2014年11月7日
デル株式会社
デル、中規模法人のセキュリティ、クラウド、モビリティ、ビッグデータの導入実態を調査
*米国時間2014年11月4日の年次顧客イベントDell World 2014にて発表されたリリースの抄訳版です。
テキサス州オースティン Dell World発 – 2014年11月4日(米国現地時間) – デルは、この度初となるGlobal Technology Adoption Index(GTAI)(英語版)による調査結果を発表しました。GTAIは、今日の組織がセキュリティ、クラウド、モビリティ、ビッグデータを実際にどのように活用しているかを明らかにするものです。今回、2,000社以上のグローバル企業を対象として市場調査を実施したところ、クラウド、モビリティ、ビッグデータの導入における最大の懸念事項はセキュリティであることが明らかになりました。また、調査対象組織のうち、97%がクラウドを利用している、あるいは利用を計画しており、約50%がモビリティ分野の導入を行っていました。さらに、約60%がビッグデータによる洞察の取得方法を理解していないことから、ビッグデータの導入は後れを取っています。
デルの最高マーケティング責任者(CMO)であるカレン・キントス(Karen Quintos)は次のように述べています。
「デルは、お客様の事業発展を支援するソリューションの提供に最善を尽くすべく、テクノロジーへのニーズを深く理解することを最大の優先事項としています。当社は、あらゆる産業において、セキュリティ、クラウド、モビリティ、ビッグデータがITの優先事項であることを把握しており、今回の調査目的は、世界中の中小企業がそういったテクノロジーから受けるメリットや課題に対する理解を深めることでした。」
SMB Groupのパートナーであるローリー・マッケイブ(Laurie McCabe)氏は次のように述べています。
「インターネットやテクノロジーへの依存度が高まり続ける一方で、多くの中小企業では今日のセキュリティの脅威に対する備えが不足している状況です。そうした企業は、クラウド、モビリティ、ビッグデータなどのテクノロジーが、イノベーションを促進し、競争優位性を創造することは理解を示しています。しかし、それらを活用し、ビジネス成長の可能性を最大限に生かすためにはセキュリティへの懸念事項を克服しなければなりません。」
セキュリティ上の懸念による大きな障壁の構築
デルが実施したGTAIの調査結果から、ITの意思決定者は依然として、モビリティテクノロジーの拡大(44%)、クラウドコンピューティングの利用(52%)、ビッグデータの活用(35%)における最大の課題はセキュリティであると考えていることが明らかになりました。企業はセキュリティに対する懸念から、注目されているITテクノロジーへのさらなる投資に対して消極的である上、即座に利用可能なセキュリティ情報が不足しているため、セキュリティ対策が十分に進んでいません。リスクに基づいた決定を下すための正しい情報を所有していると回答したのは、調査対象組織のわずか30%であり、4社のうち1社のみがあらゆるセキュリティ違反への対応プランが整備されていると回答しています。
経営幹部レベルが関与しない場合、セキュリティに関する問題はいっそう深刻さを増します。経営幹部レベルがセキュリティの取り組みに全面的に関与する考えを持っていると回答したのは、調査対象組織のわずか28%でした。また、43%の組織のシニア層がセキュリティに自信を持っていないとしている一方で、経営幹部レベルがセキュリティに「全面的に」あるいは「いくらか」関与していると回答した組織の84%は、自社のセキュリティのソリューションについて「非常に自信がある」と回答しています。
デルのGTAIによる、セキュリティに関するその他の重要な調査結果は以下の通りです。
- セキュリティのリソースは主に、ハッカーからの防御(43%)と、コンプライアンス規則の順守(37%)に費やされている。
- 組織独自のセキュリティ規則を十分に理解した職場環境であると回答した組織はわずか39%となっている。
- 競争他社よりも優れている点としてセキュリティを利用しているのは18%である一方、新たな事業を可能にするためにセキュリティを利用していると回答した組織は13%。
クラウド革命を実現
デルのGTAIによる調査結果から、現代はクラウドの時代であることが明らかになりました。調査対象のIT意思決定者のほとんどは、自社でクラウドソリューションを利用している、あるいは利用を計画していると回答しています。クラウドソリューションを利用する予定がないと回答したのはわずか3%でした。今回の調査結果では、クラウドの活用と企業の成長には強力な相関関係があることも明らかになっています。クラウドを利用している組織のうち、調査対象の72%が過去3年で6%からそれ以上の成長を達成したと回答し、調査対象の4%が過去3年で成長率はゼロあるいはマイナス成長でした。また、クラウドを利用していない組織のうち、調査対象の24%が過去3年で6%からそれ以上の成長を達成したと回答し、調査対象の37%が過去3年で成長率はゼロあるいはマイナス成長となり、これはクラウドを利用している組織と利用していない組織との明らかな対照です。
組織が2種類以上のクラウドソリューションを利用している場合、クラウドコンピューティングによるビジネスにおけるメリットはさらに幅広く見られます。例えば、3種類以上のクラウドソリューションを利用している組織では、1種類のみのクラウドソリューションを利用している組織と比較すると、従業員の生産性が15%増加しています。
