パフォーマンスの向上や、容量の増加のためのアップグレードとして、SSDまたはHDDを交換することは困難な場合があります。このような不都合を避ける最も適切な方法は、次の7つの要因を検討して、将来的なニーズも満たすドライブを選ぶことです。

• パフォーマンス：SSDのパフォーマンスは、選択したインターフェイスまたはプロトコル（2.5インチSATAドライブまたはNVMeプロトコルを使用するM.2フォーム ファクターPCIeドライブ）によって影響されます。PCIe NVMeドライブは、2.5インチSATA SSDおよびHDDよりもはるかに高速です。PCIe NVMeドライブのパフォーマンスは、使用されているNANDフラッシュのタイプとM.2フォーム ファクターでサポートされているPCIeレーンの数によっても異なります。SSDは必ずブート ドライブとして選択する必要があります。ハード ディスク ドライブ（HDD）は2.5インチおよび3.5インチ フォーム ファクターで提供されます。HDDのパフォーマンスは、1分あたりの回転数（rpm）で測定されるドライブの速度と、SATAまたはSASなどのドライブ インターフェイスの影響を受けます。2.5インチSASドライブ（MegaRAIDコントローラーを搭載したDell Precision 5000/7000 TowerおよびRackで使用可能）は、SATAハード ドライブで一般的な7,200または5,400 RPMよりも速い10,000または15,000 RPMで動作します。RPMの値が高いほど、パフォーマンスが高くなります。
  
  
• 容量要件：ギガバイト（GB）/テラバイト（TB）の値が高いほど、容量が大きくなります。プレゼンテーション、ビデオ、スプレッドシート、写真のデータは、ワープロ文書やEメールよりも多くの容量を必要とするため、容量の大きいドライブが必要となります。SATAハード ドライブは、最大容量（5000/7000シリーズでは最大12TB）に最適であり、RAIDセットの一部として配置し、単一の非常に大きなボリュームとしてオペレーティング システムに認識させることができます。NVMe SSDは、1つのRAIDセットにまとめて、この非常に高速なストレージで大容量を実現することもできます。

• データの重要性：顧客情報、財務記録、医療履歴などの機密データは、フルディスク暗号化（FDE）/自動暗号化ドライブ（SED）によって適切に保護できます。これらの機能により、パフォーマンスに悪影響を及ぼすことなく、強力なハードウェア ベースの暗号化を使用してデータを安全に保つことができます。暗号化エンジンはドライブ コントローラーに直接組み込まれているため、すべての暗号化処理をドライブの最高速度で実行することができます。SEDでは、パスワードも暗号化されるため、ドライブがシステム内にある場合でも、または盗難によってシステムから取り外された場合でも、データのセキュリティがさらに強化されます。

• 耐久性：ハード ドライブには可動部品があります。可動部品は特定の衝撃や振動などの動きの影響を受けやすいため、ハード ドライブの破損の原因になります。ハード ドライブの耐久性はMTBF（平均故障間隔）として測定されます。ソリッド ステート ドライブは、衝撃からの保護や、障害リスクの低減に役立ちます。SSDの耐久性は耐用期間と呼ばれ、TBW（SSDの耐用期間全体にわたってSSDに書き込み可能な総テラバイト量）として測定されます。移動することが多く、モバイル ワークステーションを携帯して作業現場で使用したり、移動しながら作業したりすることが多いお客様には、SSDを選択することをお勧めします。