ アーキテクチャーは、イノベーションに対する技術面の障壁をなくすために設計・構築されたものです。お客様の手間を最小化し、パフォーマンスを最適化するだけでなく、何よりも、予期せぬさまざまな課題を解消するために進化し、既存のリソースを最大限に活用しながら、お客様の新たな目標達成を支援します。

このプラットフォームがITの運用環境に与える効果は、よく知られています。最近IDC社が実施した調査によると(*2)、「PowerStore」のインテリジェントな自動化機能によって、新しいストレージ リソースの展開が最大61%高速化するとともに、ビジネスの生産性が向上し、実に3年間のROIが、平均468%に上ることが明らかになっています(*2)。「PowerStore」のコスト自体は、1年足らずで元が取れています。

「PowerStore」の優れた効率性は、さらなる省電力と省スペースを促進します。今回の「PowerStore」の最新リリースは、これまでより最大60%優れたエネルギー効率(*3)と最大61%高いデータ集約度を実現しました(*4)。競合ベンダーの同等のオールフラッシュ アレイ ファミリーと比較しても優れたデータ集約度を提供します(*5)。 例えば、Energy Star認定の「PowerStore 500」モデルの場合、毎日飲んでいるカフェラテとほぼ同じ電気代で稼働し(*6)、Pure Storage FlashArray X//10の最大13.5倍の容量効率性(容量/電気消費量)を提供します(*7)。

2023年の新しい目標
そして、これからもデル・テクノロジーズのストレージはさらなる進化を続けていきます。今年、デル・テクノロジーズの大規模なストレージ ポートフォリオ全体にわたって、数々の製品リリースの発表を予定しています。我々は2023年の組織の成功に不可欠であると判断した2つの主要分野に、新たな開発を行う製品となります。

サイバー レジリエンス:あらゆる場所でデータのセキュリティーを確保、保護
画期的な効率性:運用コストとエネルギー コストの両方を削減

「PowerStore」は、この取り組みの最初を飾るにふさわしいプラットフォームです。デル・テクノロジーズのソフトウェア主導型イノベーションの「PowerStore」は、以下5つの新しい方法によって、これら2つの要件を満たします。

「PowerStoreのセキュアなスナップショットとPowerProtect DDの統合によって、ランサムウェアに対する優れた保護を簡単に実現できます。高いセキュリティーを確保するために、煩雑な手間をかける必要はありません」 - Ulrich Betzler氏、KIT社ストレージ アーキテクト

1. サイバーセキュリティーのベストプラクティスの自動化
「PowerStore」は、発売当初より、強力な「セキュリティーDNA」を有しており、ハードウェアの信頼の基点(Root of Trust)や保存データの暗号化、AIOpsセキュリティー アナリティクスをはじめとする数々の先進機能によって、データの安全性を確保します。このプラットフォームのすべてに言えることですが、注力するのはシンプルさと自動化であり、管理の複雑さを増したり、目視による警戒に頼ることなく、「常時接続」の保護を実現します。2023年、最新版の「PowerStoreOS 3.5」は、さらに多くのサイバーセキュリティー機能を提供し、米連邦政府および国防総省の厳格な要件を満たしながら、ビジネス ソリューションにおける真のゼロトラスト セキュリティーを実現します。

STIGの強化:米連邦政府への販売に必須の「STIG(Security Technical Implementation Guide)モード」は、パスワードの複雑さ、タイムアウトのポリシー、その他のプラクティスについて国防総省固有のルールを適用することができます(*8)。
多要素認証(Multi-factor authentication:MFA):高い安全性を持ちながら、シンプルでユーザーにも馴染みのあるMFAは、「PowerStore」をハッカーから守るだけでなく、管理者によるセキュリティー性の低いパスワードの使用に伴うリスクを軽減します。
高い安全性と変更不可能なスナップショット(セキュアスナップ):たとえ最高権限を持つ管理者であっても、有効期限前におけるスナップショットの改変や削除を行うことができません。スケジュールおよび自動化は、「PowerStore」の保護ポリシーによって簡単に実行できます。

2. マルチクラウド データ保護の簡素化
「PowerStore」の新たな「PowerProtect DDとのネイティブ統合」により、ユーザーは、業界をリードするデータ保護ソリューションであるデル・テクノロジーズの「PowerProtect DD」シリーズ アプライアンスのクラウドベース版またはオンプレミス版の両方で、直接「PowerStore」スナップショットを作成し、データが漏洩した場合でも復元力を高めることができます。(*9)
• セットアップに要する時間は、わずか90秒(*11)
• 効率に優れた増分バックアップ(変更のみ) - 最大150TB/日(*11)
• 暗号化データ伝送
• 簡単で、きめ細かいデータ リカバリー

これらの機能は、ストレージ管理者に多くのメリットをもたらします。ひとつ例にあげれば、「PowerProtect」のデータ削減機能を活用し、コスト効率の高いクラウド アーカイブ ソリューションをコスト効率よく構築することができます。

3. ファイル レジリエンス(復元力)の向上
最新の「PowerStoreOS 3.5」では、「PowerStoreOS 3.0」から強化したファイル関連機能をさらに拡張しています。

アプライアンスあたり最大4倍のスナップショット数(*12)セルフサービス データ リカバリーの保護ポイントが増加。
フェールセーフ ネットワーク(FSN)のサポート: ポート、ケーブル、スイッチの障害に対する自動化した保護レイヤーを追加。
ファイルに対する権限設定の効率化:「PowerStore Manager」またはREST APIからSMBの共有アクセスを直接管理し、 セキュリティーの脅威に対して迅速に対応することが可能に。
最大4倍のファイル システム、5倍のNASサーバー、2.5倍のSMB共有(*12) 管理の細かさと柔軟性が向上。

