あなたのそばにクラウドを:「Project Alpine」先行プレビュー

この文章は、米国にて公開された文章の抄訳となります。英語原文はこちらです。

あなたのそばにクラウドを: 「Project Alpine」先行プレビュー

『Dell Technologies World 2022』 ― パブリック クラウド環境で動作するデル・テクノロジーズのブロック/ファイル/オブジェクト ストレージ ソフトウェア プレビューを要チェック

筆者: Caitlin Gordon | 2022年5月2日

妥協のないデータのクラウド移行
私がお客様から聞く最大の課題の1つ、それは、データの量が絶え間なく増え続け、オンプレミス データセンター、コロケーション施設、パブリック クラウドなどにますます分散されていく中で、これらのデータの管理や移動に非常に苦労しているということです。また、これらの環境間の一貫性が欠けていることで、さまざまな予期せぬコスト、セキュリティー面およびガバナンス面の懸念が発生し、さらに、これらのデータを管理する適切なスキルを持つ人材を十分に確保するという人員面の課題にもつながっています。オンプレミスからマルチクラウドまで、一貫した運用を実現するには、どうすればよいのでしょうか。

この問題に対するデル・テクノロジーズの答えが、「Project Alpine」です。今年はじめに発表した「Project Alpine」は、AWS、Microsoft Azure、Google Cloudといった主要なすべてのハイパースケーラー上で稼働する、デル・テクノロジーズの主力製品であるファイル/ブロック/オブジェクト ストレージ ソフトウェアを提供し、各環境間での一貫した運用を実現します。「Project Alpine」が提供する体験について、ひと足早く紹介できることをうれしく思います。

Dell Technologies World』では、パブリック クラウド環境で運用するデル・テクノロジーズのストレージ ソフトウェアの実装をプレビューしました。これにより、お客様のお気に入りのパブリック クラウド サービスとデル・テクノロジーズのエンタープライズ データサービス(高可用性、スケールアウト、重複排除など)を組み合わせ、マルチクラウドでのユースケースを実現できます。何よりも、「Project Alpine」は、お客様がオンプレミスで利用している「Dell PowerStore」、「Dell PowerScale」、「Dell PowerFlex」、「Dell ObjectScale」とのシームレスな接続と一貫した管理性を提供します。お客様が現在お使いのDellストレージと同じAPIおよび管理ツールが含まれているので、アプリケーションのリファクタリングやチームメンバーの再トレーニングなどは必要ありません。デル・テクノロジーズのソフトウェアは、ネイティブ クラウド サービスとして購入することも、または既存のクラウド クレジットを使ってパブリック クラウド マーケットプレイスで購入することもできます。

いくつかの具体的なユースケースを見てみましょう。

クラウド ネイティブなアプリケーションのテスト/開発
クラウド ネイティブ アプリケーションの迅速な提供のために、テストと開発はAWS上で行い、実際の導入展開はコストが予測可能であることとセキュリティーの観点から、オンプレミスで行いたいといった場合を想定してみます。デル・テクノロジーズのブロック ストレージ ソフトウェアとAmazon EKS Anywhereを「Project Alpine」によって統合することで、アプリケーションを1回構築すれば、合理化された一貫性のある体験を通じて、どこにでも展開できる柔軟な環境を実現できます。

クラウド バースティングによるAIおよび分析サービスの活用
クラウド バースティングは、クラウド上で高度なAIおよび分析サービスのメリットを活用できる手段として、大変人気があります。例えば、ビデオ データをローカルの「PowerScale」に格納している製造工場が、製造工程での異常を検出するためにAzureコンピューター ビジョン サービスを利用して、このビデオ データを分析するとします。

この場合、「Dell File service in Azure」によって、ネイティブ モビリティーサービスを使ってビデオ データのコピーを簡単かつ効率的に送信することができます。ローカルの「PowerScale」に格納しているデータをAzure環境で利用することにより、Azure Cognitive Servicesでコンピューター ビジョン モデルをトレーニングして、組立工程における不良品を自動で特定することが可能になります。トレーニング ジョブが完了したら、この新しいAIモデルを本番環境に応用することで、製造品質と効率を高めることができます。

同様に、需要が高まった時にクラウドベースのアナリティクスを活用したい場合、運用の一貫性を維持しながら、オンプレミスの「ObjectScale」との間でオブジェクト データをシームレスかつ効率的に移動させることで、クラウドへのバースティングを簡単に実行できます。オンプレミスとクラウドの間で、オブジェクト ベース アプリケーションの移植性というメリットを活かし、両方の環境で同じデータにアクセスできる環境を維持しながら、必要に応じてクラウドの容量をアプリケーションに追加して利用できます。

「Project Alpine」は、デル・テクノロジーズが提供する世界最高クラスのストレージ ソフトウェアと高度なパブリック クラウドサービスを組み合わせ、データがどこにあるのかに関係なく一貫性のある体験を提供することで、複雑なマルチクラウドをシンプルにし、両方の世界の最良の部分を提供します。

このように、パブリック クラウドにデータ保護ソフトウェアを提供してきた長年の経験に基づいて、デル・テクノロジーズは、この分野で急速にイノベーションを進めています。 実際、現在デル・テクノロジーズが提供するデータ保護ソリューションは、パブリック クラウドにある1,500社10EB(エクサバイト)以上のデータを保護しています(*1)。そして、この前進のスピードは、一切落ちていません! 『Dell Technologies World 2022』では、ストレージ ソフトウェアのクラウド化を進めるデル・テクノロジーズのさまざまな取り組みをご覧いただけます。ぜひ、すべてのテクニカル プレビューをご覧ください。デル・テクノロジーズが提供するこれらのソリューションの詳細は、こちらのクラウド ストレージのページをご覧ください。
*1. デル・テクノロジーズ社内分析に基づく(2022年2月)