freee株式会社
お客様の事例 freee株式会社
カスタマーサポートスタッフ向けにセキュアで柔軟性の高いPC環境をChromebookで構築
クラウド会計ソフト「freee会計」をはじめ、中小企業や個人事業主を支援するさまざまなサービスを開発・提供するfreee株式会社。同社では情報漏えいを防止するPC環境として、カスタマーサポートを担当するスタッフ向けに「Dell Latitude 5400 Chromebook Enterprise」を採用し、セキュアな業務環境を実現している。


ソリューション
Dell Latitude 5400 Chromebook Enterprise
課題
freeeでは、顧客の問い合わせ対応を行うカスタマーサポートのスタッフを中心にChromebookを活用していたが、耐久性が低く、故障が頻発することに課題を感じていた。また、「スペックが低いため処理が遅く、作業が進めにくい」「PCがフリーズしてしまう」といったクレームも多かったこともあり、耐久性とスペックが高い機種へのリプレースが求められていた。
導入効果
- 耐久性の高い「Dell Latitude 5400 Chromebook Enterprise」の導入により、導入後の機器故障は0件
- 端末にデータを保持しないChromebookを活用することで、カスタマーサポートの安心・安全な業務環境を構築
- Chrome Enterprise Upgradeによってクラウド側から端末の一括管理を行うことでゼロタッチキッティングを実現
- キッティング時間がかからないため、イベント時などの一時貸出PCとしても活用
「今まで数社のChromebookを採用してきましたが、耐久性の低さやユーザビリティの低さもありクレームが発生していました。今回、基本スペックが上がったことでPC作業も快適になり、Windows PCと変わらないキーボード配列を採用しているため使いやすいという意見も多いです」
freee株式会社
Corporate IT マネージャー
信本 浩貴氏
Corporate IT マネージャー
信本 浩貴氏
freee株式会社
Corporate IT マネージャー
信本 浩貴氏
Corporate IT マネージャー
信本 浩貴氏
freee株式会社
Corporate IT
宮本 大地氏
Corporate IT
宮本 大地氏
「スモールビジネスを、世界の主役に」というミッションのもと、2012年に設立されたfreee株式会社(以下、freee)。スモールビジネスに携わるすべての人が、創造的な活動にフォーカスできる世の中をつくることを目標とする同社では、中小企業や個人事業主をメインターゲットとして、手間のかかる会計・経理業務を自動化するクラウド会計ソフト「freee会計」を2013年3月にリリース。2018年には「freee会計」の利用事業者が100万を突破し、クラウド会計ソフトでは高いシェアを獲得し続けている。現在では、会計だけでなく、法人設立をサポートする「freee会社設立」、複雑な労務管理を効率化する「freee人事労務」、個人事業の開業届けを簡単にする「freee開業」など、中小企業や個人事業主を支援するさまざまなサービスも提供中だ。
今後もクラウドの力を最大限に活用していくことにより、スモールビジネスのためのプラットフォームを目指していく同社。一方、各クラウドサービスのユーザーからの問い合わせなどに対応するカスタマーサポートにも力を入れており、同社ではカスタマーサポート職が高いユーザビリティで安全に業務を行うためのPCとして、「Dell Latitude 5400 Chromebook Enterprise」を活用している。
カスタマーサポートのためのセキュアな業務環境構築が課題
サブスクリプションサービスの場合、買い切り型のサービスに比べてより顧客体験やユーザーの満足度向上が求められるため、一般的にカスタマーサポートやカスタマーサクセスといった職種の役割は大きくなる。主にクラウドサービスを提供する freeeにおいても、ユーザーの問い合わせなどに対応するカスタマーサポートに力を入れていることが、同社が安定した支持を得られている要因の1つといえるだろう。
このカスタマーサポートは、ユーザーの個人情報を取り扱うことから、企業への信頼性やブランド価値を守る意味でも、高度なセキュリティが求められる部署である。そうした背景もあり同社のカスタマーサポートでは、セキュアな環境構築を目的として、部署の設立と同時にサポート要員の端末としてChromebookを採用している。
「お客様と情報のやり取りをするカスタマーサポートでは、個人情報の保護などを含めてセキュアな環境を構築する必要があります。そのため、個々の端末にローカルデータを残さないChromebookを採用しています。カスタマーサポートは、当社の正社員だけではなく業務委託のスタッフも含むため、Chrome Enterprise Upgradeを活用して全端末を統制し、強固なセキュリティ環境を構築できることを重視しました」と同社Corporate ITのマネージャー信本浩貴氏は説明する。
同社ではChrome OSデバイスを一元管理できるChrome Enterprise Upgradeを活用しており、Chromebookのストレージ領域やUSBメモリの使用を禁止し、会社アカウントのGoogleドライブへのファイル保存を強制する機能を使うことで、社外にデータを持ち出せないセキュアな環境を実現している。また、デバイスを一時的ログインモードに設定することで、セッションの終了時にデバイスからユーザーデータを削除することも可能だ。