クラウド利用率や前述のメリットにもかかわらず、クラウドコンピューティングの導入においては非常に大きな課題があり、その大半は、セキュリティ上の懸念に加え、理解と経験の欠如に起因しています。クラウドに関する情報という点で、組織はサードパーティに大きく依存しているのが現状です。情報を得るために、調査対象組織の58%がITパートナーに依存しており、45%はベンダーのWebサイトを利用しています。クラウドが未導入である理由として、クラウドコンピューティングに関する組織の経験が限られている点がトップ3の一つ(33%)に挙げられています。前述した通り、セキュリティは52%と最大の懸念事項となっています。
クラウドに関するその他の重要な調査結果は以下の通りです。
- 今回の調査からクラウド利用組織が最も共通して認識しているメリットのトップ3は、より優れたITリソース配分(44%)、コスト節約(42%)、効率性(40%)。
- 組織の50%が1種類のクラウドを利用。2種類以上のクラウドを利用しているのは26%。こうした複数のクラウドの活用はさらなるメリットを生み出す。
明らかなメリットにもかかわらず、モビリティの導入に遅れ
デルのGTAIの結果は、即時に成果が得られる効率性と生産性がモバイル環境におけるメリットであることを示しています。調査対象組織の41%がモビリティのメリットとして効率性を挙げており、32%が従業員の生産性を挙げています。発展途上国ではモバイルの利用が広く普及しており、これらの国々の組織では正式なBring Your Own Device(BYOD)ポリシーの採用率がさらに高くなっています(北米の30%、欧州・中東・アフリカの20%に対し、ラテンアメリカは34%、アジアパシフィックは37%)。
モビリティ戦略の実行は、組織の競争力強化において可能性を秘めているにも関わらず、セキュリティの分野にまだ問題があることが課題のトップ項目として挙げられています。組織の半数は、「デバイスの紛失や保護されていない無線ネットワークからのデータ漏えいのリスク」をモビリティにおける最大のリスクとして挙げており、44%は「セキュリティ違反の恐れ」を組織内でのモバイル利用拡大の主な課題として挙げています。また、企業が提供するデバイスの不適切な利用が、モバイルセキュリティの主要な課題として挙げられています。今回の調査結果は、正式なBYODポリシーを備えることがモビリティの成功と強く結び付いていることを示していますが、調査対象組織の32%を除いては、そのようなポリシーを保有していません。
モビリティに関するその他の重要な調査結果は以下の通りです。
- 特に発展途上国において、モバイルとの重要な優先事項は拡大するネットワーク帯域であると回答した組織は28%。さらに、ツールの開発が従業員に効率性をもたらし(25%)、アプリケーションもまた重要である(22%)と回答。
- クラウドデータベース(76%)、電子メール(81%)、イントラネット(70%)へのアクセスは、大半のBYODプランで検討されている一方で、製品ライフサイクル全般に渡って導入手順をカバーしているBYODプランは55%のみ。
- モビリティにおける最大のリスクとして、セキュリティに次いで、コスト(40%)、複数のプラットフォームやデバイスを管理する複雑性(36%)が挙げられている。
ビッグデータがもたらす大きな可能性
デルのGTAIの調査結果から、組織がビッグデータの取り扱い方法を理解していないという実態が明らかになりました。調査対象となった世界各国の組織の61%が分析可能なビッグデータを保有していると回答する一方で、ビッグデータから数値を抽出し分析する方法を理解しているのはわずか39%でした。さらに、調査対象組織は、ビッグデータは、セキュリティ、クラウド、モビリティほどの喫緊の課題ではないと回答しています。
ビッグデータは大きな競争機会をもたらします。ビッグデータから最も効果的にビジネスに関する洞察を引き出している組織は、そうではない組織に比べ、はるかに高い成長率を達成しています。ビッグデータを最も効果的に活用している組織における3年間の平均成長率(14%)は、そうでない組織の成長率(8%)と比較しほぼ2倍となっています。
ビッグデータはマーケティングにおけるメリットがあることが証明されている一方で、インフラストラクチャコスト(35%)やセキュリティ(35%)が主な導入障壁となる傾向にあります。また、GTAIの調査対象となった組織はアナリティクスおよび運営費用(34%)や、管理サポートの欠如(22%)、技術不足(21%)がビッグデータ戦略におけるさらなる課題として挙げています。セキュリティ上の懸念事項への対処として、組織の大半はビッグデータの保存にあたり、パブリッククラウド(11%)に代わるものとして、プライベートクラウド(43%)または従来サーバー(24%)の利用を挙げています。
ビッグデータに関するその他の重要な調査結果は以下の通りです。
- 活用するデータセットのタイプとしては業務関連が最も一般的で、67%の組織が業務関連のデータを利用。その他の一般的なデータセットのタイプは、CRM(47%)、セールス(39%)、ソーシャル(34%)。
- 平均的な組織では、利用可能なデータから潜在的な洞察を53%しか引き出せていないと考えている。
- 金融業界(57%)、ヘルスケア業界(56%)、およびテレコミュニケーション業界(56%)が他業界よりもビッグデータを活用する傾向が強い。
Global Technology Adoption Index(GTAI)について
GTAIの開発にあたり、デルは世界中のIT意思決定者に定量的な調査と定性的なインタビューの実施をTNSに委託しました。11の地域の複数産業における、中規模の公共機関および企業に所属する2,038人の従業員を対象として調査を実施し、産業また地域ごとの詳細な分析が実現しました。調査は2014年7月15日から9月2日にかけて実施され、統計上の信頼区間は±2.2%となっています。調査結果の詳細は、オンライン版のGTAI調査結果(www.dell.com/techadoption)(英語版)をご覧ください。
*記載されている会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。