• プレス リリース

      10月 12日, 2020年

      第6世代のスーパーコンピュータシステム「Ohtaka」を導入 理論演算性能約6.9ペタフロップス、利用公開へ

  • 10月 12日, 2020年 —  


    1.概要

    東京大学物性研究所(所長:森 初果、以下、物性研)は、デル・テクノロジーズ株式会社(代表取締役社長:大塚 俊彦、以下、デル・テクノロジーズ)による新スーパーコンピュータシステム一式「Ohtaka」を導入しました。物性研では、新物質の合成、新規なナノ構造の作製、独創的な測定手法の開発などを研究しており、今回その研究基盤として本システムを採用しました。
    同システムは、2020年8月に導入を開始し、10月より全面稼働する予定で、全国の物性研究者に利用が公開されます。理論演算性能は約6.9PFLOPS(注1)の国内屈指のスーパーコンピュータシステムとなります。これは旧スーパーコンピュータシステムの約2.6倍の性能であり、物性科学研究に必要な大規模な数値計算やシミュレーションをより効率的に行うことができ、研究業務が加速されることが期待されます。

     

    2.発表内容
    ①   背景・採択理由
    物性研で運用されているスーパーコンピュータシステムは、1994年度の導入から定期的に更新を繰り返しながら、主に物性理論研究のために全国共同利用として国内の研究者に提供され、研究成果を積み上げてきました。近年の半導体デバイスの製造・加工の微細化に伴うCPUの性能向上およびエネルギー消費効率の向上という技術発展を最大限に活用した優れたシステム上で高いアプリケーション性能を引き出すことで、物性科学研究を飛躍的に進展させることを目的とし、今回で第6世代となる物性研スーパーコンピュータシステム「Ohtaka」を導入しました。 
    今回、デル・テクノロジーズは、AMD社の最新プロセッサであるAMD第2世代EPYC™(開発コードネーム:Rome)に対応した「Dell EMC PowerEdgeサーバ」を提案し、汎用的なハードウェア・ソフトウェアによる使いやすさ、性能・機能が優れたシステム構成、大規模HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)システムの運用構築に対するノウハウが高く評価され採用が決定となりました。

    ②   システム構成
    今回導入した「Ohtaka」は、デル・テクノロジーズのサーバ「PowerEdge C6525」を中核としたクラスタ型スーパーコンピュータ(注2)です。本システムは、CPUノード、Fatノード(注3)と呼ばれる2種類の計算ノード(注3)と、ノード間のデータ転送速度が高速なInfiniBand HDR100を用いたネットワークで構成されています。主要部を占めるCPUノードは、AMD EPYC™ 7702を2個搭載した「PowerEdge C6525」1680台で構成されています。また、大容量メモリが必要な物性計算の需要にも応えるため、Fatノードとして、4個の「インテル® Xeon® Platinum 8280」と3TBもの大容量メモリを搭載した「PowerEdge R940」8台を備えています。このような最先端テクノロジーで構成される本システムは、旧システムの約2.6倍にあたる約6.9PFLOPSの総理論演算性能を有しています。また、これらの新スーパーコンピュータシステムを支えるIT基盤製品に、デル・テクノロジーズとしては国内で初めての利用となる水冷冷却方式「Passive Rear Door Cooling Unit」も採用されました。これにより電力と冷却のバランスのとれた効率的なシステム運用が期待されます。

    ③   社会的意義・今後の予定
    今回導入された「Ohtaka」は、旧システムより効率的に大規模なシミュレーションを行うことができる、国内屈指の総理論演算性能を有するスーパーコンピュータシステムです。全国の物性研究者が本システムを利用することで、高温超伝導の機構解明などの基礎研究から高性能な電池・磁石の開発などの応用研究まで、幅広い物性科学の研究が発展していくと期待されます。今後も物性研は、全国の研究者に高性能且つ安定的な計算環境を提供し、物性科学の研究の更なる発展に貢献します。

     

    3.スペック
    【全体構成】

    項目

    仕様

    総理論演算性能

    6.881PFLOPS

    総ノード数

    1688

    総主記憶容量

    420TB

    ネットワークトポロジー

    Fat tree

     

    【ノード構成】

    項目

    仕様

    計算ノード名

    CPUノード

    Fatノード

    ノード数

    1680

    8

    CPU

    CPU名

    AMD EPYC™ 7702

    インテル® Xeon® Platinum 8280

    コア数

    64core×2

    28core×4

    動作周波数

    2.0GHz

    2.7GHz

    理論演算性能

    4.096TFLOPS

    9.6768TFLOPS

    メモリ容量

    256GB(16GB×16)

    3TB(64GB×48)

    ネットワーク

    InfiniBand HDR100

     

    4.問い合わせ先
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    【報道に関すること】
    東京大学物性研究所 広報室
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    古川、白武、児玉
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    E-mail : delltechnologies-pr@kyodo-pr.co.jp

     

    5.用語解説
    (注1)     PFLOPS(ペタフロップス):
    フロップス(FLOPS:Floating-point Operations Per Second)とは、1秒間に実行可能な浮動小数点数演算回数であり、計算機の処理性能の指標として用いられる。「PFLOPS:Peta FLOPS, ペタフロップス」は×1015 FLOPSのこと。
    (注2)     クラスタ型スーパーコンピュータ:
    複数のコンピュータを結合して、膨大な計算性能を発揮できるように構成されたシステムのこと。
    (注3)     計算ノード、CPUノード、Fatノード:
    CPUやメモリなどをひとまとめにしたものを「計算ノード」と呼び、多くの計算ノードを高速なネットワークでつないだものがスパコンの本体となる。ここでは汎用性の高いCPUを搭載した標準的な構成の計算ノードを「CPUノード」、大容量メモリを搭載した計算ノードを「Fatノード」と呼んでいる。

     

    6.添付資料

    導入したスーパーコンピュータ「Ohtaka」

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