またChromebookであれば、万が一端末を紛失してしまった場合に、MDM(モバイルデバイス管理)ツールなど特別なアプリケーションやサービスなどを導入していなくとも遠隔で初期化することができるため、盗難などによるデータ漏えいを防ぐという観点でも有用だ。なおセキュリティ面以外にも、Chrome OSの更新を一元管理できるため、例えば自社開発のアプリケーションが最新 OSに対応していないため動かなくなってしまうといったケースが起こらないように設定することも可能だ。
ChromebookとGoogle Workspaceとの親和性の高さも評価
クラウドサービスを提供する同社では、創業当時から自社の業務にクラウド型のグループウェアである「Google Workspace」をフル活用していることも特徴の1つだ。Windowsなどのデバイスの場合、あらかじめアプリケーションをインストールしておかなければ作業を行うことができない一方、ChromebookであればGoogle Workspaceのアカウントを取得してログインすれば、クラウドから提供されるアプリケーションにてメールをはじめ、表計算や文書の作成などを行うことができる。
社員の多くはGoogleドライブ上で、Officeソフトと互換性があるオフィスツールである文書作成アプリの「Googleドキュメント」や表作成・表計算アプリの「Googleスプレッドシート」、プレゼンテーション作成アプリの「Googleスライド」などを活用し、チームメンバーで資料を共有しながら作業を進めている。
「通常の会議やGoogle Meetを用いたオンライン会議をするときも、共有しているドキュメントにアジェンダを書いておけば一人が話している間に他のメンバーがコメントを書いていくなどして、課題点や疑問点をタイムリーに可視化しながら進行していくことができます。社内ではオープンスタイルでミーティングをしていますので、途中参加をする際にも便利です。Google Workspaceは、ムーブメント型チームというマインドを掲げる当社の文化に合っていると思います」と信本氏は話す。
社内のビジネス環境に欠かせないグループウェアであるGoogle Workspaceとの相性の良さも、カスタマーサポートを中心に同社でChromebookの活用が進む理由の1つとなっている。
ゼロタッチキッティングでのPC貸出も可能
Google Workspaceを活用してクラウドでデータ共有している同社では、Windows PCなどを普段使っている社員でも、イベント開催時やメインPCの故障時などに一時貸与PCとしてChromebookを使うこともあるという。
「在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドワークをする社員も多く、ノートPCを自宅に忘れてきてしまったというケースでも、Chromebookを一時貸与PCとしてすぐに利用できるため、汎用性の高い端末だと感じています。また、機器交換やメンテナンスなどで数時間メインPCが使えないために仕事ができないという事態も防ぐことができています」と、今回のリプレースを担当したCorporate ITの宮本大地氏はChromebookの魅力を語る。
freee会計は会計ソフトであることから、確定申告の時期などの繁忙期には問い合わせが多く、同社のカスタマーサポートスタッフは増員が行われる。そこでもChromebookが大きなメリットを発揮する。あらかじめ必要なポリシーをクラウド側で設定しておけば、Windows PCのように細かく1台1台キッティング作業をする必要はなく、端末を各スタッフに送るだけで済むからだ。
「新しく中途入社した人のWindows PCの納品やキッティングが間に合わないという場合にも、いったんChromebookを利用していただくことで業務を進めることができています。外部にキッティングを依頼する場合のコストや、自社でキッティングをする作業時間を削減できることも大きな利点だと思います」(宮本氏)
セキュアな環境を整備するという管理の側面から導入されたChromebookだが、ユーザー自身も情報漏えいリスクに気を使わなくていいといった面や、起動スピードの速さなどから使いやすいという意見も多いという。
なお同社のカスタマーサポートでは、業務に用いる顧客管理システム(CRM)やコンタクセンターシステムもクラウドサービスを活用し、デスクトップアプリケーションに関してもクラウドのVDI(仮想デスクトップ環境)にアクセスして業務を行っている。Chromebook本体にはアプリケーションを入れない環境にすることで、不具合が発生した場合などにも気軽に初期化できることも評価ポイントだと信本氏は話す。
「夏場などにPC作業をしていると熱暴走して落ちてしまって、故障の原因になってしまうケースもあるものですが、Dell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseは熱暴走しにくい設計なので安心です。実際に導入以来、故障が1回もない点は信頼につながっています」
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Corporate IT
