• お客様の事例

    株式会社熊谷組:モバイルワークステーション活用事例

    • スペック構成の柔軟性を評価 設計部門を始めとするさまざまな部署でモバイルワークステーションの高性能のメリットを享受

    • ビジネス課題

      日本を代表する建設サービス業の担い手として、豊かな社会づくりに貢献する熊谷組。従来はオフィスのデスクトップPCで作業を行っていたが、コロナ禍を経て、出張先や在宅でも働ける環境へのニーズが高まっていた。一般的な業務を担当する社員向けにOA用のモバイルPCが採用される一方、負荷の高いBIMソフトなどを活用する設計部門を中心に、高性能なモバイルワークステーションの導入が求められていた。

    • 導入効果

      • デスクトップPCからモバイルワークステーションへのリプレースで、場所を選ばず働けるように
      • BIMソフトを用いた社外での打ち合わせ、プレゼンテーションが可能に
      • 在宅でのテレワーク環境が整備されたことにより、ワークライフバランス向上に寄与
      • 豊富なインターフェースを搭載したモバイルワークステーションにより、有線LAN接続のニーズにも対応可能に
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        「初となるモバイルワークステーションの導入でしたので、詳細なベンチマークテストをしていただきました。テストでは予想とは異なった結果が出る部分もありましたが、Intelや関係者に問い合わせて理由を教えてくださるなどの対応も信頼感につながりました」

        株式会社熊谷組
        経営戦略室DX推進部
        ITソリューショングループ 係長
        眞鍋 準次氏

      • 株式会社熊谷組
        経営戦略室DX推進部
        ITソリューショングループ
        係長
        眞鍋 準次氏

    • 「トンネルの熊谷」「難工事に挑戦する熊谷」と称される独自の技術力で社会の発展に貢献

      1898年に福井の石工職人だった熊谷三太郎が、全国で3番目となる発電所・宿布発電所の水路建設を請け負ったことにはじまる熊谷組。「難所難物があったら私にやらせてください」という同氏の言葉とともに、困難な工事を請け負い、挑戦し続けることで信頼と実績を積み重ねてきた歴史を持つ企業だ。

      創業から125年を経た現在、建築・土木業界内で「トンネルの熊谷」「難工事に挑戦する熊谷」と称されているが、その契機となったのは高度経済成長期の深刻な電力不足を解消するために計画された黒部川第四発電所建設工事だろう。日本土木史上に残る難工事、大町トンネル(現・関電トンネル)建設工事は、映画「黒部の太陽」にも描かれている。

      その後も高い技術力とノウハウを武器に、国内および東南アジア各国の地下鉄建設や東北・九州新幹線のトンネル工事、東京湾アクアライン・明石海峡大橋などの橋梁、台湾の101階建て超高層ビルである「TAIPEI101」など、国内外において幅広い実績を残してきた。

      2016年には、熊谷組グループビジョンとして「高める、つくる、そして、支える。」を策定し、建築請負事業を経営の核としながら、再生可能エネルギー事業、不動産開発事業、インフラ運営事業、技術商品販売事業といった建設周辺事業を含む建設バリューチェーンを包括する事業展開をしている。

    • CPU、GPUの組み合わせのカスタマイズしやすさを評価

      建築・土木業界において計画、調査、設計段階から3Dモデルを導入し、その後の施工、維持管理までを連携させることで、業務の効率化を図るBIM(Building Information Modeling)/CIM(Construction Information Modeling)の活用が進む中、特に設計部門では各アプリケーションをスムーズに稼働させるデバイスを用いることが必須条件だ。

      2019年当時、熊谷組では主にオフィスのデスクトップPCで業務を行っていたが、働き方改革の推進などを背景に、持ち運べるデバイスへのリプレースが検討されていた。経営戦略室DX推進部ITソリューショングループ係長 眞鍋準次氏は、「どこでも働ける環境を整備していくためにモバイルデバイスを探す中で、Autodesk RevitやArchicadなどのBIMソフトを問題なく動かせるスペックという条件を踏まえると、モバイルワークステーションが必須だと考えました。そこで、ワークステーションを取り扱うメーカー数社に相談し、比較検討することになりました」と当時を振り返る。

