趣味で始めたカメラが、今やプロのフォトグラファーとして大活躍のイルコさんですが、どのような経緯でフォトグラファーになられたのでしょうか?
私が撮影した写真で友人たちが喜んでくれることが、カメラの楽しさでもありましたが、同時にある疑問が湧いてきました。「同じ場所で、同じ機材を使えば、誰もが同じ写真を撮影できるんじゃないか?」と、そこで、試行錯誤を繰り返した結果、たどり着いたのがフラッシュを効果的に使用する撮影方法です。同じ景色でもフラッシュを用いることで普段は見えない表情が浮かび上がる楽しさにハマった私は、大学の休み時間を使ったり、それでも足りないときは朝早く起きて撮影したり、自由時間のほとんどを撮影方法の研究に費やすようになりました。
ただ、あくまでカメラは趣味、本業は学生です。大学院に進学していた私はカメラへの情熱を秘めながらも一般企業への就職を考えていました。働きながらカメラを続ければいいかな、と考える一方で、もし普通の会社に就職したら仕事に追われカメラどころではなくなることも何となく想像できましたので、悩んだ末に私はすべての退路を断ってフォトグラファー一本に懸けることにしました。日本は趣味でカメラを使う人も多く、写真に対するニーズも高いので、日本でフォトグラファーになることは自然な流れだったのかもしれません。もちろん初めは仕事もなく、苦しい時期が続きましたが、私はそれを逆にチャンスと捉え撮影に没頭しました。おかげで少しずつお仕事を頂くようになり、徐々に自分の理想の機材も手にできるまでになりました。