宮本 大地氏
Corporate IT
宮本 大地氏
性能面とコスト面からDell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseを選択
このように、freeeではカスタマーサポート向けに長らくChromebookを使ってきたが、既存のメーカーから希望するスペックの機種が提供されなくなったことを契機にリプレースを検討することになった。そうして新たに導入されたのが、Dell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseだ。
「スペックの低い端末では動作が遅くなってしまうためお客様対応に時間がかかってしまうといったクレームも来ていたため、CPUにはIntel Core i5で8GBのメインメモリ以上という要件で新たなChromebookの選定をスタートしました。検討を進めていく中でDell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseであればスペック要件を満たすとともに、以前よりもコストダウンできることから採用を決定しました」(宮本氏)
また宮本氏は「細かい部分ですが、デルの場合は端末と一緒にChrome Enterprise Upgradeのライセンスを同時に購入できる点も後押しになりました」と続ける。Dell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseは、CPU、メインメモリ、ストレージなどのカスタマイズが可能な端末であるため、用途に応じてスペックを変更できる点も選定理由の1つだと評価する。
さらに、宮本氏はその耐久性の高さにも言及している。
「2021年に180台ほど導入しましたが、リプレースしてから一度も故障がなく安定して稼働しています。実は、以前使っていたメーカーのChromebookは頻繁に故障が発生していたためスタッフからも非常に不評で、管理する私たちとしてもメーカーに修理依頼などをするのが手間ではありました。その点、現状は問題なく活用できている点には満足しています」(宮本氏)
使い慣れたWindows端末との親和性も評価
ユーザビリティという面ではDell Latitude 5400 Chromebook EnterpriseはWindowsモデルのDell Latitude 5400と同様のキーボード配列を採用しているため、普段はWindowsユーザーである人でも使いやすいことも特色の1つといえる。
「Chromebookは独自のキー配列をしている端末も多いため、Windows端末に慣れている人ですと使い慣れるのに時間がかかるという印象はありました。一方、Dell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseは一般的なキー配列で使いやすいため、スタッフからも好評です。当社はキーボードにこだわりがある社員が多いという面もありますので、助かっています」(信本氏)
また、最近では薄さや軽量さを重視する分、外部接続インターフェースを減らしてしまうメーカーも多い中で、Dell Latitude 5400 Chromebook EnterpriseはHDMIやUSBのポートを標準装備しており、USB Type-C充電にも対応している点も評価されている。
「カスタマーサポートでは、通話用のヘッドセットのほか、外付けのキーボードやマウスを使うスタッフもいるため、インターフェースが多く備わっているのは便利だと感じています」(宮本氏)
カスタマーサポート以外でもChromebookを活用していきたい
現在freeeのPC環境としては、部署や業務内容によって複数種類の端末やOSを採用している。そうした中で信本氏は今後の管理体制について以下のように語る。
「エンジニアを中心にハイスペックマシンのローカル環境で作業をする人が多いという企業特性もあり、すぐには実現できないかもしれませんが、実作業がVDI上で完結するシステム構成も視野に入れています。VDIで各々のマシンのスペックに依存しない環境を整えていくことで、スペックのコントロールもしやすくなると期待しています。例えば、マシンのスペックが足りないと言われたときに買い直すのではなく、クラウド上で設定を変えていくことで課題を解決できるような環境が理想的です。そうした環境でも、キッティング不要のChromebookは有用なのではないかと考えています」
同社では現在Dell Latitude 5400 Chromebook Enterpriseを180台ほど導入しているが、来期にはさらに100台の導入を予定している。カスタマーサポートだけでなく、他部署の社員も社内外で使うようになっていくことを想定して宮本氏は、今後の展望を話す。
「コロナ禍などの影響もあり端末の納品が間に合わないという話も聞く中で、オンタイムで納品していただいている点には非常に感謝しています。現状、私たちが感じている課題としては、オンラインミーティングをする機会が増えていく中で、同時にスプレッドシートなどを使いながらPCに負荷の高い作業をしても快適に業務を進められる安定したPC環境を構築していきたいと考えています。今後、そうした環境を整備していくためにもChromebookおよびデル・テクノロジーズには期待をしています」
