株式会社白組

お客様の事例 株式会社白組:PowerScale+ランサムウェア対策事例

ビジネス課題

デジタル映像制作のリーディング・カンパニーである株式会社白組(以下、白組)では、日々数多くの映像作品を制作している。従来は映像制作用ストレージが複数の機器に分散しており、性能面や運用管理面で課題を抱えていた。また近年では、ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃への備えも急務となっていることから、同社ではより高性能でセキュアな新ファイルサーバーの導入に着手した。
株式会社白組

導入効果

  • 大幅なパフォーマンス向上を果たしつつ、設置スペースを従来の1/2に削減
  • ランサムウェアや不正アクセスから重要な作品データを保護
  • 圧縮・重複排除機能を活用し、データ容量を最大30%削減
  • 大容量ファイルサーバー環境の一元的な運用管理を実現

「新ファイルサーバーを導入したことで、大規模案件にも余裕で対応できるデジタル映像制作環境を実現できました。ランサムウェアをはじめとするサイバー攻撃から作品データを保護できるようになったのも、大きな成果だと感じています」

株式会社白組
システム部長
入田 尭光氏
入田 尭光氏
株式会社白組
システム部長
入田 尭光氏
杉山 隆志氏
株式会社白組
杉山 隆志氏

デジタル映像制作のパイオニアとして数多くの作品に参画

全ての色彩を含み、映画のスクリーンや絵画のキャンバスの色でもある「白」。そして、大きな仕事を成し遂げるプロフェッショナルの集合体を意味する「組」。この両者の組み合わせを社名として掲げるのが、日本屈指の映像制作会社である白組だ。同社では1974年の設立以来、約50年もの長きにわたって日本の映像制作をリードしてきた。

中でも注目されるのが、他社に先駆けて先進技術の導入に取り組んできた点だ。1983年には、早くもCGシステムの稼働を開始。1990年には、モーションコントロール撮影などにも対応したVFX制作スタジオを設置している。もちろん現在も、約500台のレンダリングサーバーと約250台のワークステーションで構成される業界トップクラスのデジタル映像制作環境を整備。劇場用映画やテレビ、CM、ゲーム映像など、数多くの作品の制作に参画している。

白組システム部長 入田尭光氏は「デジタル映像制作は年々高度化が進んでおり、データ容量もコンピューティングリソースも大規模化する一方です。システムの構築・運用を担う当部門としても、クリエイターが円滑に作業に取り組めるよう、常に現場と対話しながら環境やワークフローの改善に努めています」と語る。

複数機器で構成していたファイルサーバーの環境改善が課題に

その同社において、今回実施されたのが、本社・三軒茶屋スタジオ向けファイルサーバーの再構築プロジェクトだ。前述の通り、最近では映像データの大規模化が急速に進展。「新しい作品が作られるごとに、倍々ペースでデータ容量が増える」(入田氏)ような状況だという。しかし、この大容量データを収めるファイルサーバーについては、これまで複数のストレージ装置を組み合わせて構築してきた。その結果、運用管理が非常に煩雑になっていたという。

同社のインフラを担当する白組 杉山隆志氏は「以前はWindows ServerのDFS名前空間機能を用いて、ユーザーが簡単に目的のファイルにアクセスできるようにしていました。しかし、その裏側にある物理的な機器は、保守切れやスペック強化などの理由でしばしば入れ替わるため、障害発生時の原因究明も困難になります。このような運用方法を改善をする必要を感じていました」と振り返る。

また、複数の作品の制作スケジュールが重なった際には、ファイルサーバーのパフォーマンス不足を感じる場面も増えていたとのこと。さらに、もう一つ大きな課題となっていたのがセキュリティである。入田氏は「もちろん当社でも、エンドポイントやネットワークなど一通りの対策は施してあります。しかし昨今では、日本でもランサムウェアなどによるサイバー攻撃の被害が社会問題化しています。貴重な作品データが納められたファイルサーバーについても、データ保護のさらなる強化を図る必要があると考えました」と語る。

「『DD Boost』をはじめとして、セキュリティ/サイバーレジリエンス強化に役立つ機能が充実している点もDell PowerProtect DDの良さですね。 今後は他のお客様に対しても、このメリットを積極的に訴求していきたいと思います」

デジタルテクノロジー株式会社
ITインテグレーション部 ソリューションユニット
マネージャー
菊地 孝宣氏

優れた性能と柔軟な拡張性を高く評価しDell PowerScaleを新たに採用

このような課題を解消すべく、同社では次期ファイルサーバーの選定に着手。その結果、新たに導入されたのが、ITパートナーであるブロードバンドタワーが提案したスケールアウトNAS「Dell PowerScale」(PowerScale)、並びにカナダ・Superna社が提供するPowerScale専用セキュリティソリューション「Superna Eyeglass Suite」(以下、Superna)である。