4. DevOpsイノベーションの加速
Kubernetesユーザーは、以下のような機能強化によって、アプリケーション開発のワークフローをさらに効率化できます。

Terraform provider:広く使われているTerraformツールセットを使用して、再利用可能なセルフサービス自動化を作成し、ローレベル コーディング不要で「PowerStore」のプロビジョニングを行えます。
Ansibleモジュールのアップデート:新たにvVols、vCenter、VMFSのサポートを開始し、VMwareユーザーに、これまで以上のDevOpsの柔軟性を提供します。
Container Storage Module(CSM) for App Mobility:管理者は、Kubernetesクラスター間で、ステートフル アプリケーションとメタデータのクローニングと移行を単一のコマンドで実行できます。

5. Dynamic AppsON

「Dynamic AppsONは、HCIとPowerStoreのエンタープライズ クラス ストレージにわたり、一元化した管理自動化環境を提供します。これは、他のベンダーからは得られないような統合的価値をもたらしてくれます」
– Jonas Emilsson氏、Atea社リード アーキテクト

Dynamic AppsON」は、業界をリードするハイパーコンバージド ソリューションの「Dell VxRail」と「PowerStore」を組み合わせたことで、「より緊密に統合した」ソリューションを提供します。(*13)「Dynamic AppsON」は、「VxRail」と「PowerStore」の両プラットフォームの柔軟性と効率性を高めるとともに、コンピュート集中型のワークロードとデータ集中型のワークロードの両方の管理を簡素化します。

• コンピュートとストレージを個別に拡張可能
• エンド ツー エンドのVMwareコントロールが運用面のサイロを解消
ソリューション レベルのライフサイクル管理が、常にすべてのコンポーネントを最適化

「PowerStore」最新版による数々のメリットの組み合わせによって、お客様は、データのセキュリティーをさらに強化しながら、同時に、人、エネルギー、資本といったリソースについて、予測できない環境の中で最適化することができます。私たちは、デル・テクノロジーズを象徴する、テクノロジーに関する難問を解決することで、お客様が現在直面している課題を改善し、急速に進化する世界で新たなビジネス チャンスを開拓できるようにします。

*1. 出典:『Dell Technologies 2022 Global Data Protection Index Snapshot』(2022年3月)
*2. デル・テクノロジーズおよびIntel社の委託によるIDC社ホワイトペーパー『The Business Value of PowerStore』(IDC #US50037323、2023年3月)
*3. デル・テクノロジーズ社内分析に基づく - 「PowerStore 1200」ベースのアプライアンス構成(「PowerStoreOS 3.0」)と「PowerStore 1000」ベースのアプライアンス構成(「PowerStoreOS 2.0」)のワットあたり最大IOPSを比較。 実際の結果は変動する場合があります。
*4. デル・テクノロジーズ社内分析に基づく - PowerStoreOS 3.0およびPowerStoreOS 2.0を比較した最大PowerStoreクラスターの最大有効容量。平均データ削減率は4:1を想定。実際の結果は、変動する場合があります。
*5. デル・テクノロジーズ社内分析に基づく - PowerStoreおよびFlashArray //Xの最大有効容量を比較。 PowerStoreで平均4:1のデータ削減率、FlashArray //Xで平均5:1のデータ削減率を想定。実際の結果は、変動する場合があります。
*6. デル・テクノロジーズ社内分析に基づく - 「Dell PowerStore 500」ベース アプライアンスの消費電力(1040W)および平均電気料金$.168/KWHに基づく推定値(出典: 米国労働統計局による米国都市平均の1KWHあたり電気料金、2023年2月現在のデータ)。 この値は、試算のみを目的としています。 実際の費用は、実際の製品構成、利用状況、運用条件、電力管理設定、その他の要因によって変動します。
*7. 公開されている仕様によるデル・テクノロジーズ社内分析に基づく(2023年3月)。「Dell PowerStore 500」ベース アプライアンスのみの最大有効容量およびピーク消費電力と(それぞれ1213 TBe、1040W)、Pure Storage FlashArray //X10(73 TBe、845 W)を比較。 実際の結果は、実際の製品構成、利用状況、運用条件、電力管理設定、その他の要因によって変動します。
*8. 米連邦政府のセキュリティー要件を満たせるように、「PowerStore」は「PowerStoreOS 3.5」によって強化されています。 米国防総省DoDIN APL(認定製品リスト)認定を申請中。
*9. データ保護アプライアンスおよびソフトウェア市場でNo.1 - 『IDC Quarterly Purpose-Built Backup Appliance Tracker Final Historical 2022Q4 Release』からの製品ブランド別売上と『IDC Quarterly Storage Software and Cloud Services Tracker Final Historical 2022Q4 Release』からの2022年 ベンダー別ストレージソフトウェア売上に基づく。
*10. 追加で高度な機能を提供する「PowerProtect Data Manager」ソフトウェア(オプション)。
*11. デル・テクノロジーズ社内分析に基づく(2023年3月)
*12. 「PowerStoreOS 3.0」および「PowerStoreOS 3.5」の「PowerStore 3200」「5X00」「7000」「9200」のファイル機能の比較に基づく。
*13. 出典: 『IDC Quarterly Converged Tracker, Q4 2022』 からの 2022年のベンダー別ハイパーコンバージド システム製品売上に基づく。