新型コロナウイルス感染症の法令上の位置付けが変わったことに伴って、人の流れや経済活動が大きく変動している。ビジネスシーンでは「ハイブリッドワーク」がある程度普及し、場所を選ばない働き方も定着しつつある。
それに伴って、業務で使うノートPCに改めて注目が集まっている。業種や職種を問わず、ハイブリッドワークでは「会社」「在宅」「出先」と、働く場所が日々変わることも珍しくない。いつでもどこでも業務を止めることなく、生産性をより高めるためには、ノートPCの絶対的な性能はもちろん、セキュリティ機能やビデオ(Web)会議に最適化された機能も重要なポイントとなる。
ノートPCに求められる性能や機能が変化している中、デル・テクノロジーズが満を持して投入したのが「Latitude 7×40 Ultralight」だ。数多くのラインアップが用意されているLatitude 7×40シリーズにおいて、特に持ち運びやすさを重視したシリーズで、折り紙付きの頑丈さも兼ね備えている。
本シリーズでは、13.3型の「Latitude 7340 Ultralight」に加え、新たに14型の「Latitude 7440 Ultralight」が登場した。ここでは、ハイブリッドワークに最適化された両モデルの特徴や、便利な機能などを細かくチェックしていく。
「約982gからの13.3型」と「約1055gからの14型」から選べる!
Latitude 7×40 Ultralightは、デル・テクノロジーズのビジネスノートPCの中でも最小かつ最軽量のシリーズである。1kg前後の重量で、持ち運びやすいスリムなボディーにIntel最新の第13世代Coreプロセッサを搭載している。ハイブリッドワークの生産性向上に貢献するパワフルなパフォーマンス、ビデオ会議の使い勝手に直結する先進機能を装備しているのも特徴だ。
Latitude 7340 Ultralightは画面サイズが13.3型で、最軽量構成の重量は約982gとなる。装備を身軽にしたい、アクティブなビジネスパーソンに最適だ。
そして、新たに加わった14型のLatitude 7440 Ultralightは、最軽量構成の重量が約1055gとなる。一回り大きな画面サイズで、見やすさと携帯性を両立させたいビジネスパーソンにピッタリといえる。






マグネシウム合金の頑丈ボディー 新色ブルーグレーの色合いも絶妙
Latitude 7×40 Ultralightは、ビジュアル面の印象もよい。本モデルで採用された新色「ブルーグレー」(ややくすみのあるメタリックブルー)は、派手過ぎず、それでいて地味過ぎない絶妙な色合いだ。しっとりとしていながらも、ベトつかない表面処理が施されており、上質感ある仕上がりとなっている。

薄型軽量と耐久性を両立させるため、ボディー素材にはマグネシウム合金を採用している。これにより、カッチリとした剛性感を備える。
開発段階では、米軍の調達基準である「MIL-STD-810H」に準拠した耐久性テストもクリアしている。少々乱雑に扱ったとしても、簡単に壊れてしまいそうな不安は感じない。
両モデル共にスリムでほぼフラットなフォルムなので、バックパックはもちろん、ブリーフケースタイプのビジネスバッグにもかさばることなくスマートに収納できる。軽量なのでバッグの型崩れの不安も少なく、特にアクティブに動き回るビジネスパーソンにとっては心強い存在になるだろう。



選べる2種類のバッテリー ACアダプターも小型軽量
Latitude 7×40 Ultralightでは、バッテリー容量を「38Wh(標準)」か「57Wh」から選択できる。本体重量を少しでも軽くしたい場合は38Whを、バッテリー駆動時間を重視する場合は57Whを選択すればよいだろう。ワークスタイルによって自由にチョイスできることはうれしいところだ。
付属するACアダプター(充電アダプター)の出力は「60W(標準)」か「100W」から選べる。標準の60W出力のACアダプターは、非常にコンパクトで持ち運びやすい。特に今回の新モデルでは、60W出力のACアダプターにおいてACケーブルが従来の3ピンタイプよりも軽量な2ピンタイプも選べるようになった。取り回しがより簡単になったことはありがたい。


Intel最新の第13世代Coreプロセッサを採用
Latitude 7×40 Ultralightでは、CPUとしてIntelの第13世代Coreプロセッサ(開発コード名:Raptor Lake)を採用している。大企業向けのセキュリティ/管理機能に対応する「vProテクノロジー」対応CPUも選択可能だ。
第13世代Coreプロセッサでは、性能優先の「パフォーマンスコア(Pコア)」と電力効率優先の「高効率コア(Eコア)」を最適に使い分けるハイブリッドアーキテクチャを第12世代(開発コード名:Alder Lake)から継承しつつ、細かな改良を通してさらなるパフォーマンス向上を図っている。
第12/13世代Coreプロセッサの性能向上は目覚ましく、それ以前の世代のCPUを備えるモバイルPCとは一線を画すパフォーマンスを発揮する。また、メモリはLPDDR5を最大64GBまで、ストレージも高速なNVMe SSDを最大2TBまで搭載可能で、大容量メモリやストレージが必要な用途にも対応可能だ。

