お客様の事例 株式会社EARTHBRAIN:AI開発環境向けGPUサーバー導入事例
AI開発環境をクラウドからオンプレミスの高性能GPUサーバーに移行し、開発の迅速化や自由な発想によるAI開発を実現
メインのAI開発環境をクラウドからオンプレミスに移行するためにNVIDIA® H100 NVL TensorコアGPUを最大4基搭載可能なPowerEdgeサーバーを導入し、AIエンジニアが効率的かつ迅速に業務を遂行し、アイデアを出しやすい開発環境を整備。

お客様名 :株式会社EARTHBRAIN
業種 : 建設
場所 : 日本/東京
ビジネス課題
導入効果
- メインのAI開発環境をクラウドからオンプレミスに移行することで、迅速で自由に開発できる環境を整備
- コストを気にせずにAI開発に必要不可欠なトライ&エラーを繰り返すことができ、開発に集中できる
- クラウド利用の年間のトータルコスト削減
- オンプレミスの高性能なGPUサーバーへのアクセスを提供することで、AIエンジニアに心理的な安全を提供
- クラウドにデータをセットアップする時間を削減することで、エンジニアの作業時間を短縮
オンプレミスに自由に使えるGPUリソースを確保し、迅速で自由にAIの開発ができ、クラウド開発時の課題を解決。
EARTHBRAINは、「建設生産プロセスをデジタル技術で最適化することで変革が起こり、生産性・安全性・環境適応性が飛躍的に高まる」というビジョンのもと事業を展開し、主に建設分野の土木工事に焦点を当て、ソフトウェアおよびハードウェアのソリューションを開発している。
安全で生産性が高く、スマートでクリーンな未来の現場をお客様とともに創造するソリューション「Smart Construction ®」 を開発、提供することにより、建設現場をデジタル化し、データをデジタルツインにアップロードして建設生産プロセスを可視化および最適化する。このインサイトを現場の機械や設備にフィードバックすることで、建設生産プロセス全体のPDCAサイクルを加速させることを目指している。
AI開発を積極的に進めるために、高性能なGPUサーバー導入を検討
「我々は、幅広いAI開発に取り組んでいます。たとえば、LLMを使った生成AIの活用、フォトグラメトリによる点群の生成、建設機器の自動運転など、多岐にわたるプロジェクトを展開しています。そのために必要なインフラも幅広くなっており、データセンター規模の機器やオフィス規模のワークステーション、現場で使えるエッジコンピュータをこれからも整備していかなければなりません」とEARTHBRAINのAI開発チームのリーダーであるネットワーク&データ ソリューション開発グループ シニアエンジニアのネクロユ ポール氏は説明する。
AI開発を加速していくには、AIエンジニアを増やしていく必要がある中、EARTHBRAINでは、クラウドでのAI開発を見直す必要があったとネクロユ氏は話す。「クラウドでは、セキュリティ管理をクラウド側が提供するツールで行わなければなりません。また、クラウド上のハイスペックなGPUリソースは取り合いになっていて、そのリソースを確保するのに時間がかかりますし、リザーブドインスタンスでリソースを利用する場合には、プロジェクトの要件に合わずにリソースを無駄にしてしまうことも起きてしまいます。オンプレミスにGPUサーバーを置けば、プロジェクトに合わせてリソースを分割でき、エンジニア間のリソースの配分も行いやすくなるので、開発スピードも向上すると考えました」。
また、AIエンジニアの採用のためにもGPUサーバーが必要だったとネクロユ氏は説明する。「クラウドベースで開発しているとなると、優秀なAIエンジニアの採用も難しくなります。オンプレミスの高性能なGPUサーバーへのアクセスを提供することで、AIエンジニアに心理的な安全を提供できるようになると考えました。また、クラウドベースの開発では、コストを気にしながら開発する必要があり、トライ&エラーを繰り返す1つの障壁になるため、コストを気にせずに開発に集中できる環境を提供することも重要です」。
NVIDIA® H100 NVLを4基搭載できるGPUサーバーを求めてPowerEdgeを採用
また、デル・テクノロジーズ側の対応もPowerEdge採用の決め手となったとネクロユ氏は話を続ける。「今回会社としても初めてのGPUサーバー導入で我々としてもわからないことがいろいろあったのですが、担当の方が非常に協力的で、データセンターの選定やネットワークの構築、ラック設計や冷却方法などの貴重なアドバイスをしていただき、将来的な拡張も含めたロードマップを描くことができました」 。
さらに、運用目標に合わせた納期スケジュールを迅速に示してくれたとネクロユ氏はデル・テクノロジーズを評価している。「2024年8月末に社内承認が下りたので、9月中旬に正式に注文書を送り、2か月後にはデータセンターにGPUサーバーが納品・設置されて、12月第一週には使える形になりました。使えるようになるのは年を超えると覚悟していたのですが、非常に短期間で前倒しで納品していただいたのはありがたかったですね」。
年間のトータルコストの大幅削減と、開発スピードの向上に期待
また、エンジニア同士の情報交換やコスト削減効果もネクロユ氏は期待している。「これまではクラウド上で別々に作業していたエンジニア同士が、同じものを使って情報交換することで、コミュニケーションが円滑になることも期待しています。より新しいモデルをコストを気にせずに試せるようになることもメリットとなるでしょう。さらに、オンプレミスのPowerEdgeを利用することで、現状よりも開発のトータルコストが下がることも大きなメリットです」。
GPUサーバーを増やして、AIエンジニアも増員していく
「NVIDIA® H100 NVL GPUを4枚搭載できるデル・テクノロジーズのPowerEdgeに、リモートでサーバー内のGPUの状態を管理できるiDRAC(アイドラック)が提供されていることがよかったですね。初めてのオンプレミス利用で、デル・テクノロジーズ側のネットワーク構築方法などについての貴重なアドバイスも役立ちました」
ネットワーク&データ ソリューション開発G
シニアエンジニア
ネクロユ ポール氏
デジタル化で建設業界の安全性や生産性を高めるソリューションを提供するEARTHBRAINは、今後もAIを活用しながら、魅力的なソリューションを開発していく。