      最終的には2社に絞られる中で、デル・テクノロジーズのワークステーションDell Precision シリーズを選んだ理由を眞鍋氏は次のように語る。「当社のニーズに合わせて、CPU、GPU、メモリなどを比較的柔軟にカスタマイズできる点を評価しました。比較検討していたメーカーは、検討した機種に関してCPUやGPUの組み合わせが決まっていたため求めるスペックが合わなかったのです。また、選択したスペックのデバイスを事前に試用して検証できたため、安心して導入することができました」

      ワークステーションの検証では、GPUはNVIDIA RTX A2000、NVIDIA RTX A1000の2種類を、メモリは32GB、16GBの2種類を組み合わせた機種が用いられた。検証結果を受けて、2020年にはNVIDIA RTX A1000を搭載したメモリ32GBの「Dell Precision 5540」が80台導入されることとなった。

      「初となるモバイルワークステーションの導入でしたので、詳細なベンチマークテストをしていただきました。テストでは予想とは異なった結果が出る部分もありましたが、Intelに問い合わせて理由を教えてくださり、そうした対応も信頼感につながりました」(眞鍋氏)

      その後、コロナ禍となったことを契機として、2021年にはDell Precision 5560モバイルワークステーションが200台導入されることとなった。「マシンに負荷のかかる設計部門の仕事は、一般的なモバイルPCでは難しく、自宅にデスクトップPCを送るのも現実的ではありません。コロナ禍でモバイルワークステーションを導入できたことで、問題なく業務を進めることができました」と導入の成果を語る。

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        「デル・テクノロジーズのDell Precisionワークステーションは、CPU、GPUの組み合わせで柔軟性が高い点を評価しました。導入までに異なるGPUやメモリを搭載したワークステーションを試用してしっかり検証できたため、安心して導入することができました」

        株式会社熊谷組
        経営戦略室DX推進部
        ITソリューショングループ 係長
        眞鍋 準次氏

    • 有線LANポートを含む豊富なインターフェースを重視

      設計部門において、従来のデスクトップPCからモバイルワークステーションであるDell Precision 5000シリーズへのリプレースが進み、一定の成果が出る中、設計部門のほかにも、BIMソフトを含む高負荷なアプリケーションを利用する他部門への導入も検討されることとなった。

      「Dell Precision 5000シリーズの活用を進める中で出てきた要望を受けて、他部門のデスクトップPCからのリプレースに関しては、再度デルを含む他メーカーからの提案を受けて検討することとしました」(眞鍋氏)

      リプレース検討の際に主な条件となったのが、Dell Precision 5000シリーズと同等の動作環境を確保できること、有線LANポートを含む豊富な外部接続インターフェースを搭載していることであった。

      「社内では無線LAN環境が徐々に普及していますが、安定的な通信環境を確保するために自席では有線LANをPCにつないで作業をしているため、有線LANポートがあることを条件としました。既存のDell Precision 5000シリーズは性能面では好評でしたが、当社のこのようなニーズに合わせて、インターフェースが充実している機種を優先したいと考えました」(眞鍋氏)

      こうして最終的に選択したのがモバイルワークステーションの「Dell Precision 3571」である。有線LANポートとともに、USB Type-C、USB Type-A、HDMIを含め、十分なインターフェースを備えた機種だ。もちろん、Dell Precision 5000シリーズと同様にCPUやGPU、メモリなど構成面での柔軟性も同社のニーズを満たすものであった。