ビジネスシーンと相性抜群となる16:10の液晶ディスプレイを採用
Latitude 7340 Ultralightは13.3型、Latitude 7440 Ultralightは14型の液晶ディスプレイを搭載している。アスペクト比はいずれも16:10だ。
16:10のアスペクト比は、従来一般的だったアスペクト比(16:9)よりも縦方向のピクセル数が多く、その分だけ多くの情報を表示でき、作業領域も広く確保できる。縦長のWebページやドキュメントは、同じ文字サイズならより多くの情報を、同じ情報量ならば相対的により大きく表示できる。
ビジネスではA4縦サイズで印刷できることを前提にした文書を扱うことが多いだけに、相性はとてもよい。




薄型軽量ながら充実のポート類を標準装備
薄型軽量ながら、Latitude 7×40 Ultralightは接続性もしっかりと確保している。左側面にはHDMI出力端子とThunderbolt 4(USB4)端子×2を、右側面にはイヤフォン/マイクコンボ端子とUSB 3.2 Gen 1 Standard-A端子(7340 Ultralightは1基、7440 Ultralightは2基)を備えている。
Thunderbolt 4端子はUSB PD(Power Delivery)規格の電源入力と、DisplayPort Alternate Mode規格の映像出力に対応している。HDMI出力端子とThunderbolt 4端子をうまく活用すれば、マルチディスプレイ環境をスマートに構築可能だ。
ワイヤレス通信はWi-Fi 6E対応無線LANとBluetooth 5.3に対応しており、オプションで4G LTEまたは5Gに対応したモバイル通信モジュールも追加できる。




生産性を妨げないストレスのない入力環境
先進的な装備を備えるLatitude 7×40 Ultralightだが、もちろん基本的な部分もおろそかにしていない。
キーボードはしっかりとキーの間隔を確保している(実測キーピッチ:横19×縦18.5mm)。キーのスイッチもしっかりとした押し下げ圧を感じられるように調整されている。打ち心地は良好だ。
配列は日本語と米国英語(US)から選べる上、オプションでミニLEDバックライトも選択可能だ。消灯後の機内など暗い場所でもキーの印字をしっかり視認できるので、アクティブ派にはうれしい機能だ。
ミニLEDは、通常のLEDと比べて消費電力が最大で75%少ないという特徴もあり、バッテリー駆動中でも安心して使える。




キーボードの手前には、大型のタッチパッドを備えている。指を動かすスペースが広く確保されているだけでなく、表面の滑りやボタンの感触などにもこだわっており、通常の操作はもちろん、Windowsのジェスチャー機能も快適に利用できる。
マウスを使わなくても細かい作業をこなせるのは、非常にありがたい。

旧来のビジネスノートPCとはレベルが違う! 快適なビデオ会議体験
働く場所がさまざまなハイブリッドワークでは、ビデオ会議でのコミュニケーションが欠かせない。しかし、働く場所が異なるということは、ノートPCを取り巻く周辺環境も多種多様である。どんな環境でもビデオ会議を快適、かつ効果的に行えるかどうかは生産性向上を左右する“鍵”となってくる。
ビデオ会議の快適さに大きく影響する要素が、「カメラ」と「サウンド(マイクとスピーカー)」である。これらは旧来のビジネス向けノートPCではあまり重視されてこなかった要素だ。
その点、ハイブリッドワークを想定して開発されたLatitude 7×40 Ultralightでは、これらがグッと強化されている。
一般的なノートPCのWebカメラは、約100万画素のセンサーを搭載している。このカメラでは、1280×720ピクセル(720p/30fps)の映像しか配信できない。それに対し、Latitude 7×40 UltralightのWebカメラは約500万画素と高画素センサーを採用している。最大で2560×1440ピクセル(1440p/30fps)の精細な映像を配信可能だ。
加えて、カメラを物理的に隠せる「プライバシーシャッター」も搭載している。意図せず映像が配信されてしまう不安がなく、会議の後もすぐに業務に集中できることは、別の意味で生産性の向上につながる。
マイクについては、AIを活用したインテリジェントなノイズ除去機能を搭載している。自動車や電車が通過する音や生活音などが入りこむような場所で会議する場合も、自分の声以外の雑音をうまい具合にカットしてくれる。想像以上に効果てきめんなので、真っ先に試してみてほしい機能だ。



スピーカーは、キーボードの両脇と底面前部左右に計4基を搭載するクアッド構成だ。実際に動画などを再生して音を聞いてみると、一般的なノートPCとの違いは歴然である。
軽量設計のノートPCではスピーカーの音量が小さかったり、低音が聞き取りづらかったりすることも多い。しかし、Latitude 7×40 Ultralightのスピーカーは、十分な音量で低音も効いたよい音が出てくる。音量を大きくしても音割れがないので、複数人で会議に参加する場合などにも効果的だろう。商談の際に動画でアピールしたい場合などにも、よい音でコンテンツを効果的に見せることができるだろう。
ちなみに、Latitude 7440 Ultralightではスピーカーで再生する音声に対するノイズ除去機能も搭載している。相手の音声に乗っている雑音やエコー、ハウリングなども除去可能だ。