入田氏はブロードバンドタワーの提案を採用した理由を「現在当社では、社内に設置したインフラ機器の一部をデータセンターへ移設する計画を進めています。その点、ブロードバンドタワーはデータセンター事業者でもありますので、PowerScale/Supernaの両製品だけでなく、データセンターやネットワークまでまとめてお任せできます。この点が大きな決め手になりました」と語る。

なおPowerScaleについては、同社の調布スタジオで先行導入されていたこともあり、その性能・信頼性・拡張性を以前から評価していたとのこと。杉山氏は「他社スケールアウトNASも検討しましたが、機器構成が限定的であるなど、弊社の運用方法とは合わないことがありました。その点、PowerScaleは複数の機種を自由に組み合わせられますし、ストレージの状況やパフォーマンスなども専用監視ツール『InsightIQ』で簡単に把握できます」と語る。

実際に今回構築されたシステムでも、SSD/HDDなどのディスクを内蔵しないアクセラレータノードの「Dell PowerScale Accelerator Nodes P100」(以下、P100)と、オールフラッシュモデルの「Dell PowerScale F200」、アーカイブ向けの「Dell PowerScale A300L」(以下、A300L)の3機種を採用。P100/F200をキャッシュ領域に、またA300Lをデータ保存領域として利用することで、性能要件とコスト要件を両立させている。総容量は約1.6PBにも達するが、PowerScaleであればこの大容量環境をワンボリュームで一元的に管理することが可能だ。

ランサムウェアの侵入や不正なアクティビティの監視・防御も実現

今回初採用となったSupernaには、用途別に様々なモジュールが用意されているが、同社ではPowerScaleのDRを自動化する基本モジュール「DR Edition」とランサムウェア対策を行う「Ransomware Defender」、ログ監査を行う「Easy Auditor」の3モジュールを導入している。

「製品紹介を受けた際に特に関心を持ったのが、Easy Auditorのファイル/ディレクトリ特定機能です。当社では、クリエイターが作業中に誤ってファイルやフォルダを移動してしまうケースがあるのですが、これを探し出すのが非常に困難。あきらめてバックアップから戻したケースもあるほどです」と杉山氏は語る。ちなみに、大規模案件の場合、ファイル数は最大で約1億にも上るとのこと。そこから必要なファイルを見つけ出すのは至難の業だ。その点、この機能を利用すれば、速やかに目的のファイルを見つけることができる。

また、Ransomware Defenderも、ユーザーのファイルアクティビティをリアルタイムで監視する機能を装備。万一疑わしいイベントを検知した場合には、スナップショット取得や対象ユーザーのロックアウトなどを自動的に実行する。「面倒な手間を掛けることなく、重要な作品データを保護できるのは非常にありがたい。こうした専用ソリューションが提供されているのも、PowerScaleの良さですね」と入田氏は語る。
株式会社白組

運用管理のシンプル化と大幅な性能向上に成功 制作業務の効率化に寄与

PowerScale/Supernaによる新ファイルサーバーは、2022年10月より本番稼働を開始。これにより、同社の制作業務にも数多くのメリットが生まれている。「まず一点目は、運用管理の問題を解消できた点です。複数の機器を統合したことで運用がシンプルになりましたし、ストレージの利用状況などもInsightIQで直感的に把握できます。また、調布/三軒茶屋の両スタジオのPowerScaleを、クラウドベースの管理ツール『CloudIQ』で一元管理することも可能です。視覚的に管理と現状の把握ができるようになったことから、スタッフ間の情報共有も容易になりました」と杉山氏は満足げに語る。

また、設置スペースを半減できた一方で、パフォーマンスは大幅に向上。杉山氏は「ちょうど導入直後に複数案件の制作作業のピークが重なり、毎日10TBずつ使用容量が増えていくような状況でした。それにも関わらず、ファイルサーバーの性能に関するクレームは皆無。以前なら確実にスタッフから問い合わせがあるような状況だったので、本当に問題ないのかこちらから聞きに行ったほどです」と続ける。また圧縮・重複排除機能の効果も予想よりは大きく、最大30%の容量を削減できているとのことだ。

さらにSupernaも、期待通りの成果を発揮。入田氏は「たとえば映像制作業務では、大量ファイルを一気に移動/削除する場合があるのですが、これを疑わしいアクティビティとして検知したのには驚かされましたね。しっかりと環境を監視してくれていることが実感できました」と語る。

社内にはまだ他にも残っているストレージがあるため、今後はその集約も進めていくとのこと。入田氏は「データセンターやクラウドの活用も今後に向けた大きなテーマなので、デル・テクノロジーズとブロードバンドタワーの提案にも、引き続き期待しています」と展望を語った。