      さらに今回のリプレースに際して、新たに導入する全端末にSIMカードを搭載することで、モバイルワークしやすい環境を整備したことも働きやすさにつながっている。

      「一般的な業務を行う社員向けにはOA用モバイルPCを導入しており、それらと合わせてSIMカードを契約しました。テレワークや出張なども含めて誰が社外で仕事をするか、SIMカードの要否を考えながら導入するのは手間になりますし、また、ボリュームディスカウントもあって一括で導入したほうがメリットを得られると判断したので、モバイルPC/モバイルワークステーション利用者には一律でSIMカードを導入しています。自然災害や感染症など出社できなくなった際のBCP対策としても社内では評価されています」(眞鍋氏)

      既存のOA用PCからのリプレースに際して、同社は新たなOA用モバイルPCとワークステーションから選択できる形としつつDell Precision 3571モバイルワークステーションを300台準備していたが、後者に対して想定以上のニーズがあり、同機種をさらに263台分を追加発注することとなった。急な発注に対しても、グローバルなネットワークを駆使して可能な限り対応できるのがデルの強みでもある。

    • USB Type-C接続の外部モニターも業務効率化に寄与

      デスクトップPCからモバイルワークステーションに変更したことで、各業務において多くの成果が出ていると眞鍋氏は語る。「例えば営業部門の社員の場合は出張も多く、顧客企業でPCを用いた打ち合わせやプレゼンテーションをするケースも多々あります。そうした際、モバイルワークステーションの活用でBIMソフトなどを用いた商談ができるようになった点は大きな変化だと感じています。新幹線での移動時などにも、気軽に作業ができるようになった点も好評です」

      Dell Precisionモバイルワークステーションの導入により、働きやすさという面でも社員からは高い評価を得ている。「会議や打ち合わせの際に、ワークステーションを持ち運べるようになったことは業務効率化につながっています。また、ワークステーションを持ち帰ることで、作業などをテレワークでも行えるようになりました。お子さんが熱を出して出社できないという場合も、自宅で看病しながら業務が進められるため、ワークライフバランスという面でも成果を感じています」(眞鍋氏)

      持ち運びやすさを考えると、モバイルワークステーションの画面サイズと重量は選定の際に重要視されるものだが、熊谷組では外部モニターを導入することにより、持ち運びやすさと作業のしやすさを両立している。

      「やはり設計を行う際には、広い画面を確保するために外部モニターは欠かせないので、Dell Precisionモバイルワークステーションを活用する社員の席には、Dell U2421E USB-Cハブモニターを設置しています。USB Type-C給電できるモデルを採用しており、さらにモニター側に外部接続のインターフェースを複数備えています。デスクトップと変わらない作業環境を整備したことも、スムーズなリプレースにつながりました」(眞鍋氏)

      社内の自席では、外部モニターと使い慣れたキーボードとマウスで作業を行うことができ、ワークステーションからUSB Type-Cケーブルを抜くだけで、簡単に持ち運ぶことが可能だ。オフィスでUSB Type-C給電ができるため、在宅でのテレワーク用として、自宅に充電アダプタを保管しておくといった利用法もあるだろう。

    • BIM/CIM環境の変化に合わせたサポートを

      高性能なデバイスが求められる設計部門や研究開発部門だけでなく、BIMソフトなどを用いる他の部門を含め、多くの従業員がモバイルワークステーションを活用できる同社の体制づくりは、高いパフォーマンスを発揮して円滑に業務を行いたいと考える従業員のニーズを捉えた優れた取り組みといえるだろう。

      累計800台を超えるモバイルワークステーションへのリプレースを経て、眞鍋氏は今後の展望を以下のように語る。

      「今後もBIM/CIM関連で新しい技術が登場するとともに、既存ソフトウェアがバージョンアップされていく中で、よりハイスペックなデバイスが求められるケースや、全社的にワークステーションを統一するというケースも出てくると思います。そうした際にも、デル・テクノロジーズには引き続きご支援いただきたいと思っています」

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    • お客様名 : 株式会社熊谷組

      業種 : 建設業

      場所 : 日本/東京