「のぞき見防止」などインテリジェントなセキュリティ機能も用意
外に持ち出し、公共の場所などで使うこともあるモバイルPCでは、セキュリティ、プライバシーの確保も大きな課題だ。
その点においてもLatitude 7×40 Ultralightは抜かりない。PCにスピーディーにログインできる顔認証や指紋認証(オプション)に対応している他、近接センサーを活用した「盗み見検出(Intelligent Privacy)」にも対応している。
盗み見検出は、プリインストールされている「Dell Optimizer」で有効化できる。有効化すると、ユーザー以外の人が画面を見ていることを検知した際に、アラートを表示するとともに画面をテクスチャー化して盗み見を防止してくれる。
この他にも、ユーザーが目を離したことを検知すると徐々に画面を暗くして消費電力を抑える機能や、ユーザーが離れたらPCをロックし、接近したらスリープ解除する機能も備えている。

盗み見防止機能を実際に利用した様子
サステナビリティーにも配慮
デル・テクノロジーズは、昨今の企業の課題の1つとなっている「サステナビリティー(持続可能性)」の問題にも早くから取り組んでいる。もちろん、Latitude 7×40 Ultralightもご多分に漏れない。
本体の梱包(こんぽう)材には、100%リサイクル/再生可能素材を使用している他、ボディー素材についても、再生素材の割合を従来製品よりも高めている。環境に配慮した製品であることを示す環境評価基準「EPEAT(Electronic Product Environmental Assessment Tool)」でも、最も高いレベルの要件を満たす「EPEAT Gold」にも認定されている。

生産性に直結する基本性能はバッチリ!
最後に、Latitude 7×40 Ultralightのパフォーマンスをベンチマークテストを通してチェックしていこう。
先に説明した通り、Latitude 7×40 Ultralightはカスタマイズ(CTO)購入ができる。今回評価しているLatitude 7340 UltralightとLatitude 7440 Ultralightも、カスタマイズした構成の1つだ。主なスペックは以下の通り共通している。
- CPU:Core i5-1345U(Pコア2基4スレッド+Eコア8基8スレッド)
- メモリ:16GB(LPDDR5規格)
- ストレージ:256GB SSD(PCI Express 3.0接続)
- バッテリー:38Wh
- OS:Windows 11 Pro
微妙なサイズの違いがどのような違いを見せるのか楽しみだ。参考として、2018年発売のビジネスPC(Core i5-8250U搭載、20GBメモリ)のスコアも掲載する。

結果は画像を見てほしいが、Latitude 7×40 Ultralightが旧世代PCを圧倒するスコアを記録している。性能面で着実な進歩を果たしていることがよく分かる。実際のアプリを利用してPC作業をシミュレートする「PCMark 10」の結果を詳細に見ると、日常操作(Essentials)、オフィス作業(Productivity)、コンテンツ制作(Digital Content Creation)、どの項目でも比較対象を圧倒している。総合的にスキのないパフォーマンスを持っていることが実証された。
ちなみに、Latitude 7×40 Ultralight同士のスコアを比較すると、わずかではあるがLatitude 7440 Ultralightの方が良好だ。これは、7440 Ultralightの方が少しだけサイズが大きいことによって、排熱面での余裕が生じている(≒ピークパフォーマンスを維持しやすい)ためだと思われる。





ハイブリッドワークに必要な性能や機能を満たす最先端モデル
「新しいノートPCならどれでもいい」と考える人も多いかもしれないが、コロナ禍を経て法人向けノートPCの選定基準は大きく変わっている。優れた基本性能は言うまでもなく、高いセキュリティときちんとした入力環境を備え、ビデオ会議をスムーズにこなせることも重要である。バッテリー駆動時間も長い方が望ましい。
その点、Latitude 7x40Ultralightシリーズは、軽量かつスリムなボディーと優れた性能をベースに、長時間のバッテリー駆動や快適な入力環境、必要十分なインタフェースを備えながら、ビデオ会議もスムーズにこなせるなどハイブリッドワークで求められる要素を高いレベルでまとめている。
さらにサステナビリティへの取り組みにも抜かりはなく、製品の素材やパッケージを含めてリサイクル率を高めたり、廃棄物の削減に努めていたりするのに加え、世界各国の認証制度もクリアするなど、法人向け製品選びに欠かせない要素を満たしている。
同社製PCならではの豊富なカスタマイズメニューや、24時間365日の電話対応など充実のサポート/サービス体制が用意されており、企業規模や用途に応じて選べるのもうれしいポイントだ。
1kg切りの軽量モバイルPCのLatitude 7340 Ultralightに、より見やすい大画面で可搬性に優れたLatitude 7440 Ultralightが加わることにより、Ultralightシリーズの選択肢が増えたのは心強い。作り込まれたビジネス向けのクライアントPCの最先端モデルをぜひ体験してほしい。
この記事は ITmedia PC USER (https://www.itmedia.co.jp/pcuser/)に2023年5月に掲載されたコンテンツを転載したものです。
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/2305/29/news003.html